死にたい 〜生きることが嫌になった〜(初投稿です)
作者から
この話は、自分の初投稿の小説になります。
小説なんて書いたことがない自分ですが、空き時間で話を作ってみました。
出来栄えはあまり良くないので温かい目で見てもらえると嬉しいです。
所々日本語がおかしくなってるかもしれないのでその時は誤字修正して頂けると幸いです。
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???「こっちこっち!」
暗闇の中で誰かが呼んでいる。誰だろう。なんだか懐かしい感じがする。
???「待ってよー!」
…これは…俺?幼い頃を見ているみたいだ。どこかの街の中のありふれた公園で2人で遊んでいる。近くに花壇があり、その花壇には蝶が飛んでいる。日の光がさんさんと降り注ぎ、とても暖かな公園だ。
???「きゃーーー!!」
???「あははは!」
2人は相変わらず楽しそうに遊び、戯れている。
…僕は、…誰だ?
ふと自分のことが気になる。その時、記憶が水泡のように出てくる。
楽しい記憶、悲しい記憶、憎い記憶、懐かしい記憶。全てが湧き出てくる。
ーーーそうか。
その湧き出た記憶のお陰で自分が何者か思い出せた。
ーーー俺は…
何故ここにいるのか、何故こんな状況なのか。理解した。
ーーー自殺したんだ。
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???「諒。起きなさい。」
諒「…ん、んん〜…」
北川 諒。瀬川市の学校に在籍する高校生一年生。たった今微睡の中から目覚めた所だ。今は夏先。暑くなりはじめた所で、部屋の中に滞留する湿気が体に纏わり付く。
諒「アッツ〜〜〜…」
美菜子(諒の母)「諒、早くしな。朝ごはんできてるよ。」
諒「はーい」
着替えを済ませ、部屋から出るとキッチンから漂ってくる匂いが鼻に入る。
美菜子「あ、やっと降りてきた」
諒「おはよー」
祥太(諒の父)「おはよー。」
香奈(諒の妹)「お兄ちゃんおそ〜い。」
毎朝のこんな調子で1日が始まった。テーブルの上には朝ごはんが並んでいた。よく見かける目玉焼きに、白いご飯、簡単なスープにサラダ。朝ごはんにしてはしっかりしている。
諒「いただきまーす。」
一足遅れて朝ごはんを食べる。目玉焼きに醤油をかけ(ここは醤油かソースか別れるが)、サラダにドレッシングを絡ませる。目玉焼きの黄身を割ると、中から半熟の黄身がトローっと出てきた。そこに白身をつけて、ご飯を食べる。これがめっっちゃ美味いんだ。
十分くらい経っただろうか、食べ盛りの諒はあっという間に平らげた。
諒「ご馳走様〜。」
キッチンに食器を運び、さっさと部屋に向かう。寝巻きにしていたTシャツを脱ぐ。諒のいかにも男子らしい筋肉質の上半身は窓から入った日の光を受けている。クローゼットからYシャツを出して、上半身に羽織ってボタンを閉める。ズボンも履いてベルトを締め、ネクタイを首に巻く。
ーーー中学の初めの時より着慣れたなあ。
ふと感慨に浸る。いつの間にか着替えは終わっていた。そして、スクールバッグを持って出かける。
諒「行ってきまーす。」
皆「いってらっしゃーい。」
こんな毎日の光景が何故こんなにも愛おしいのだろう。自転車のスタンドを上げて、学校に向かって漕ぎ出す。
ーーーーーーーー
数十分走っただろうか。同じ学校の制服が多くなってきた。
???「諒〜!おっはよ〜!」
諒「おお、優希か。おはよー。」
おんなじクラスの雁坂優希。優希とは小学生以来の親友だ。悩みがあるときは相談に乗ってもらったし、修学旅行などでも一緒に行動する仲だった。少しやんちゃな感じで、小学生のときは色々いたずらしていたりもした。
