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アブナイコトシナイデ

俺は、怪異の左手をそっと握る。

その様子をメアリーが驚いたような様子でこちらを見る。


「アア、コノ優シク握ッテクレルテ。ヤッパリヨシコナノネ」


よかった、手の感覚はちゃんとあるようだ。

さっき人形が怪異の腕をつかんだ時反応があったからもしかしてとはおもった。

怪異の手のひらに「ちがう」と文字をなぞる。


「ヨシコジャナイノ?」


『はい』


「・・・アリガトウ、ソシテゴメンナサイ」


さっきまで暴れていた怪異は大人しくなる。

よかった、余計に暴れだして襲ってきたらどうしようかと思った。

メアリーに放してあげてと合図すると通じたのか人形達が姿を消す。

結局あの人形達ってなんだったのだろうか?


「ネェ、アナタ。私ノヨシコヲ知ラナイ? 」


『しらない』


「ソウ・・・」


よしこと言われても同じ名前は結構いそうで何か特徴とか聞けないと流石に分からない。

さて、こちらも本題にはいらして貰おう。


『それがほしい』


そう書いてから右手を触る。少し血まみれになるが気にしない。


「ダメ、コレハヨシコガ戻ッテキタトキニアゲルノ」


人形の部品を? そう思い聞いてみるとよしこは昔から人形が好きだったらしい。だから彼女が戻ってきたときに人形をプレゼントしたいので、他の部品を探していたそうだ。

うん、何で完成品じゃなくて部品から集めようとしたんだ。流石に手間かかりすぎだろ。


どうしよう。流石によしこを探して会わせるにしても情報があまりにも少なすぎる。下手するともう亡くなっている可能性があるし、この人みたいに怪異になっているかもしれない。下手すると間に合わないぞ。


と、そこでメアリーが肩を叩き。抱えている人形を指差す。

もしかして、これと交換して貰えと?


「でもそれさっき欲しくて拾ってきた奴だろ。いいのか?」


その言葉にうなずく。今度代わりの人形でも買ってあげよう。


『こうかんして』と伝え人形を渡す。


「・・・コレ、アノコニアゲタ人形」


「え」


まじか、これもともとこの人の物だったの? まさかそれをしって・・・

メアリーは首を横に振る。どうやら偶然だったようだ。


「届ケテクレテ有リ難ウ」


周りが眩い光りに包まれ気が付くと怪異の姿はなく、人形の部品だけが地面に残された。


「成仏、したのか?」


それにしてはやけにあっさりとした結末だった。結局よしこについてなにも分からなかったし、単に娘が亡くなった事が信じられなくここにとどまっていただけなのだろうか?


「いてっ」


考え事をしているとメアリーに突然デコピンされた。なんだなんだと思っていると今度は強く抱きしめてきたのだ。


「・・・ごめん」


怪異の鎮圧、思いでの品の引き渡し。今回無事で終わったのはほとんどメアリーのおかげだ。

電話の張り紙から察するに対応を間違えていたら何処か連れさらわれていたかもしれない。

怖くないから大丈夫、そう何処かで考えてしまっていたのかもしれない。


「助けてくれて有り難う」


そう言ってメアリーの頭を撫でた。

Q:結局成仏したの?

A:してない。 ちゃんとよしこちゃん連れてきてね

 あと、解決させる予定は今のところない

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