シカイ⑬
さて、メンバー全員が合流できたことだし彼女を探さなくてはいけない。
「どうやって探しましょう?」
今回は小鳥のおかげで場所がわかったが、残念なゲームでもなかなか見ないような鬼畜な迷路仕様。それもゴールの場所が分からないと来た。
やはりこっくりさんを頼るしかないのでは?
「いえ、今回は純也がいるので大丈夫です」
「というと?」
「探し物に関しては彼以上に優秀な人はそうそういません」
「まぁ、正しくは僕じゃなくてこの子がだけれどね。おいで白亜」
そう言うと彼のベットの横で毛繕い? をしていた小鳥が彼の指・・・ではなく彼の肩に乗って歩をずりをし始めた。
そんな可愛らしい様子を気にもかけず、容赦なく叩き落とすと頭をつまみ上げる。
いや、扱い雑すぎない?
「こいつはまぁ・・・家で飼われている鳥だ。こいつは探し物をするのが得意でね」
そういえばこいつが圭吾先輩を探しに来てくれたんだっけ? あの病院(?)の中を探し当てるのだからすごい探索能力もちなのだろう。
生徒会長はどこかからか小さな巾着袋を取り出し口を開けると小鳥が顔を入れる。
「それは?」
「これ? 田嶋さんの没収品。必要となると思って生徒会室から持ってきておいたのさ」
「職権乱用では?」
「今回は緊急時だからね」
いや、確かに今は緊急事態になってるけれど、ここに降りてくるまでは単にお見舞いだったはずでは?
結果的に必要にはなったけれど、病室にあった彼女の荷物から徴収すればそれで解決したはずだ。
・・・ストーカー気質な性格は誰に対しても共通なんだろうか?
小鳥の体が一瞬だけ薄く発光するとその場を飛び立つ。
どうやら彼女の居場所が分かったようだ。
「さぁ行こうか」
生徒会長はそういうと俺の手を握って歩き出す。
・・・
・・
・
何度目の扉を抜けたのか覚えていないが、12? とプレートに描かれた病室にたどり着き、一番手前側の繭へと小鳥が止まる。
その繭の隣にある机の上にはふくぶと思われる人形の部品が置かれていた。
「これが人形の部品かい?」
生徒会長が興味深そうに人形の部品を見つめる。
そういえば彼はメリーさんの部品を見るのははじめてだった。彼の異能力的に何か感じるものがあるのだろうか?もしかしたら違う視点からの感想を聞けるかもしれない。
「どうぞ」
「おや、いいのかい?」
「ちゃんと返してもらえれば。ただ、扱いには気をつけてください」
そう言って彼に渡す。
圭吾先輩が傷つけると同じ場所を怪我すると警告をするが、まぁ先輩みたいに面白そうだからと突然カッターナイフで切りつけたりはしないだろう。
「これは・・・」
生徒会長は人形の部品を見ると怪訝な表情を浮かべる。
「姫、この人形がメリーさんの都市伝説の物、それで間違いないのかい?」
「誰が姫ですか。ええ、そう名乗っていたそうです」
昨日過去を覗き見たとき確かにそう書いてあった。
スマホのハッキング、あれが人の仕業だとは考えにくい。
「宮北さんもそう言っていたので間違いないかと」
圭吾先輩も後押しをしてくれる。それでもまだ何か引っかかっているようだ。
先輩に関しては結構的外れなこと言うこと多いからあまり信用にはならないけど。
「これ一晩だけ預かっても?」
「ええまあ、いいと思いますよ?」
残り時間は二日しかないが、最低明日なかったところで間に合う。
情報量があまりにも少ない今なにかヒントが手に入ればそれがいい。
宮崎さんには正直に生徒会長に貸したと言えば納得してくれるだろう。