優希「ねーねー、昨日さ、Tiktok見てたらさ、すごいのがあってね…」
毎朝こんな調子で学校まで一緒に登校している。すると後ろから…
???「おーい!置いていくなあああ!」
大声を上げながらすごい勢いで追いかけてきたのは、
優希「どーした、皇紀。すんげえ勢いで追いかけてきて。」
これまた昔から仲のいい友達、中野皇紀。昔からお調子者でクラスのムードメーカーになっていた。放課後に一緒に遊んだりした覚えがある。
皇紀「どーした、じゃなああい!!!俺1人置いていきやがってー!!」
諒・優希「すまん。」
皇紀「いや軽っっっっっ!」
お調子者なので相変わらずテンションが高い。朝からこんなテンションを出せる元気が欲しい。暑さでそれどころではない。そのあとは三人で学校に向かった。
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ーーーキーンコーンカーンコーン…♪
学校が終わって放課後。いそいそと部活に勤しむものもいれば、陸上選手の如くさっさと帰る帰宅部もいる。三人はそれぞれの部活に参加する。優希はテニス部、皇紀はバスケ部、そして諒はサッカー部である。
諒「んじゃまた後で〜。」
優希・皇紀「また後で〜」
急いでグラウンドへ向かう。もうすでに他の部員はいるようだ。準備体操や道具の整備をするものもいる。
???「諒くんこんにちは。」
諒「こんにちは〜。」
挨拶したのはマネージャーの宮瀬夏希。同い年でマネージャーをしている。夏希にはいつもお世話になっている。飲み物を用意してもらったり、タオルを洗ってもらったり。
夏希「荷物、部室に運んでおくよ?」
諒「いや、大丈夫。ありがとね。」
夏希はいつも気がきく人だ。そのあと諒は部室でささっと着替えて部活に参加した。あんなトラブルが起こるとも知らずにーーーー。
部員「ありがとうございましたっ!」
やっと部活が終わった。時刻は6時半。もう2人は待っている頃だ。急いで着替えて2人の元へ向かう。確か昇降口で待ち合わせた筈だ。しかし、昇降口に向かう途中、道ゆく生徒から謎の視線を感じた。
約束の場所に着くと、2人はなぜか暗い顔をしていた。
諒「お待たせ。2人ともどうしたの?」
そういうと、何故か2人は顔を見合わせた。何かあったのかと不思議に思っていると、2人の口から衝撃の言葉が発せられた。
優希「お前最悪だよ。なんでマネージャーなんかをヤる相手にするんだよ。」
皇紀「本当だよ。最低最悪クズ野郎が。」
2人が発した言葉に衝撃を隠せなかった。
諒「おいおいちょっと待て。それ一体どういう事?」
優希「シラ切ってんじゃねえよ。お前がマネージャーの宮瀬夏希とヤッたってクラスラインに流されてるんだよ。」
皇紀「そう。おんなじクラスの春斗がそのリンクを送ってきたんだ。」
諒「え…」
流石に動揺を隠し切れなかった。ふと思い返し、だから道ゆく人が変な視線を送っていたんだ、と気づく。
諒「本当にそんな事してないって!」
誤解を解く為に咄嗟に否定する。だが、
皇紀「嘘つくんじゃねえよ!!」
優希「この写真が証拠なんだよ!」
そう言って皇紀から突きつけられたのは、マネージャーの夏希と会話している写真だった。
優希「この写真の下に書かれてたんだよ。『北川諒と宮瀬夏希 家に誘って密会か』ってね。」
諒「…」
もう反論する気も起きなかった。何故こんなことになったのか、見当もつかなかった。誰かの嫌がらせか。でもそんな心あたりはなかった。
暫く沈黙が続く。その間周りは三人で言い合っている声を聞きつけ、野次馬になっていた。
皇紀「で?実際どうなの?」
問い詰めるように低い声で聞きよる皇紀。目付きはいつもの皇紀では無くなっていた。そして、周りの空気に追い詰められ、気がつけば諒は走り出していた。
