表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/226

ボアと米

 ムーンとチャチャで、大きなボアを仕留めた。私も足止めは手伝ったけど、二人はさすがに強い。

 けど解体は、私の役目。大きいから、解体も大変だ。

 二人に持ち上げてもらったり、ひっくり返してもらったりしながら、何とか解体を済ませた。

(そこ捨てちゃうの?ユーリ)

 そっか。モツ煮込みも美味しいよね。本当に要らない所は、穴を掘って埋めた。

(やった!久しぶりの大物だね!)

 

 確かにダンジョン産の物では肉の一部しか残らないから、まるっと1頭は手に入らないから、損した気分になる。

 ダンジョンに行けば必ず魔物がいるから、食材に困る事はないから、助かってもいるんだけど、モコにしたら不満なのかな?

 まあ、モツは採れないしね。


 収納庫の容量には制限があるみたいだけど、今の所容量で困った事はない。

 お風呂を作るのに大きな木を何本も入れたし、本当に使い勝手のいい魔法。

 マジックバッグに変わったビジネスバッグはまだ私には大きい。

 焦らなくても周囲に人はいないからいいんだけどね。


 肉の臭みをとるハーブも見つけたし、あとは芋とか野菜を足そう。煮込みもいいけど、今の時期だから甘辛炒めにしてもいいかな?煮込みはさすがに暑い。

 量が多いから、両方作れるね。下処理が大変だけど。


 歯ごたえがあるから幼児にはきついけど、よく噛んで食べた。

 スラ達にも久しぶりの大物のなめしに嬉しそうだ。


 今日はたくさん汗をかいたので、温いお風呂にゆっくり浸かろう。

 新しいお風呂は深めに作ってあるので、ムーンやチャチャが一緒に入っても安心だ。零れても一段低くしてあるので隣の部屋に流れる心配もない。


 珍しい。モコが入ってきた。ムーンとチャチャが入っているから深いので、抱っこして入れてあげた。

(うーん。結構入っちゃえば平気かな。でも洗うのは嫌だよ)

(はいはい。クリーンがあるから大丈夫だよ) 

(今日はボク、あんまり活躍出来なかった。ボクの爪はほんの少し傷つけただけだし、毛も振り払われた)

(まあ、大きい相手には仕方ないよ。私も魔法でしか相手出来ないし)


(でもボクは魔力も低いから)

(いいの。モコは毛もふわふわだし、お陰で冬を乗り切れた)

(でも、ムーンのもふもふもユーリは好きなんでしょ?)

 そう。ムーンの毛質は少し弾力があって、サラサラしているのだ。

(どっちのもふもふも大好きだよ)

 チャチャの毛はちょっと硬いけど、暖かいから好き。スライム達も、ぷにぷにしてて触ってて気持ちいい。

 モチは硬いけど、つるっと滑らかだ。


 比べるなんて出来ない。

(私にはみんな大切な家族なんだから、モコはモコのままでいいんだよ)

 エメルは私のお姉さん的存在だし、フレイは…うん。ずっと年上なはずなのに、私が面倒みてる感じ?


 米が実ってくると、鳥系魔物に狙われるので、結界石をもう一組買った。

 私も狙われてる気がしないでもないけど、襲ってきたら石を投げつけてやる。

 子供の肉は美味しそうに見えたりするんだろうか。


 今日はいよいよ稲刈りだ。刈り取ってから縛るのは大変なので、蔓で縛ってからモコが爪で刈り取る。

 木の柵にかけていく。それだけで汗だくだ。早く実るのは嬉しいけど、夏真っ盛りの今動くだけで辛い。首に凍らせたタオルを巻いて作業してるけど、当然すぐに溶けてしまう。

 モコにも私とお揃いの氷の帽子をかぶらせている。

 氷魔法のレベルが一番上がっているかもしれない。

 そしてかき氷。下手に甘くするより、そのままの方がこういう時は美味しい。


 この出来具合なら、来年は小麦との二毛作でも出来そうだな。

 現にトウモロコシの二期作は出来そうで、まだ暑い日が続けば、収穫も出来そうだ。

 

 脱穀するまでの道具は作れた。けどさすがに唐箕を自作できるほどの技術はない。

 去年は結局玄米で食べたけど、ちゃんと精米したい。

 大体の原理は分かるので、魔法で代用出来ないか考え中。

 

(これがご飯になるんだよね?不思議。ユーリ、色々な道具作っていたもんね)

(それが、まだ足りないんだよ。いつも食べてる白いお米にするには、まだ足りないんだ)

(へえ…大変なんだね。それでもユーリはご飯を食べたいんでしょ?)

(うん。…昔の農家の人って大変だったんだな…)

(今、ユーリが大変なんじゃないの?)

(機械がないからね。買えないし。そもそも電気がないから、動かないんだけど)


 この世界ならではの方法があると思うんだけど、今の私には知る術がないんだよね。


 実際精米機の中は知らないから、洗濯機をイメージしてみた。糠は中で集めるイメージで…よし!精米開始!

 空中で、玄米がくるくるとまわる。あ…今の籾が付いてた。機械だと壊れる可能性があるけど、これは魔法だから、不純物は纏めればいい。

 うん。白くなってきた。多少残っても、私は七分づき位が好きだから問題ない。


 米を研いで炊飯器の魔道具にセット。

(魔法をこんな風に利用したのはユーリが初めてかもしれないわよ?)

(そう?魔法は生活を便利にする為の物じゃないの?)

(それはそうだけど…そういえば前にも魔法で洗濯機とかやってたわよね)

(クリーンとどう違うか実験したかったんだよ。変かな?)

(普通はその前に魔力が尽きるのよ。しかも二属性混ぜて発動とか)

(だって魔法はイメージなんでしょ?)

(分かったから、人前ではやっちゃだめよ?すぐに落ち人だとばれちゃう)

(うん。分かった。エメルがいて助かるよ)

(ねえフレイ、落ち人の記憶消去って出来ないの?)

(元の世界からは消しましゅけど…さすがに記憶喪失で放り出す事は出来ないんでしゅ)

(そんな事されたら困る!しかも家族も何もいない状況で)

(でもここまで小さな落ち人っていうのも…)

(うう…)

(それはいいの。エメル。とにかくバレなければいいんだから)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