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経験値横取りにキレた俺は女装で無双する  作者: 白生荼汰
第一章 すみません甘えてました

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スザンナの解体講習

「そうそう、まずこの部分の関節を外しておくんですよ。手際が良くなりましたね。コボルト種は往々にして腹毛の方が価値が高いですから、可能であれば戦闘時にも攻撃を避けるとよいでしょうなぁ」


 枯れ木(仮)――スザンナの解説は、冒険者ギルドで受けた解体士の講習よりもよほどわかりやすい。

 あっちは一対一ではなかったし、限られた時間の中だったからっていうのもあるけど『ここはこう、ズザっとやってバーンとぶった切って、グイっと……こうだ! な、簡単だろ。あとは数だ、数をやってきゃそのうちいやでも上達する。ガハハ』だもんな。


 俺が倒したコボルトどもはボロボロで、とてもじゃないが魔石以外の素材を買い取ってもらえる状態じゃなかったけど、だからこそ解体の練習にはもってこいだと、スザンナが最後の講習をしてくれている。


 スザンナは見た目を裏切って教え上手で、スザンナのおかげで俺は火魔法と水魔法を習得した。

 初期魔法でも、火と水は色々と使えて便利だ。


「ここは傷がないので少々乱暴に引き剥がしても大丈夫……そもそも倒し方の良しあしでも解体のしやすさは変わるのですよ。傷だらけであれば、それだけ解体もしにくくなる。傷があるとそこから裂けてしまいますからね」


 このひと月でホーンラビットやゴブリンは余裕で倒せるようになったが、我ながら解体の腕もかなり上がった。

 『暁の星』では不器用だと言われていたけど、それはあいつらだって解体しやすい倒し方を知らなかったからでもあったみたいだ。


 そもそも、不器用って言ったって、それは暗殺者で元からかなり器用なロージィと比べたらの話で、他のメンバーは俺のことを言えたものではなかったはずだ、なんてことを思い出したのは、解体にある程度自信がついてからのことだ。

 『暁の星』で解体を担当していたのはほとんど俺だったしな。


「そこの筋を先に切ってしまいましょうか……基本、二足歩行、四足歩行の魔獣、生き物の基本構造は変わりませんからねえ。それぞれに特徴はあれど、コボルトが余裕で解体できれば人体の解体も難しくはありませんよ。くひひひひひ」


 ……こういうところさえなけりゃあな。

 冗談か本気かわからなくて怖い。

 まさか本当に人体を解体したことがあるなんて言わないよな。

 怖いから絶対聞いたりしないぞ。


 二足歩行、四足歩行の魔獣だけでなく、蛇種、鳥種の解体もスザンナには教わっている。

 構造を知るのは弱点を知ることでもある、というのはスザンナの持論だ。


「あとは、数をこなすのですね。腕の良しあしなんて、何事も慣れですよ、慣れ」


 そういうところは解体士のおっちゃんと同じことを言う。


「もっとも、理屈を知っててこなすのと、ただがむしゃらに数を重ねるんじゃ習熟速度にも多少は影響するかもしれませんがね。さて、解体も済みましたし、ギルドへ報告とまいりましょうか」


 最後に清浄化(クレンリネス)をスザンナが掛けてくれて、俺たちはギルドへと向かった。


 現在の俺のステータスはこうだ。


----------

【名前】アディ

【年齢】16歳

【種族】ヒューマン

【職業】冒険者・剣士

【レベル】22

【状態】健常

《HP》2800/2800

《MP》1600/1600

《STR》25

《VIT》31

《DEX》24

《AGI》26

《INT》15

《LUK》36

《HIT》13


【スキル】

無限収納(インベントリ)Lv3

採取Lv3

剣術Lv4

火魔法Lv1

水魔法Lv1

料理Lv2


【祝福】剣士


【称号】

----------


 残念ながらこれと言って特筆したステータスはないけれど、それでもひと月で、しかも魔獣討伐の数はそれほどなかったのに、レベルが4も上がっている。

 変化があったステータスは以下の通り。


----------

【レベル】18→22(+4)

《HP》上限1600→2800(+1200)

《MP》上限1200→1600(+400)

《STR》17→25(+8)

《VIT》14→31(+17)

《DEX》20→24(+4)

《AGI》21→26(+5)

《INT》13→15(+2)

《LUK》35→36(+1)

《HIT》8→13(+5)


【スキル】

採取Lv2→Lv3(+1)

剣術Lv2→Lv4(+2)

火魔法Lv1(New)

水魔法Lv1(New)

----------


 採取はスザンナの、剣術はアリスの指導のおかげだろう。

 そしてレベルの割に身体能力が上がっているのは、アリスによるトレーニングのおかげだ。

 レベルが上がれば上がるほど、レベルアップはしにくくなるのに、ひと月で俺が二か月頑張ったのと同じだけのレベルが上がっている。つまり、ひとりでの二か月よりも経験値を稼がせてくれたということだ。

 俺はこの恩をどうやって返せばいいのだろう。

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