皇紀「お、おい!」
呼び止めるように叫ぶがもう戻ってくることはなかった。優希と皇紀は不安そうに見つめる中、周りの野次馬は大盛り上がりになっていた。
太一(野次馬)「あれはやってるなw」
美羽(野次馬)「あれは確信犯だねwww」
翔也(野次馬)「拡散希望wwwww」
このトラブルはすぐに終わる。人の噂も75日。そう信じて学校から逃げるように走る諒。
ーーーしかし、この騒動はほんの序章に過ぎなかった。
ーーーあれから走って、走って、走り続けた。誰の目にも止まらないように。
諒「ハア、ハア…」
自転車をフルスピードで走らせ続けて数十分。気がつくと家の近くまで来ていた。
諒「なんで…あんなことになったんだ…?」
全く心当たりがなかった。誰かに恨まれるようなことはしていないし、嫌われるようなこともしていない筈だ。とりあえず家に入る。
諒「ただいま…」
美菜子「おかえり。何かあった?」
諒「いや、ちょっと疲れちゃってね…」
母を心配させまいと、気丈に振る舞ってごまかす。本当はかなりつらいけど。二階へそのまま上がってベッドにへたり込む。
諒「どうしたらいいんだ…」
悩んでいると、スマホのラインの通知音が鳴った。
諒「…ん?夏希からだ。なんだろ」
夏希「(メッセージ)なんかごめん。私のせいでこんなことになってて…」
諒「(メッセージ)ううん。大丈夫。すぐに過ぎるさ。」
そう、人の噂も75日。すぐに終わる。そう、思ってた。
ーーー翌日
学校に登校する時間。今日は1人だ。自転車を学校に走らせる。しかしいつもより、とても足が重かった。
学校の近くを通るなり冷たい視線を浴びた。そして下駄箱に行き、自分の所を開くと中には大量の紙が入っていた。封筒などではなく、そのままのもの。そこには「死ね」「ヤリチン君」「消えろこのクズ」「Twitterに投稿しようかなあ〜?www」「Instagramで拡散するよ?w」「最低最悪クソゴミ野郎」と言った調子の紙が入っていた。
諒「…」
もう何も言えなくなっていた。下駄箱から上履きを出す。するとそこにもいたずらされていた。上履きに落書きされていて、中には画鋲が大量に入れられていた。もう落書きはどうにもならないのでとりあえず画鋲だけ出して履いた。そして教室へ向かう。
ーーーーーーー
諒は黙ったまま教室に入る。すると全員の視線が自分に集まった。その中には優希と皇紀のものも入っていた。
湘樹「あーれえー?誰かと思えばヤリチン君じゃん〜」
クラスの中の陽キャの城島湘樹だ。わざわざ悪口を言うとは。
遼一「なんでお前ここにいるの?さっさと死ねよ」
圭佑「Twitterに投稿しちゃうよ?w」
そこでつるんでいた他の奴らにも嫌がらせを受けた。前からさほど仲は良くなかったけどここで集中砲火を喰らうとは。
諒は黙ったまま席に行こうとする。
湘樹「おい無視すんなよ!!」
肩を掴もうとするその手を弾き返す。するとクラスの見ていた奴らがクスクス笑っている。
机に座ろうとした諒はさらに打ちのめされる。机にも落書きされていた。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」「ヤリチンが」「消えろ」「学校来んな評判落ちる」と言った落書きもされていた。そこへ、
遼一「落ち込むなって。お前がこうなることは運命で決まってたんだよ。www」
肩に手をかけられながら馬鹿にする口調で言い放った。
遂に諒の中で何かがブツっとキレた。それは、どうしようもない怒りだった。
諒「ふざけんな!!お前らは何を根拠に物を言ってんだ!!ふざけんのも大概にしろ!!!!」
