コドクノコドモ⑧
改めて鬼になった彼?の後ろ姿を観察してみる。
銀髪と言うより完全な白髪で、背丈は直人君と瑛斗君の中間あたり、服装は和服で靴が藁草履。どう考えても混ざっていたら違和感しか感じない子供が混ざっている。
多分というか確実に人間じゃないことだけはわかるが、あれが行方不明の犯人だとは確証はない。
しかしだそんな子供が混ざっているにも関わらず違和感他三人が気が付いている様子は全くないという異常事態。とりあえず様子見として遊んではいるが中々に強い。
的確なタイミングで振り返ってくるし、言葉のスピードの替え方もうまいし不意打ちの振り向きもうまくすぐに先輩以外は捕まってしまった。
初心者な二人と経験者ではあるが一般人では到底勝てない。
というかあれにそれなりに対抗できている先輩が異常な気がするのはさっきの無双っぷりのせいだろうか?
「ウゴイタ」
「ああ・・・」
もう少しで手の届きそうだというところで惜しくも捕まってしまう先輩。
「いやぁ、彼強いね。初心者だとは思えないくらいだ」
「それ先輩が言います?」
「それもそうだね。まぁ、攻略の糸口は見えた」
そう言って楽しそうに笑う先輩。
うん、負けたことが悔しいのではなくむしろ楽しそうに見える。
多分というか確実に先ほどまでは自分ばっかが勝ち続けていてつまらなく感じていたころ合いだったのだろう。
いろんな分野で強い彼女だが、手を抜くことを相当嫌っている。
直接聞いたことはないが、マウントをとりたいなどの自慢したいからではなく、単純に加減されることが嫌いだからだと思う。
逆では?と思うかもしれないが、加減してまで実力を下げられた相手に勝負するのは勝っても負けても自分が楽しくないのは当然。ばれた場合の相手は相当面倒。ならば常に全力を出せる一人相撲をして上を目指したほうが楽しい。
まぁ、学校では本気出しても勝てないような化け物二人がいるのでその必要もないようだけど。
「先輩が無双しすぎてつらいんですけど」
「おいおい四方山後輩。手加減するなんてそんな接待する柄とでも?」
「ライオンは兎を刈るときもってやつですか?」
「ああ、常に全力さ」
「いえ、ミサイルを使うでしょ?」
「・・・そういう突拍子もないネタは「サイボーグライオン!?」」
先輩のガチ正論にかぶせるように聞いていた直人君が突っ込んでくれる。
うん、ナイスリアクションだ。先輩がガチレス仕様としていたが、求めていたのはこういうノリに載ってくれる突っ込み。だってしらけるからね。
「そう、自分の体だけではなく知識も使ったプレイ。しかし、ライオンはあることに気が付くのだ」
「あること、まさか兎が武器を使って応戦してくる?」
何それなかなか面白そう。でも、もっと単純なことだ。
「おなかがすいたと」
「兎消し飛んでる!?」
「「「ぶっ!」」」
おお、見事に全員釣れた。
怪異君見かけ的にかなり古そうだけれどサイボーグ通じるのか。
「面白かったが、それはネタだけなのかそれとも何か言いたいことがあるのかどっちだい」
「うーん・・・目的よりも手段のほうに全力を出しすぎるなってこと?」
「?」
あ、気が付いてない?
楽しく遊んだら釣りあげられるんじゃないかって検証という話なのに周りが楽しめてないって苦言だったのだけれど。
「それは問題ないさ。彼の無双もじきに終わる。ならそこからはちゃんと勝負になるからね」
「ん?」
あれ、さっきまで連勝していたのは先輩だったはずなのに怪異の子が無双し続けていたことになっている?
っていう事は俺が連れてきた子の一人として認識されてる?
え、あれだけ全身で一般人じゃありませんアピールしているような恰好なのになんで誰も気が付かないの?
再び何事もないように「だるまさんが」と始めの合図が行われ、当たり前のように遊びは再開していく。
取り合えず面白そうだからしっかりと録画しておこ。心霊現象起こっているのに気が付かない図はかなり見てる側からしたら面白い。後でこの録画使ってからかって・・・。
木のほうを向いているはずの彼と目が合った。
「え?」




