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経験値横取りにキレた俺は女装で無双する  作者: 白生荼汰
第二章 普通の男の子に戻ります! 戻してください!

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目覚めた奇跡

 ぶちん、と視界が白く灼けて、全身から何かが迸った。

 女装のまま(こんな格好)で死んでたまるか。

 俺は、俺は……死ぬなら男として死にたい!


 あと、ちゃんと【男】になってから死にたい!

 可愛い女の子相手にとか贅沢は言いませんから!


「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 心の底からの咆哮に応えるように、すべての力が魔力へと変換される。

 真っ白な光が俺を包んだ。

 その光の中で、レベルがいくつも上がっていく【音】を聞いた。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



「……あれ?」


 ぴく、と自分の指先が痙攣して起こされた。

 がばっと起き上がると、そこにはトレントの抜け殻と、寄生蜂の死体が転がっている。

 せっかく倒したけど、トレントの方はスッカスカで、素材はあまり取れそうにない。

 寄生蜂の方は驚くほどキレイに倒されていて、こっちの素材は高値で売れそうだ。

 さすがにこれはもったいないから、今までインベントリのことは隠していたけど、あきらめて全部持っていくか……。

 周囲を見回すと、寄生蜂を倒したらしき冒険者はおらず、ガリオン、ジョーイ、モイラ、リズが倒れていた。


「……あれ?」


 まずは自分のステータスを確認して驚いた。


----------

【名前】アディ

【年齢】16歳

【種族】ヒューマン

【職業】冒険者・魔法剣士

【レベル】38

【状態】疲労

《HP》1280/6300

《MP》1200/4700

《STR》56

《VIT》71

《DEX》48

《AGI》55

《INT》60

《LUK》51

《HIT》34


【スキル】

無限収納(インベントリ)Lv5

採取Lv3

剣術Lv6

火魔法Lv4

水魔法Lv3

聖魔法Lv1

料理Lv2


【祝福】剣士


【称号】超越せしもの

----------


 ステータスが爆上がりしているうえに、なんと聖魔法が使えるようになっていた。

 あれ、これ、寄生蜂倒したの、ひょっとして俺?

 格上倒したから経験値がめちゃくちゃ入った、みたいな?

 何はともあれ、状態異常がないのなら、まずは仲間の安否確認だ。


「息がある……」


 息がある、ってことは寄生蜂の奴、俺たちを養分でなく宿主にするつもりだったのか。

 うぇっ、よくわからないけど倒せてよかった。

 同じことをやれといわれても絶対に二度とできない。


「【回復(ヒール)】」


 俺は倒れている【暁の星】の面々の息がまだあるのを確認すると、さっそく使えるようになったばかりの【回復(ヒール)】を試してみた。

 インベントリの中に入ってるから、ポーションでもよかったんだけど、【回復(ヒール)】はMPだけで済むし、触れることの多い【回復(ヒール)】は、感覚的に使えた。

 まぁ、初期【回復(ヒール)】だけじゃ、意識回復するとか、かすり傷治すのがせいぜいだけど。


「うーん、いててて……」

「……あれ、生きてる」

「助かったの……?」

「死んで、ない……」


 ぼうっとした顔で皆が身を起こした。

 よかった。

 失敗しないで【回復(ヒール)】を掛けられたみたいだ。


「アディ……?」


 信じられないものを見るような顔で、ジョーイが俺を見る。


「奇跡が起きたみたい」

「みんな死んだと思ったわ。本当に神のご加護みたいね」


 てへ、と笑って首を傾げると、ジョーイがMPポーションをグビっと飲み、まずはリズを回復させる。


「状態異常はない?」


 確認するジョーイは流石聖魔法が本職の神官だ。


「っなんで、リズを優先するんだよ」


 腹立たしそうにガリオンが文句を言う。

 ……こいつだけ捨てて行ったらダメかなぁ。

 まぁ、死んだ相手にはそれ以上復讐も出来ないし、死んでほしいとまでは思ってないからいいんだけど。


「リズが回復しないと、トレントは持っていけないでしょ。それともガリオンが担いで帰る?」


 ジョーイは正論でばっさり切り捨てる。

 ……あれ、これ寄生蜂(パラサイトビー)には気が付いてない感じ?

 思い返して見ると、ロックウルフから虫が湧いたのは、寄生蜂(パラサイトビー)の眷属だっただろうな、とかいろいろあるんだけど……気が付いていないようなら、寄生蜂(パラサイトビー)の素材は俺がまるっともらっちゃってもいいかな。

 スカスカの寄生樹パラサイトツリートレントからは、そんなに素材は取れなさそうだけど、インベントリの存在を考えなかったら充分、というか、持ち帰り切れないほどの素材だ。


「しかし、寄生樹パラサイトツリートレントなんてよく倒せたわね」

「それが……私も無我夢中だったから、どうやって倒せたか覚えていないの」


 これは結構マジ。

 いったい何がどうなって寄生蜂(パラサイトビー)を倒せたんだ。


「でも、皆生きててよかった」


 そう言いつつ、ガリオンに【回復(ヒール)】を掛けてやる。


「あれ、アディ【回復(ヒール)】なんて……」

「死にかけたら聖属性に目覚めたみたいなの」


 回復してやるから、帰り道もしっかり働け。

 俺は多分、今回誰よりも働いた。

 その分、儲けは内緒でいただいていくけどな。

 死ぬかと思ったけど、その分色々美味しくもあったなと思うと、顔がニヤけるのが止まらない。

 いやあ、いいことがあると、ガリオン(腹立つヤツ)にだって優しくしてやろうって気にもなるね。


「へぇ、死にかけたら今までなかった属性に目覚める、なんて話は聞いたことがあるけど、本当に奇跡が起きたのね」


 ジョーイが驚いた顔で言った。


「奇跡……」


 戻った握力を確認しつつ、ガリオンが呟いた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アディレベルアップおめでとー [気になる点] ヨナとガリオンがどう動くのか気になります [一言] いつも更新楽しみに見てます!
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