真っ白になった頭は自分の理性という心を無視して体を制御する。机を持ち上げ、それを遼一の頭目掛けてぶん投げる。案の定、それは頭にぶつかって、遼一の頭に大きな傷をつける。辺りは遼一の鮮血が飛び散り、真っ赤になっていた。遼一の顔には滝の如く血が流れている。
クラスの女子「いやああああああああ!!!!!」
クラスの女子は悲鳴を上げた。しかしそんなのお構いなしに諒の制御不能な感情は暴走を続ける。次の相手は遼一の元に駆け寄った湘樹だ。諒は湘樹のことを睨む。そのことに気づいた湘樹は慌てふためいて窓際に逃げていく。逃すまいと諒は近くの椅子を持ち上げ、窓際にいる湘樹目掛けてぶん投げた。それは見事なまでに湘樹の頭にクリーンヒットした。イスはそれだけでなく、窓にも向かって飛んでいく。そして、
ーーーバリーン。
窓は放射状に割れ、刃物になって下に倒れた湘樹に落ちていく。破片は首や頭、足などに当たり、湘樹の皮膚の広範囲を切り裂いた。急に動いたこともあって血圧が上がっていたのか、湘樹の血は広範囲に、そして大量に流れ出した。湘樹の下にはいわゆる血の池地獄が出来ていた。この時、大騒ぎになっていて気付かれなかったが、湘樹の近くにいた女子の目に直径7cmの刃物と化したガラスの破片が刺さっていた。
クラスの女子「誰か早く先生呼んできて!!」
誰かがそう叫ぶ。しかし暴走する諒の耳には入らない。そして最後の標的はーーーー
諒「次はお前だ」
そう言って指名したのは拡散した張本人、春斗だった。春斗は諒に指名されたことに怯えて逃げる。だが今の諒に通じるはずもなく、諒は何かを取り出した。カチカチカチ、と乾いた音が鳴る。カッターナイフだ。
春斗「や、やめろ!!」
諒は春斗に向かって突進してなぎ倒す。諒は春斗に馬乗りになってカッターナイフを振りかざす。
春斗「やめて!!助けて!!」
今の諒にそんな言葉が通じるはずもなく、諒は手に持つカッターナイフを春斗の胸めかげて一気に振り下ろす。カッターナイフは春斗の胸に綺麗に刺さる。カッターナイフを刺した所からドク、ドク、ドク…と、血が流れ出る。
春斗「…あ…がああ…」
朦朧とする意識の中でうめく。その後、すぐに先生が駆けつけてきた。先生は驚愕しながら凄惨な現場の教室を見ていた。
ーーー教室は、レッドオーシャンになっていた。
内藤(教師)「北川!何やってるんだ!」
その声にハッとする。諒は呼ばれたことで正気に戻った。そして、正気に戻ったことで目の前の光景に愕然とする。
諒「……え???」
そこには、頭から血を流し倒れている遼一、ガラスの破片で皮膚が裂け血の池地獄を形成して倒れている湘樹、胸にカッターナイフが刺さったまま倒れている春斗、直径7cmのガラスの破片が目に刺さったクラスの女子。教室は凄惨な状態になっていた。当然、諒は春斗の返り血を浴びて血塗れになっている。
諒「…あ…ああ…」
これを自分でやったのか、本当に自分が起こしたことなのか、目の前の事が夢なのではないのか。疑いたくなった。その場に立ちすくむ。しかし時間が経つにつれだんだんと恐怖に襲われて、遂に諒学校から逃げ出した。
諒(どうして俺はあんなことをしたんだ…!感情に任せて…最悪な野郎だ。。。」
自転車を漕いで漕いで、漕ぎ続けた。
ーーーーーーー
自転車に乗って数時間。どこまできたのだろうか。見慣れない町に来ていた。タワーマンションが多く立ち並び、かなり栄えている。電信柱を見ると、「岡島市」と書かれていた。
諒「岡島市か。だいぶ遠くまで来たんだな」
岡島市は一県挟んだ町だ。イメージとしては栃木の宇都宮から東京の八王子、みたいな感じだ。
しかしここまで来ても噂が流出しているようだ。
女子高生A「ねえ、あの人Twitterのあの人じゃない?」
女子高生B「あ、ほんと。マネージャーを密会に誘って、クラスメイトを重傷にした人でしょ。」
