06俺の教室
今、俺は教室の扉の前にいる。本来ならば、今日辺り学校をサボってしまえばいいのだが、いかんせんあの顔と虐められてるにもかかわらず学校に来ていたという本来の糞真面目さが災いしここまでたどり着いてしまった。
遅刻ギリギリの時間だったゆえ登校の時はさほど目立たなかったが、流石に教室に入るのは躊躇する。
「このまま、ここに立ってるわけにもいかないしいるわけに・・」
俺は、覚悟を決め教室に入る。
「ガラガラッ」
どうやらもうすぐホームルームの時間らしく、クラスメートが全員座っており俺が最後らしく全ての視線を集めてしまう。
(しまった!!もう少し静かに開ければ良かった!!)
そうおもってしまったが後の祭り。仕方なく俺は自分の席へとあるきだす。
するとどこからとなくザワザワし、声が聞こえる。
「誰あれ!!超かっこいいんですけど~♥️!!」
「あいつ、クラス間違えてないか?」
「・・・・素敵!♥️」
「でっけ~。しかも、なんだよあの顔!
マンガでしかみたことねえような顔してるぜ。」
「何だ~、アイツ」
「・・ゴクッ・・!!♥️♥️」
「かっこいい♥️かっこいい♥️かっこいい♥️かっこいい♥️かっこいい・・」
「好き♥️」
「・・・・ハッ!何で男の俺が見惚れてんだよ!!」
「♥️♥️♥️♥️」
それは今までの見られ方ととは全く別。俺を初めて見たとき、同じ視線の集まり感じたことがあるが、前の俺が影ならば、今の俺は光。
例えるならば、前の俺が道端に捨てられたガムなら、今の俺は世界一のパティシエが作る最高ケーキ。
例えるならば、前の俺が世界一気持ち悪いといわれいるはだかネズミなら、今の俺はフワフワモコモコの元気いっぱい遊び盛りの赤ちゃんパンダ。
一番わかりやすく言えば、前はう○こで今は最高級ダイヤだ。
そんな視線を浴びつつ、俺はいつもの席につく。するとさっきのザワツキがさらに加速する。
「何?どいうこと?何であのイケメンがあの気持ち悪い奴んとこ座るの?」
「意味わかんね~~~。」
「何で何で?!」
「わかった!あいつ、死んだんじゃね~! そんで代わりの転校生とか。だったら前の不細工には悪いけど超ラッキーじゃね❤️」
クラスの全員が、俺への集中と雑談がよりいっそ激しくなる。
そんななか俺は沈黙を続ける。
とりあえず、後もう少しすれば先生がくる。親父が何とかしといてくれるって言ってたから話は通ってるはずだ。
あんな親だが、基本嘘はつかない。それまでは沈黙を貫こう!!前と同じく黙ってればきっと誰も話しかけてこないだろう!!そう考えたのだ。
だが、そこはやはり不細工とイケメン。汚いものには触りたくないが、綺麗なものには触りたくなるものである。
隣に座っていた女子生徒(前の時は嫌悪感と汚いものを見る視線しか感じたことがない)がここぞとばかりに話しかけてくる
「あの~♥️♥️そこ多分、あなたの席じゃないとおもうんですよ~♥️♥️
いや、私的には~あなたに、ずーっとそこにいてもらいたいんですけど~♥️♥️」
そんな猫もビックリするくらいの甘ったるい声が俺の耳にはいってくる。すると、回りの女子は今度は声をかけた隣の女に殺意というなの視線を送る
(何、話しかけてんだ、あのブス!!)
(その人はあたしのもんで、おまえは前の不細工と仲良くやってろ!!!!!)
(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・)
しかし、隣の女子はそんなことお構い無く俺をジ~~ッと、見つめ続ける。
俺がこんな時どう返答ばいいかなんてわかるわけないだろ~!!!!こちとらマリ姉以外の女性との会話のキャッチボールなんて近所の、スーパーのおばちゃん以外ほとんどないんだから。
覚悟を決め、俺に今もなお熱い視線を浴びせ続ける女に俺が返答せずあたふたしていると
ガラガラッ
「こら、静かにしろ!!!」
先生の登場である。