ワニ肉とストーブ
ムーンだけが13階層に行ったのがちょっと悔しかったので、みんなで13階層に行こうとしたら、私とムーンしか転移できなかった。
他のみんなもちゃんと魔石に触れないとだめみたいだ。
エメルは余裕。チャチャは何とか戦えてる。モコはムカデ相手に苦戦してる。
相性の問題もあるんだよね。モコは小さいから、頭を狙うのが難しい。甲殻はモコの爪では通じない。
ムーンには、モコのサポートをしてもらいながら、進んだ。
耐性があっても毒状態になるから、そうしたら私がすぐにキュアポイズンを使う。
特にモコは耐性を持っていないから、毒を受けたらすぐに魔法を使う。
そうしたら、モコにも耐性がついてしまった。いいことなんだけど、ちょっと複雑。
耐性は無効と違うから、注意は必要だけどね。
(モコは13階層も無理だろう。ユーリも危ないと思う)
(えー!…まあ、ワニは怖い生き物だけど、攻撃を見切りながら倒せば何とかなるよ)
やっと階段までたどり着いた。みんなちゃんと触れて、いつでも行けるようにはしたけど、念の為にモコには影に入ってもらった。
文句言ってたけど、モコが死んだらものすごく悲しいと思うし、無理する必要はどこにもないから、仲間外れじゃないよ。
私も充分に気を付ける。あの大きな口でぱっくんされたら痛いじゃ済まないし、尻尾の攻撃も怖い。
エメルはいつでも私をカバーできるように気を配ってくれている。
チャチャも、ワニ相手の方が相性がいいみたいだ。
レベルも随分上がったし、戦いたいと騒ぐモコも出してあげた。
影の中にいても経験値は同じく入るらしい。それでもスピード特化のモコには相性が悪い。ダメージが殆ど入らないから、倒しようがない。
本人かなり悔しいみたいだけど、してあげられる事は、しているつもり。
(うう…魔法を使えば倒せそうだけど、ボクは魔力量が少ないからな)
それでも魔法を使って一匹倒した。
(わがまま言ってごめん、ユーリ。ボクは影の中にいるよ)
(そうだね。大丈夫。モコはモコで私の役に立ってくれているんだから)
(うん。ボクの毛はユーリを暖めるからね)
夏の間、何度も毛刈りした。ショッピングで大きな布を買って、モコの毛をつめて布団を作った。
毛布もモコの毛なので暖かい。だから強い事に拘る必要なんてない。
肉にしっかりと味を染みこませてから揚げと、甘酸あんかけを作った。
ワニ肉、侮りがたし。しっかりとした歯応えと、何にでも合いそうな淡泊な味わい。
あんかけの方をあげたスラ達は、あっというまに完食。
どこに胃があるか不明だけど、実は結構大食いなんじゃないかと思う。
実際の所、水だけでも生きていけるみたいだけど、不思議。
他のみんなは勿論喜んで完食。結構な量作ったつもりだったけど、足りなかったかな?
(お腹いっぱいになった?)
(満足)
(うむ。やはり生より料理後の方が良いな)
まあ、大食い二人が満足なら大丈夫だろう。けど、ムーンはつまみ食いもしてたんだね。
あんな風に一部しか出てこないと、ムーンには物足りないんだろうな。
(ユーリ、プリンないの?)
(エメルはプリン好きだね)
(甘くてトロッとして、口の中で無くなっちゃう所がいいわ。でもこの前のクッキーも美味しかったわね)
(クッキーはピザ釜じゃないと無理だから、春になってからだね)
(そうなの?まあ、楽しみにしてるわ)
(という事は、ピザも食べられないの?)
(そうだね。春まで我慢だよ。モコ)
(ジャムがいい)
(ベリーのジャムならあるけど、それでいい?チャチャ)
(ん…それでいい)
やっぱり聖域から持って来た物は、微妙に不評だな。
ジャムといえば苺だよね。育ててみようかな。
足りないパーツも作り上げて、何とかストーブが出来た。何かを燃焼する訳じゃないから、空気も汚さない、便利な暖房器具だ。
上にやかんを乗せておけばお湯も沸かせるし、イモも焼ける。
作ってよかった。一気に便利になった。
魔鉄はまだ残っている。けど、今欲しいのは石臼と唐箕だ。
来年は小麦も作る予定だから、石臼は必須。唐箕は魔法でも代用できるから、まあ、後でもいい。どのみち収穫しないと役に立たないし。
今育てているのはもやし位なので、全ては春からだ。
沸かしたお湯でハーブティーも淹れた。夏の間に摘んでおいたのが役に立った。
乾燥したミントティーしか飲んだ事なかったけど、生も美味しい。
雑草に紛れて生えていたけど、育ててみるのもいいかも。