こんなところでも、俺の居場所はないのか。周りのみんなから冷たい視線を送りつけられる。もう生きることも面倒になった。こんなクズい世界なんて生きててもしょうがない。
ーーー自殺しよう。
頭の中はそれしか考えられなくなった。
ーーーーーーーーー
あれから、近くのビルにやってきた。おおよそ十階くらいだろうか、なかなか大きい建物だ。諒はあの世に登って行くようにゆっくり階段を上がる。屋上に上がって街を眺める。
諒「俺の人生、呆気なかったな。」
昔のことを思い出す。楽しかった時のこと、辛かったこと。しかし、そんなこと考えてももうじきこの人生は終わる。でも、あとちょっと、あとちょっとだけ、生きさせて。
ーーー 一方地上(1階)では
会社員「おい!あれなんだ!?」
いち早く飛び降りに気づいた会社員が声を上げる。
主婦「やだ!人じゃないの!飛び降りようとしてるんじゃないの!?」
だんだんと野次馬が集まってきた。ワラワラと集まって見ている。
誰かさん「おい!早く通報しろ!」
誰かがそう口にする。
ーーーー諒は…
諒「ああ、もう悔いはないや。死んでもいい。」
そう心に言い聞かせる。気がつくと下には野次馬が集まっていた。華々しく死ぬのにはちょうどいい。このまま飛び降りてしまおう。そして、マンションの端から足を踏み出して、
ーーーーーー飛び降りた。
自由落下して行く体は、とても軽く感じた。死ぬ前になると今までのことを思い出すってのは、このことなんだ。昔のことが一気に湧き出てくる。しかし、振り返る暇もなく、地面に引き寄せられていった体は、鈍い音を立てて硬いアスファルトの地面にぶつかる。その反動で胴体は後ろにくの字型に折れ、足はベキリ、と音を立てて体から切り離された。口からは血が吹き出し、自分の顔に戻ってくる。わずかに残った意識で聞き取れた音は、野次馬の悲鳴だった。
諒「…こ、…れで、…死ね、…る…。」
そして意識は永遠の闇の中へと沈んでいった。
諒はそのあとすぐに息を引き取った。体は2つに折れ、足はちぎれていたようだ。その後、葬儀は家族葬となったそうだ。優希と皇紀は気を病んで、湘樹と遼一と春斗は重篤な怪我で病院送りになり、学校には行けない状況だそうだ。優希達はどうなっているのだろうか。
ーーーーーーーーー
諒「…っ、ううん…」
暗闇の中から目を覚ます。
諒「ここは…」
目を覚ました場所は、諒が飛び降りたマンションだった。おそらく飛び降りたすぐ後だったんだろう、諒の死体がまだあった。足はちぎれ、体が折れていて、辺りに血が飛び散り、とても無惨な状況だった。
諒「俺は…死ねたのか…。」
どうやら今は浮遊霊として存在しているらしい。そして、死体の諒は救急車に運ばれていった。
ーーー数ヶ月経って
諒(俺が死んでから色々なことがあったな。)
あの後学校にも向かった。先生が暗い顔で俺が死んだことをクラスのみんなに伝えていた。
内藤「北川くんは自殺したそうです。先程警察から連絡がありました。」
クラスメイトはざわついていた。そんな中優希と皇紀は2人で泣いていた。そして「2人は俺のせいで諒は死んだ」と責め、学校に来なくなった。
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優希「…」
あれから何ヶ月が経ったのか。もう長いこと学校に行ってない。自分のせいで、自分たちのせいで、諒は死んだ。それを考えると毎度毎度吐いてしまう。
優希「…う、うえええええ〜……」
毎日毎日吐く。だから部屋には吐瀉物があり、部屋はすえた匂いで充満している。
優希「…俺のせいで、俺のせいで諒が…うえっ…」
どうしてあんなことをした…どうして事実無根の理由で諒を責めてしまったのだろう…
考えない日はない。
