ずっと友達
「はぁ何でまたいるのかなぁ」
園原美琴はそう小さく呟いた。
美琴には佳山実菜という親友がいる。だが、最近実菜に新しく、
七宮里美という友達ができた。その里美が実菜にずっとついてきてしまい、あまり二人だけの時間が少なくなってしまっている。
「あ!実菜一緒に」
「実菜!一緒に行こうよ理科室」
まただ。こうやって美琴が実菜に話しかけようとすると里美が話を遮ることが最近結構ある。
「美琴……」
「あ、いいよ。いっておいで」
「え……でも」
「大丈夫!ほらはやくいっておいで!」
「うん。」
「はやく行こ~実菜~」
「はいはい」
はぁ何でこうなるかな……はやく実菜を取り返さなきゃいつも実菜をとられちゃうし。どうしよう……
「あ!実菜帰ろ」
「実菜~帰ろう~」
「うん!いいよ!」
美琴は実菜と里美が並んで帰っていくのを見ながら思った。
(ムカつくあいつ。私の方が先に親友だったのに……殺してやる……)
一週間後…………………………
『ニュースです。高校二年生の七宮里美さんが殺害されました。現時点では殴られて殺されたということしか分かっていません。』
「え……里美が……そんな……」
スマホを見て実菜は絶句していた。
「実菜……残念だったね、仲良かったのに……」
「うう……」
美琴は実菜を抱きしめた。
「皆さん!席についてください!」
先生が慌てた様子で言った。
(やった。ラッキー!!里美死んだんだ。)
美琴は手を見ながら微笑んだ。
(これで実菜は私のものだ。)
「ふふ……」
まだ美琴の手には里美を殴った感覚が残っていた。