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ふと思い付いて書いてしまいました。生温かく見ていただければ幸いです。


う〜イタタタ…!


「奥様!頑張って下さい!はい、力いっぱい力んで!」


え、今力むの?

まだ早いんじゃない?

まだ陣痛間隔五分以上ある感じなんだけど?

ベッド傍の助産師?のような女性が声をかけてくるけど、なんか頼りない感じ。

……ふう、陣痛の波が引いたわ。


「え〜と、貴女は助産師なのかしら?それとも医師?」


「あの……治療院でお手伝いしてる者です」


私の問いに気まずそうに答える女性。

医師でも助産師でもなく、そして看護師でもない、ただお手伝いしてるだけの人!?


「……今まで、お産を診た回数は?」


「姉のお産を手伝った事が……」


ほぼ素人!

私は部屋の隅で控えている侍女に尋ねた。


「我が家の主治医のハルトマン先生は?どうしていらっしゃらないのかしら?」


「そ、それが……」


「先生は、奥様のお父上のところへ行っております」


答え辛そうに口ごもる侍女に代わってお手伝いの女性が答えてくれた。


「お父様は、お具合が悪いの?」


「いえいえ、そちらもご出産でございます」


「はあ?」


どゆこと?

思わず侍女に目線を向けるとしどろもどろに返事があった。


「あの…大旦那様のお部屋様が昨日産気づきまして……。お屋様が男児をお産みになるのは間違い無いから、公爵家の嫡男に大事があってはならないと……。ハルトマン先生と侍女長がそちらに行かれております」


「………」

何言ってんの?あのクソ親父〜‼︎

嫡男⁉︎

アホか?アンタと妾の子供が男だろうが女だろうが家の跡取りになれるわけないのに!

ちゃんと説明されただろうに、まだ理解して無かったんだ。まぁだアホな野望持ってたのか。

呆れていたら、また陣痛の波が来た。


「う〜……イタタ…」


「奥様、頑張って力んで下さい」


だから、力むのまだ早いって!

そもそも破水もしてないよ、そういえば。

だめだ。このままじゃ無事に出産出来るか不安しかない。

お産の進み具合はよく知っている。何故なら私は助産師だから!

…………あれ?いや、私は……アレイスター女公爵、セレスティア・アレイスター。……よね?

……………。…………⁉︎…………‼︎‼︎


思い出した‼︎

……色々思い出した‼︎


私は前世は日本で助産師してた!

そこそこベテランの助産師で、百人以上の出産に携わってたよ。

いや〜自分で産んだ事は無かったけど、お産ってたいへんねー。想像してたよりキツいわ。………じゃなくて!


…このままなら私は出産直後に死んでしまうと言う事も思い出した。




読んで下さりありがとうございました。

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