2×20年10月 16日 ②
まさかこんなに早く続きが投稿されるなんてびっくりですね(お前が言うな)
それでは前置きもほどほどに本編をご覧ください。
ほんのりとしか明かりが灯っていない薄暗い校舎の中をなれた足取りで自分の教室へと駆けていく。
一刻も早く教室に戻らなければ、
何かに背中を押されるような、あるいは誰かに引っ張られるようなそんな感覚だった。
ほとんど無意識だったのではないかと思うほど必死だった
『ガクッ』
階段につまづき、一瞬足が止まる
早く取りにいかなければ、早く取り返さなければ…
足が止まる。
『なにを?』
自分はいったい何を忘れて取りに戻っているのか…
さっきまでの必死さが噓のように冷静になった。
いったいなにをそんなに焦っていたのか、
わからない
あたりの薄暗さもあってか急に恐ろしくなる。
いくら考えてもなにを焦っていたのか思い出せないので、
とりあえず一度自分の教室に行くことにした。
自分たちの学年は校舎の四階にあり、
今は三階と四階の間の階段の踊り場にいる。
先ほどとは打って変わって落ち着いた気持ちで階段を上り廊下に出る。
その時
『ボーン…ボーン…ボーン』と、
20時の閉門のチャイムが鳴った。
それと同時に廊下の電気が一斉に消える。
薄暗い世界から完全に光が奪われた。
唯一世界を照らすのは頼りなく、今にも折れてしまうのではないかと心配になるほど細い三日月。
そんな黒に包まれた世界に一つ明かりが灯った。
自分の進行方向、
先ほどまで必死に目指していた目的地。
その教室だけが明るい光を放っている。
暗くて階段も下れそうになく、そもそもその教室に行くつもりだったので再び歩き出す。
距離にして約20m
かすかに聞こえるのは機会に内蔵されている冷却用のファンが回る音と機械的な音声
「2×20ネン10ガツ 16ニチ ゲツ…ビ テンコウリョウコウ
テイジレンラク
トクヒツジコウ アリ
19ジ43フン タントウバンゴウ7バンガ
コウモンマエニテ タイショウヲロスト
ツイセキヲジッコウチュウ
(20ジ2フンゲンザイミハッケン)
ソノタ イジョウナシ
ショウサイ
07ジ01フン キショウ
07ジ30フン トウコウ
08ジ23フン ガッコウニ トウチャク
・
・
・
・
19ジ43フン タイショウガ 7ニ ワスレモノヲトリニイクトツタエ ハシリダス
19ジ45フン タイショウヲ ロスト
20ジ08フン タイショウ イマダソウサクチュウ
ソノタ
シンタイイジョウ ナシ
セイシンイジョウ ナシ
リセット ナシ
センジツコショウシタ ハッシンキノコショウノゲンイン イマダトクテイデキズ
ナンンラカノ ガイテキウインノカノウセイ アリ
タイショウホンニンニヨル ハカイノカノウセイ ナシ
イジョウ テイジホウコク オワリ」
『はっ!!』
息をするのを忘れるほどの衝撃とはこの感覚のことなのかと
恐怖では今の自分の心情を語るのには不十分だ。
わけがわからない、思考が混乱する。
教室の中は見えないが明らかに普通ではないことがおきている。
『対象ってなんだ、俺の子とか?
七番ってなんだ?
そもそも教室にいるにはなんだ?
何で一日の行動を知っている?
リセットってなんだ?
発信機って?』
頭の中が疑問で埋め尽くされる。
逃げなければ
わからない、わからないがどう考えても今のは絶対に見てはいけないものだし、
見たことを知られてもいけないことだ。
心音がうるさい。
荒くなる呼吸を押し殺しながら俺は暗がりを顧みず階段をくだろうと
『コツッ コツッ』
下から誰かが上がってくる音がする
警備員だろうか、
それとももしあの対象というのが俺のことだとするのなら…
7番…
冷え切っていた背筋がさらに冷たくなる。
外に出るためにはこの階段を下るしかない。
しかし下から上がって切るのがだれなのかわからない。
どうすれば………
「こっち…」
いつだか風に乗って聞こえたような気がした声が聞こえた
「こっちにきて…」
聞くだけで落ち着くような優しい声が聞こえた
「あなたは●きているんだか…」
ノイズが走る
後ろにほんの30分ほど前に感じたあの刺すような視線をまた感じた
「わ…れな…で…あな……………は……てい…」
声は聞こえなかった。
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いかがだったでしょうか
2×20年10月 16日 月曜日
やっとこさ話が始まり時々聞こえてた声の主(き
っと超絶美少女なのでしょう)に会えそうでしたね。
まあ会えなかったんですけどね。
果たして次回はいつ投稿されるのかはたまたそれないのか
はらはらしながらお待ちください。
(次回投稿予定は一週間以内を目指しています『絶対に投稿するとは言っていない』)