米
ミスリルの錬成に挑戦してみた。凄く難しい。私の魔力に抵抗してくる。もしかしたら銀にただ魔力を込めてミスリル化した方が楽じゃないかと思う程だ。
私の錬成レベルも低いせいだろう。けどこればかりは仕方ない。
本職の鍛冶師でもないんだから、スキルを持ってるからって何でもかんでも作れる訳じゃないし、これからだって、精々自分と仲間達の装備を整える位だ。
まあ、出来ないのは悔しいからやるけどさ。
ミスリルの採掘には今日も行こう。少ししか採掘出来ないなら、まめに通うしかない。
私の装備品の剣や鎧には幾つもの付与が付けられる。それだけミスリルという金属は優秀だと判るから、みんなにも使わせてあげたい。
それはそれとして、今日はいよいよ19階層だ。美味しい食べ物である事を願う。
18階層で少し採掘をする。鱗はあまり積極的には拾わない。
枯れたらさっさと階段まで移動して、いよいよ19階層だ。
19階層も迷路ではなく、一面に草が生えている。しかも高さは一メートル程。草は剣で簡単に斬れるけど、中から出てきたのは、イナゴ?
地上の物よりふた回り位大きなイナゴが襲ってくる!
食べられるけど…確かに食べられるけど!
…あれ?倒したら何も残さずに消えた?そして、斬ったはずの草がまた生えてくる!
何なのここ!
(奴が吐き出す汁は地上の物と違って毒だな)
うわ。
(みんな気を付けてね!毒状態になったらすぐに治すから!)
ザクザクと草を斬りながら進むと、色違いの…草じゃない!米だ!
「やった!米だ!」
イナゴに攻撃されてもたいして痛くないので、所々束になって生えている稲を目標に狩りを進める。籾の状態である程度固まって落ちる米を、範囲指定してそのまま収納庫へ。
今年は小麦粉ばかりになるかと残念に思っていたけど、思わぬ所で米に出会えた。
とにかく広いフロア中を、米を求めて歩き回る。
と、下に下る階段を見つけた。
(みんな、階段を見つけたよ!収穫の手を止めて一旦集まって)
と言いつつ降りる気は今の所ない。今は米の収穫に燃えているからね。
次はボス部屋だけど、当分いいかな。
(ユーリは米、大好きだね)
(上の世界では主食だったの。コーベットでは売っていなかったから、テッドに教えたらここに来るとか言い出しそう)
(お土産に持って行ってあげたら?)
うん。ここらで恩を売っておくのも悪くないかな?ちょっとは大人しくなるかもだし。
(ユーリはテッドには手厳しいよね。生意気だから?)
(そうだね。いくら精神が年相応になってたとしても、記憶があるんだからアレはないよね。お陰で私までたまにつられて子供っぽくなっちゃう)
(たまに?)
(ちょっとモコ!本当にたまにだよ!)
(ふふっ。でも良いことだと思うわ)
ええー?まあ、楽しく感じる時もたまにはあるけどさ。
ムーンだけは人化して収穫に専念している。まあ、狼状態だと籾が集められないから仕方ないんだけどね。
私とモコだけが収納庫へ、範囲指定してそのまま入れられる。エメルとチャチャは、一旦手へ、それからマジックバッグに入れている。
(…あ、収納庫覚えた)
(やったね!チャチャ)
「ユーリ、俺は別の階層の方が良くないか?」
籾を拾うのが面倒になったんだね。
「いいよ。ここはムーンにとって苦手な階層だと思う。好きな階層に行っていいよ」
ムーンの状態異常耐性はかなりのレベルだと思う。殆んど治療の必要がないから、どこに行っても大丈夫だろう。
(私はシャケを狙ってもいい?)
(いいよ。エメルに頼るしかない階層だから)
モコは毒になっても自分で治せるし、チャチャは私かモコに治してもらえばいい。
今日1日で、私だけでもかなりの量が集まった。大満足だ。
ムーンはワニ肉とボアを狩っていたようだ。今日はワニカツ丼にしようかな。
種籾は、乾燥した状態で採れたので、精米すればすぐに食べられる。
揚げ物を作るついでにワニ唐揚げも作った。これはお昼ご飯用だ。こうしてお弁当を作っておけば、いつでも熱々が食べられる。
みんなは肉があれば満足しちゃうけど、私用におにぎりも作っておく。
残念ながら海苔がないけど、塩のみでも充分だ。具材は梅干しとほぐしたシャケ。それと醤油を混ぜた鰹節…じゃなくてカシオブツだ。
焼きおにぎりも作ろうかと思ったけど、みんなが空腹で限界っぽい。
ご飯が残ったら焼きおにぎりを作ろう。




