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コドクノコドモ⑦

さて、12回目を始めたわけなのだが、いまだに何か変化が起こるわけでもなくもう23時を過ぎてしまっていた。

後半の大人組が行方不明になった時間もとっくに過ぎてしまっている。


このままだるまさんが転んだだけして終わるのも仕方がないとは思うが、一向に不審者が現れることもなく、誰か減っているというような不思議現象も起こらない。

念のため何か面白いものが映っていないかとカメラの映像を早送りで確認してみたが特に映り込んでいることも映像が飛んでいることもなかった。


で、時間が許す限り遊ぼうということでまたやっているのだが、ここでかなりの誤算が出てきた。


「大人げねぇな、あっちのねぇちゃん」


「だね・・・」


今の鬼は先輩であり、これがすでに9回目。つまりルールの鬼の連続回数制限以外で一度も交代していないのである。逆に迫る側に回れば一度も捕まることなくタッチしての交代を速攻でするため完全に無双状態だ。


忘れがちではあるが、あの先輩文字書きに完全特化した天才小説家でそれ以外はからっきしという特化型・・・ではなく。それ以外の科目に関してもすべての教科で学年3位の好成績を残す文武両道の天才女子作家である。

これが秀才による完全努力による結晶であればいいのだけれど、本人に聞けば・・・。


「教科書に書いてある通りやればいいだろ?」


とのこと。

確かにその通りだ。教科書には基本的なことだけではなく応用的な内容もしっかりと書かれてある。

でも、体育の教科書に書いてあるフォームを読んだだけで99%実現できるとかさすがにインチキすぎるでしょ!?

文章読解力なんて物で片づけていい話じゃない。

じゃあ今回のだるまさんが転んだを無双している理由は別ではと言われるかもしれないけど、体育の教科書でしか見ない奇麗すぎるフォームで速攻で近づいてきてるとしっかりと応用されている。

さらには相手の性格などから物語を脳内で瞬時に描きタイミングや迫り方を予測してくるという未来予測のおまけつき。

天才を通り越してもはや仙人の域に達している気すらもする。


とはいえあそこまで勝ち越し続けられたらこちらも意地になってくるわけで・・・。

めちゃくちゃゆっくりと迫ってみたり、ステップで近づいてみたり、ブリッジの体制で近づいてみたり、はたまた「ぼうさんがへをこいた」と別の合図を混ぜてみたりといろんな方法で攻略を試し見た。


そして、17回戦目ついに勝利した!


「おっと、まさか捕まるとは」


「ふっふっふ、これぞ灯台下暗し作戦」


作戦通り、一人を背に隠しながら近づきいいタイミングで奇襲をかけてもらう作戦だ。


「でも、4人だけだから数え間違えることないと思うのだが?」


バレバレの作戦でも勝てたんなら上出来でしょ。


「あまりかっこよくはないねぇ」


「大人げなく無双してる先輩に言われたくないです。少しは手加減してください」


「ふむ、善処するよ」


うまいことやってくれた彼の頭をなでると先輩含め全員でスタートラインに戻っていく。

・・・あれ、一人多くない?


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