交渉成立!side-宮崎-
さて、人形の目が手に入りこれでもともとある頭に加え胸、左右の足、両目の5つの部品がそろった。
本来だったらあと二つも見つかってはいるけれど四方山から受け取り忘れていたからまた明日になるかな。
確かまたと髪の毛だから他の部分とくっつけることができるはずだからバラバラで持つよりは安全なはずだ。
「ん?」
とりあえず今ある分だけでもと思い鞄の中を覗いてみると鞄の中には四方山が持っていたはずの部品が人形に取り付けられていた。
鞄は今日一日ずっと私の手元にあったはず。まったく機会がなかったとは言えないが、いつの間に入れられていたんだろうか?
人形や怪異なんかよりもよっぽどあいつのほうがやばい何かな気がしてならない。
とはいえ、これで人形の部品は残るところ両腕と胴体だけになった。
胴体に関しては神崎先輩たちが田嶋さんのところにとりに行っているはず。
そうなると残りの部品は二つ。順調にいけば明日にはすべてそろい、最終日を迎えずにすべて集まるはずだ。
人形の部品を持っているのがクラスメート、それもあるきっかけで知り合った彼女が持っていることは占いの結果で知ってはいた。
学校を休み続けているとは思ってはいたが、まさか事故にあい入院しているとは思わなかった。
「さて、宮城君」
「・・・宮崎です」
君という呼び方と別の名前で呼ばれたせいで一瞬だれのことかわからなかった。
この人、まさか私の名前覚えていない?
「この後の件なんだが、君もついてくるよね?」
この後というのは九条の弟の呪いの件のことだろうか?
今思ったが、それに関しては私は全くと言っていいほど関係のないことだ。
「すまん、宮崎頼む一緒について来てくれ!」
そう言って九条は拝んでくるが、私が行く必要性がまったくわからない。
それに先輩は呪いの解き方について知っているから行くのは当然として私は何もできることはないはずだ。
「いや、俺のストッパーになってくれるだけでいいんだ。あの先輩に腹立てずにいられる自信がない!」
「いやな方向での自身ね・・・」
「じゃあファミレスのデラックスパフェおごりで」
「よしのった!」
「即決かね・・・」
そう言って先輩はあきれているが、デラックスパフェというのは季節のフルーツとお菓子がふんだんに乗ったBIGサイズパフェ、それだけあってお値段は4桁というなかなか手が出せないもので毎月の様にトッピングも変わっていくため一度逃したらもう味わえない特別なものだ。
ただついていくだけでそれをおごってもらえるだなんてそんなおいしい話はない。
「現金だねぇ。まぁ来てくれるならそれでいいよ」