表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
経験値横取りにキレた俺は女装で無双する  作者: 白生荼汰
第三章 過去が背中を追いかけてくる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/73

女性として見た時に

 馬車に乗っている8人中5人は何を言っているのかわからない、という顔をしている。なお、残りの3人は御者台にいて顔が見えないナイゼルと御者、そして突拍子もないことを言いだした当の本人のノーマだ。


 アディちゃんやってるときならいざしらず、女装もしてねえのにビッチってなんだよ!


「彼女は何を言ってるんだ?」


 困惑した顔でアントスが聞いてきた。


「だっておかしいじゃない。私たちの誰がお誘い掛けてもつれないし、カスハがシチューを持ってきても手も付けなかったって聞いたわ。でも、女よりも男が好きなら仕方がないわよね」

「……」


 アントスはひどく不味いものを飲み込んだような顔で、ノーマを頭のてっぺんからつま先まで見て首を振る。

 手遅れの怪我人を発見した回復役みたいだ。


 そうか、カスハがシチューもってくるまでに、それぞれアントスに粉掛けてたのか。

 A級パーティー『双轍(そうてつ)』のリーダーだもんな。

 稼ぎもいいだろうし、あっちこっちでの名声も得ている。

 付き合えたら美味しい相手ではあるだろうな。

 で、振られた、と。


 だからってなんで俺が可愛がられてる(・・・・・・・)ことになるんだよ!


 誤解も甚だしいわっ!


「……申し訳ないが、俺にも好みがある。男を相手にする趣味はないし女が好ましくはあるが、誰でもいいわけじゃない」

「あ、右に同じく」


 軽いノリでキースが便乗する。

 いやなんで便乗したし。


「わしは亡くなった妻一筋でなぁ」

「知性の感じられないご婦人はご遠慮願いたいですね」


 なんでガラン爺さんとセドリックさんまでノって来てんだよ。

 って、何気に辛辣だな、セドリックさん!?


「……っ」


 立て続けに一方的に拒否られてショックを隠せないノーマは、恨みがましげな顔で俺の方を見た。


「ガリオンとは仲良かったし、ガリオンに片思いしてたからついてきたんじゃないの!?」


 えぇー、何それ。

 どういう誤解だよ。

 侮辱も大概にしてくれ。


「ガリオンとは幼馴染の腐れ縁だし、ガキがガキの頃から一緒に育ったヤツと冒険者目指すのなんて普通だろ」


 今となっては本当に腐れ縁だったな、って実感してるとこだけど。

 もっと早く切るべきだった。

 特にこんな誤解されるようになるってわかってたら、村出る時から別々に出てきたわ。


「あ、アディ、あんた、ガリオンと違って揶揄ってやってもシラっとした顔しちゃってさ。ガキの頃から可愛くなかったのよ」

「それは、そもそも興味がなかったんでしょうなぁ」

「ぐっ……」


 穏やかな爺様みたいな顔して積極的に抉りに行くね、セドリックさん!?

 楽しんでない!?


 ……あれ、ガリオンに比べて俺に対して当たりが強いな、って思ってたの、ひょっとして俺が弱かったからってだけじゃなくて、靡かないから、ってのもあったのかな。


 いや、だってイヤじゃん。


 おもらししてた頃からお互い知ってる幼馴染とパーティ内で女取り合うとか、ちょっとした地獄絵図じゃん。


 ノーマは最初っから「いっぱい倒した方にご褒美上げる」とか、そういうまさしく揶揄うような言動が多かったんだよね。

 ガリオンはマジにとって鼻息荒くしてたけど、俺たちを競わせてニヤニヤしてる姿勢には引いてた。

 村から出てきてからそう時間もたたない頃、右も左も知らない俺たちにあれこれ世話を焼いてくれたのは感謝してたけど、なんか村で小さい女の子がお姉さんぶってもっと小さい子に指図して意地悪する、みたいな態度がさ……気持ち悪かったんだよ。


「いや、俺だって可愛い女の子は好きだし、イイ人がいたら付き合いたいけど、年上は興味ない」

「と、年上って言ったって、4つしか違わないじゃない」


 正直に言えば、ノーマに限らず、やけに近い距離とか、思わせぶりな態度をとられて、くらっと来たことは何度もある。

 多分あれって、俺たちのことを揶揄って楽しんでたんだろう。

 あとは自分の魅力の確認が出来て気分が良かったとか。

 でも、そのたびに馬鹿にされ見下されてたら、少なくともこいつらはないな、って結論に至るのは結構早かった。

 そこらへん、ガリオンの奴は気にしてなかったというか、目の前にハエが飛んできたカエルみたいに見境なく食いついてたが。

 少なくとも、俺は嫌だった。

 もっともガリオンが先んじてガッツいていたから、俺の方が冷めたっていうのもあるけど。

 追い出されるまで、仲間として大事にしたいとは思っていたけど、恋愛をする相手としてはないな、って思ってた。


「……俺、付き合うなら性格がいい人がいい。俺、ノーマのこと、仲間としてはともかく、女性としては気持ち悪いなって思ってたよ」

「き、気持ち悪い……」


 ノーマは絶句して項垂れた。

ざまぁってこういうことで良かったんだろうか…( ゜д゜)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最後に自分が一番ダメージでかく抉りに言ってるの気がついてます???モットヤッテ- なんなら脳内で考えてた独り言全部そのまま言ってあげていいのよ……?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