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経験値横取りにキレた俺は女装で無双する  作者: 白生荼汰
第三章 過去が背中を追いかけてくる

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いつか強くなるのだから

 隊列はガランドン商会を先頭に、『蜜花の集い』を雇っているルファナ商会、『狼牙(ろうが)』を雇っているリーコット商会と続く。

 その後ろには護衛のタダ乗りなのか、ついてきている個人がちらほらいるみたいだ。あまり褒められたことではないけど、旅の知恵だし、俺だって移動するときに運よく商会の移動と合わせられるのならついていく。

 キースみたいに個人できちんと商会に申し入れて同行する方が少ない。

 もっともただついていくだけだと、魔獣に襲われにくくはあるけど、当然有事の際に守ってもらえる保証なんてないし、下手をしたらいいおとりだ。それでも、集団へくっついて歩くにはそれなりにメリットもある。


「俺まで馬車に乗っけてもらっちゃっていいのかなぁ……」

「俺の護衛なんだし喜んどきなって」


 さすがガランドン商会の商会頭がのっている馬車。

 めちゃくちゃ乗り心地がいい。

 これならしばらく乗っててもケツ割れそうになったりしにくいだろうな。

 金があるってすげーなー。


 この馬車には、ガランティードさん、ガランティードさんの秘書っぽい爺さんのセドリックさん、護衛のアントス、キース、そして俺が乗っている。『双轍(そうてつ)』のメンバーは総勢8名で、この馬車の御者台にひとり、他2台ある馬車にそれぞれ3人配されているそうだ。

 御者台にいる人が哨戒役で、休憩をとるごとに回り持ちで入れ替わるんだとか。


「ルファナ商会の護衛パーティとは知り合いか」


 アントスから唐突に聞かれて、俺は少しびっくりした。


「あ、はい。俺が前にいたパーティのメンバーです。多分、全員……?」


 別行動をとっているメンバーとかもいるかもしれないけど、あの場にいた面子に関しては全員だ。


「ほーう、あのお嬢ちゃんたちと」

「なんか、変な勘違いされたみたいですみません」

「変な勘違い?」

「俺まで『双轍(そうてつ)』のメンバーだと思われて」

「別に謝る必要はない。勘違いさせるような言動を取っていたわけでもないしな」


 あっさりと赦されて救われる。

 各パーティのリーダーを中心に顔合わせ、って話だったんだから、勘違いする方がおかしいと言えばおかしいんだけど。

 いくら何でも、D級冒険者の俺がA級パーティ『双轍(そうてつ)』の幹部になってるわけがないんだからさ。


「え、あんな女の子ばっかりのパーティにいたの? それってすごくね?」

「最初は俺と幼馴染ふたりでパーティ組んでたんだよ」


 キースに驚かれて『暁の星』を結成してから、俺が抜けるまでの流れをざっと話した。

 なるべく主観は挟まないようにしたつもりだったけど、女々しい説明になってなきゃいいな。


「何で作ったやつが追い出されてんだよ」

「俺は、()()()()()()()()()からねえ」


 キースは呆れた顔で、アストンも渋い顔をしている。ガランティードさんとセドリックさんに関しては年の功なのかよくわからない。皺と眉毛もすごいし。


「あれ、でもアディが作ったのは『暁の星』なんだよな? 彼女らのパーティ名違うだろ?」

「あぁ、彼女たちも俺の後で抜けたらしいよ」

「え、じゃあ『暁の星』はどうなってんの?」

「……さぁ?」


 本当は解散したの知ってるけど、そこまで説明するとなると、女装についても話さなきゃいけなくなりそうだし、知らないことにしておこう。


「残念ながら、あちらのパーティは頼りにはならなそうなことはわかった」

「最初からあてにはしておらんかったがのう」

「あぁ、それで『お互いにお互いの領分を侵すことないよう』って……」

「頼りになるような相手なら共闘した方がいいだろうが、頼りにならない相手なら邪魔にならない方がありがたい」


 うへぇ、手厳しい。

 俺も最初っからキース連れて逃げろって言われてるから、同じくくりなんだけど、こうはっきり邪魔になるって言われると悔しい。

 無理かもしれないけど、いつかは『頼りにしてるぞ』なんて言われるような男になりたいもんだ。

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