エメルの進化
翌日出て来たエメルは、かなり大きくなっていた。甲羅も黒っぽくなっている、
エメル(15)
シールドトータス
レベル 91
スキル
水魔法 風魔法 土魔法 時空魔法 突進 カバー
ダイビング 再生 高速飛翔 爪攻撃 噛み砕き
状態異常無効 人化 守護
うむ。凄い。
(エメル、人化してみて)
うわ。大人の女性だ。しかもかなりグラマーで、髪の色は緑。そこはエメルっぽいかな。
(モコ、お願い)
(あれ?産卵のスキルがなくなっているね)
(多分だけど、私が願い過ぎたのだと思うわ。代償でスキルがなくなったのだと思うけど、別にいいのよ)
(シールドトータスか。ユーリを守るのには最適だな)
(ふふっ。この甲羅は、何にも勝る硬さなのよ。魔力を流せば更に硬くなるし、万一傷ついても再生で治るわ)
「喋れる?」
「ええと…あら」
人化が解けてしまった。
(もー。まだ採寸途中だよ!)
(難しいわね。まあ、無理やり付けたスキルだし、仕方ないのかしら)
(エメル、恥ずかしくない?)
(いいえ?それにそういう嫌な視線も感じないし)
(モコは同じ女子だからいいとして、ムーンは人化すれば同年代だけど)
(もうユーリ!ボクは雄だからね!)
(はいはい。ムーンは何とも思わないの?)
モコが軽くスルーされた事にショックを受けている。
(前にも言ったと思うが、種族が違うと何も感じないな。俺の第一はユーリだし)
(ふあっ?!)
(?ああ、いや…そういう意味ではない。従魔にとって主は一番大切で、ユーリは…味覚強化のスキルが取れる程料理上手で)
(ユーリは、いい主)
チャチャが簡潔に纏めてくれた。
「エメルしゃん、時空魔法はどんな感じでしゅか?」
(初期よ。シールドトータスは時空魔法は持っていないもの)
「なら、祝福を授けてみましゅ」
うん。エメルにフレイの祝福が付いたけど、チャチャにも付いたままだね。
「エメルしゃんには付けられたのに、どうしてユーリしゃんには付けられないんでしゅかー!」
「落ち着いて、フレイ」
ついでみたいにモコと、時空魔法を持っていないムーンにも付けたけど、私には付かないっぽい…何で?
「あうう…寄生させてもらっているのに何も出来ないなんて」
「分からないけど、いいよ。気にしてないから。亜空間移動は、自力で頑張るし、フレイが使ってた時空断裂も?」
「時空魔法はまだありましゅ。空間支配とか」
「それはどういう魔法なの?」
「私は使えないのでしゅ。聞いた話では、場の支配をするとか」
んー?場の空気を和ませたりとか?いや、高度な時空魔法がそんな訳ないか。
(俺にフレイの祝福が付いたら、時空魔法を覚えられるのか?)
「分かりましぇん。適性があればスキル化するかもしれましぇんけど。迷惑なら外しましゅけど、どうしましゅ?」
(努力してみよう。あれば便利だし)
うん。みんな収納庫が持てたら便利だね。
(土魔法も欲しかったの?)
(いいえ。シールドトータスは、陸が主な生息地なのよ。けど、海にも行くわよ?)
水陸両用なんだね。
(エメルの立場はどうしたらいいかな?新しいお母さん?)
(悪くないけど、ムーンと夫婦っていうのは嫌ね)
(そうだな。エメルはあくまでも従魔仲間だからな)
(でも、新しいお姉さんていうのは無理があると思う)
(私は従魔のままでいいんじゃないかしら?側にいていつでも守れるし)
(でも、それなら人化を覚える必要はなかったんじゃ?)
(一緒に料理をしたり、お買い物をするのは楽しそうじゃない。そのちょっとの間なら、ユーリの新しいお母さんっていう立場でもいいわ)
(まあ、俺もそれならいい)
私とエメルとモコとチャチャで、女子同士でお買い物…楽しみ!
(ユーリ?ボクの事女子扱いしてないよね?)
鋭い。もう。男の子の格好しても女子が男装してるようにしか見えないんだから、別にいいじゃん。
(ユーリ、今日はどうするの?)
(うん。ダンジョンの下層を探してみようかなって思ってる)
(いいわね。私も新しい体を慣らしたいし)
ダンジョンまで、エメルに乗せてもらったけど、怖かった。
(ゆっくりって言ったのに!)
(ごめんなさい。楽しくてつい)
(ちょっと休憩)
アオさんに掴まれて山に登った時よりはましだけど、かなりのスピードで怖かった。
それに苦もなく付いてくるムーンも凄いけど、チャチャ達が追い付けないでいる。
(もう。速いよ!)
(ごめんなさい。けど、ユーリを乗せても問題なく飛べる事が分かったわ)
はあ。乗せるなら荷物でいいじゃん。
さて、気を取り直してダンジョンに入ろう。
とりあえず豚バラを採ってから15階層に行こうかな。