優希「ごめんね、諒。俺のせいで…俺のせいで!」
自分で自分を責める。その時、どこからか声が聞こえてきた。
???「優希。あまり自分を責めないで。」
諒の声だ。テレパシーかなにかだろうか…はっきり聞こえる。通じるはずないと思ったが話しかけてみる。
優希「…諒?ごめん…ごめんなさい!!!あんなことして…誤って許されることではないけれどどうか許して…」
許してもらえるはずもない。だって自分が諒を殺したようなものだから。し
諒の声「そんなことないよ。心配しないで。」
その優しく話しかける声に涙が溢れる。あんなことをしてしまったのに、なぜこんな快く許してくれるのだろう。
諒の声「でも、2つ、優希に頼みたいことがあるんだ。1つ目は俺みたいな被害者をこれ以上出さないこと。2つ目は優希が俺の分まで生きること。」
優希「…!」
優希はハッとする。
諒「頼んだよ…俺の分まで生きてね。」
優希「諒!!」
しかしその声に反応はなかった。謎の孤独感に苛まれた。でも、優希の思考は変わっていた。
優希「明日は、学校に行ってみようかな。」
優希は暗い部屋の中でポツリと呟いた。外の世界はいつのまにか秋になっていた。長い期間外に出ていないから、街の植物の様子はすっかり変わっていた。木の葉は落ち、虫はキリキリと鳴いていた。
ーーーーーーー
その後優希と話し終えた諒は何の悔いもなく成仏して行った。
ーーーあれから2年が経つ。
諒がこの世界から居なくなって2年が経つ。毎日何かが欠けているような気がしていた。俺は高校を卒業して大学に進学することになった。東京都内の国立大学に進学する。
優希「さて、そろそろ出るかな。」
麻央(優希の母)「行くの?気をつけてね。」
優希「うん。」
借りた車に荷物を詰め込んで、発進させる。道中、あそこに寄ってくか、ととある場所に車を向かわせる。そこはーーー
優希「よっ、諒。」
そこは諒の墓だった。諒は2年前に居なくなってしまったが、ここにくると、いつも諒に会えた気がした。
優希「諒、俺、大学に行くよ。暫く会えなくなるかもしれないけど、絶対戻ってくるから心配するなよ。」
墓石に向かって話しかける。するとーーー
諒の声「おう、頑張れよ。元気でな。」
優希「!!」
諒の声がしたのだ。優希はその声に励まされる。
優希「うん!俺頑張るよ!」
最後にそう言い残す。そして昔のあの時のように別れを告げる。
優希「じゃあな!また今度ね!」
ーーーーーー
数週間が経って。引っ越しも終わってやっと落ち着いてきた。大学にも通い始め、新しい友達もできた。そして、今は渋谷のスタバでコーヒーを飲みながらスマホを眺めている。その画面には、「高校生自殺 いじめが原因か」の文字。優希は暗い気持ちになった。優希が持っているiPhoneの有機ELの向こう側から見えてくる文字に優希は憂鬱な気持ちになった。
優希「もうこんな時間か…帰らないとな。」
優希は席を立ちスタバを後にした。
ーーーーーーー
優希は暗い気持ちのまま渋谷駅まで歩く。繁華街の渋谷は住宅街と違って夜でも人が多い。
良太「ママあ、もう帰るの?」
ふと、その声が聞こえた方をみる。するとそこには生前の諒にそっくりな小さな子供がいた。
良太の母「帰るわよ。明日起きられなくなっちゃうじゃない。」
その声に小さい子供は、”はーい”と返事をして歩いて行く。
優希は改めて心に誓った。
ーーー諒のためにも頑張らなきゃ。
そう自分の心に誓って、明日に向かって勝色の空の下を歩いて行く。
End.
最後まで読んでいただきありがとうございました!
いかがでしたでしょうか…自身の初投稿作品なのでクオリティは低いと思います^_^;
また投稿するつもりでいるのでその時は是非読んでいただけると幸いです。