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03俺の進化

フッと目が覚める。

なんだか異常に身体が軽い。

そうか、昨日あんだけ寝れば身体も軽くなるわけだ。頭もスッキリしてるが、今何時だか調べるためにメガネを探す。


「おかしいな、どこいった?」


そう言いながらいつもなら置いてある場所になく、手探りであちこち触っているとある違和感に気づく。


あれ?俺、メガネかけてる?


そうおもい顔を触る。なぜかメガネの感触がある?なぜ不思議におもうのか。それはメガネをかけてるにも関わらず目の前が見えずらいからだ。


「どういうことだ?」


不思議に思い何気なくメガネを外す・・

メガネをかけた時くらいによく見える!どういうことだ?超がつくほどのド近眼でメガネをかけて1、5だった俺がメガネを外しても同じくらい、下手したらもっと見えるくらいになっている。

あえて、もう一度メガネをかけてみる。よく、メガネをかけない人が度の強いメガネをかけると視界がグニャグニャしてと聞いたが・・なるほど、俺がメガネをしない時と同じくらい見えない・・・・自分でも不思議なことを言ってるのは解っている。ただ、これ以上自分の中でメガネメガネ言うのも気持ちが悪い。とりあえず、裸眼のままで自分の部屋から出ていく。よく見えるようになったせいか、視界も大分高くなった気がする。そうおもいながら洗面所へ向かい、いつもどうり不細工な自分の顔をみる。



「へっ・・誰?・・・どういう・・・・なんじゃこりゃーーーーーーーー!!!!!!!」


鏡に写っていたのは俺じゃない。性格には俺なんだが俺じゃない。そこにはあの不細工な中肉中背の姿がない。

背は190はありそうな高身長。スタイルは程よく筋肉がついた細マッチョ。顔も小さく8~9頭身はあるんじゃないだろうか。そして肝心の顔はというと、やはりどう見ても美男子だ。切り長だが大きい目にそこそこに高い鼻。薄くも厚くもない程よい唇。天パーだった髪も天使の輪っかができるくらいに綺麗なストレートになっている。その辺のイケメンモデルよりだいぶ男前だ。多分、俺が女だったら一瞬で一目惚れしている。イヤ、男でも好きになるかもしれない。それぐらいの美男子だ。


「嘘だろ?これ・・俺?」


とりあえずこれが本当に自分なのか確かめる。考えつく動き、例えば右手を上げれば鏡の中の人物も右手をあげる。口をパクパクすれば、鏡の中の人物もパクパクする。鼻をほじれば、まさかの鏡の中の美男子も鼻をほじる。


「誰だ、コイツは・・イヤ、俺なんだが・・一体どうなってんだ!」

「その答え、教えてあげようか?」


その声にハッとし横をみる。そこには、ニヤニヤ笑ってるおっさんが1人いた。壁にもたれながら、薄ら笑いを浮かべてる男。さすがの俺だって、何ヵ月も会わないだけで唯一の肉親を忘れたりはしない。


「よぉ、久しぶりだな~・・・・親父~~!!」




「ま、とりあえず座れよw」


リビングに移動しソファに座りながらコーヒーを、ゆっくりと飲む男。まごうことなき俺の親父。天草野次郎、その人だ。


この親父、久々に帰って来たとおもい全身マジマジと姿をみたが相変わらず・・カッコいい。

自分の親にこんなこと言うのもなんだが、ダンディーと言うのはこの男ためにあるのだろう。そう言っても過言ではない風格がこの男にはある。多分、銀座や六本木そういった大人の街を歩けば、目の会った女、その全ての女の目をハートマークにできる。大人の色気が、フェロモンが、常に120%全快でだだ漏れている。それぐらいのことができそうなくらい、かっこ良さ、渋さ、エロさがこの男にはある。

俺が小・中学生の時、俺は本当にこの人の血を受け継いでるのか?と殺意を抱くほどだ。



俺はソファに座り、対面で優雅にコーヒーを飲む親父に対し現状が全く理解できず、興奮状態のまま


「それで、これは?一体、どういことだ?何でこんなことになってる?どうなってる?」


と質問たてる。


「まー、まー。少し落ち着け。」


そう言うとゆっくりとコーヒーの入ったカップを置きゆっくりと話し出す。


「ところで、お前。今日が何の日か解ってるか?」

「今日?別に祝日でもなければ、休みでもないし、いたって普通の平日だと・・」


いや、違う。昨日のマリ姉の手紙で思い出したことがある・・


「俺の誕生日・・」

「ピンポン、ピンポン。正解!」


そう言うとおやじは、ニヤケながら話をを続ける。


「太郎、これから言うことは我が一族代々続く血の加護?呪い?そういったものなんだが・・」

「加護と、呪いじゃあ正反対だぞ」

「まー、そういわず聞け。・・お前、昔俺と近所の公園で話した事・・覚えているか?」

「公園・・そういえば・・なんかあったような・・・・あっ・・」


そうだ、思い出した。イヤ、それは思いだしと言ってはだめなことだ。それは、忘れちゃいけないことだった。

だってそれは俺が前向きにいきてこれた、もう1つ心の支えなんだから



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