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経験値横取りにキレた俺は女装で無双する  作者: 白生荼汰
第三章 過去が背中を追いかけてくる

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どこまでも理解しようとしない人達

「さすがに、女性に気持ち悪いはひでえなぁ」

「別に嫌いって程強い気持ちでもないし、揶揄うためだけに思わせぶりな態度をとられるんだぜ。気持ち悪い以外どう言ったらいいのか……」


 好みか好みじゃないかって考える範囲にももはや入ってないんだから仕方がない。


「笑ったらさすがに気の毒過ぎて我慢し続けた俺達の身になれよ」

「俺たち?」

「あのアントスさんも咳払いの後、肩がプルプルしてたろ。アレ絶対笑うの我慢してたって!」

「あー、あれ笑ってたのか」


 あの後馬車はすごい空気になってしまった……。

 しょーがないじゃん!

 変な疑いをかける方が悪い。

 馬車から降りられて、俺はほっと息を吐いた。


 爺ちゃんたちは苦笑してるし、アントスは目を逸らしてるし、ノーマはすっかり落ち込んでるしで、めっちゃ居心地悪かったんだよね!


「ねえ、これから食事でしょ? 支度をしますからこの縄を解いてくださいな」


 休憩中は『蜜花の集い』の連中は野営地の中央付近に、賊どもとは別に一か所に集めて食事も与えられるんだけど、カスハが猫撫で声で『狼牙』の面々に縋っていた。


「わりぃなぁ、人手は足りてるんだよ」

「見たところ、あなたたちのところ男所帯じゃない? ルファナ商会の馬車には野菜なんかも積んであったのよ。あれを使って美味しいものを作ってあげる」

「そうかいそうかい。だが、あいつらの財産はもう俺らで山分けするって決まってるから、勝手に手を出すわけにはいかねえなぁ」


 酒飲みのおっちゃんはカスハと話しつつもどこか面白そうだ。


「野菜ぐらいいいじゃないの。美味しいものは食べたくない? 干し肉と固パンばっかりじゃ飽きちゃうでしょう、ねえ?」


 なんでそこでよりにもよって料理屋のおっちゃんに話を振るかなぁ。


「まぁ、続くと飽きるわな」

「そうでしょう? だから、この縄を解いて……」

「あのなぁ、お嬢ちゃん」


 酒飲みのおっちゃんはその場にしゃがみ、カスハの顔を覗きこんだ。


「一応な、お嬢ちゃんらがルファナのらに騙されたってのを信用して、あいつらとは離してやってるのよ。それをあんまり騒ぐようなら同じ扱いにしてもええんぞ」

「なんでよ。私たちは騙されただけで悪いことなんてしてないんだから、自由にしてくれたっていいじゃない」


 横からロージィが噛みつくように叫んだ。


「それで自由にして、お仲間を引き込まれたら俺たちはよほどの間抜けじゃねーか。潔白を証明したいなら町に行ってからギルドでするこった。町につくまでは大人しくしとれや」

「け、けど……このままじゃただのお荷物じゃないですか。自由にしてくれたら皆さんのお役に……それに馬車だって何で私たちをばらばらに……」

「そうよ、信用してるなら同じ馬車で運んでくれてもいいじゃない!」


 往生際悪くカスハが強請り、ロージィがそれに同調して騒ぐ。


 うーん、馬車をばらばらにしているのは、それこそ対処に困るような魔獣が出たとか、別の盗賊が出たとか、何かあった時になるべく早く対応できるように、ってことなんだけどな。

 例えばとても倒せないような魔獣が出たとして、間違いなく盗賊の一味の連中はそのまま置き去りにしても構わないけど、彼女たちを纏めておいたら、それだけ縄を解いたりするのに時間がかかる。

 別々に乗せておけば、その場にいた一番上の人の判断によるけど、少なくとも待たせたりする時間は短縮できる。

 一応それぞれの馬車に乗せる時に説明されたはずなんだけどな。


「殻も取れてないのにぴぃぴぃやかましいひよっこたちだ。あのなぁ、勝手に踊るのは構わんが、どうせ踊るんだったら身綺麗になってから(とこ)で頼むわ」


 ジャクロウが呆れかえって言う。

 うーん、見事にガラが悪い。

 こうしてみると、王都の本屋で見かけた小説のように女騎士を捉えた盗賊にしか見えない。


「あの人達、本当に面倒見がいいな。よく彼女らと話す気になるもんだ」


 キースは妙なことに感心して、首を振った。

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