表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/226

果物ダンジョン

昨日の栗は早速栗ごはんにした。渋皮を剥くのが大変だったけど、みんな手伝ってくれたし、みんなでやったら楽しかった。

だから沢山栗ごはんを炊いて、おにぎりにもした。


昨日は七階層で止まってしまったから、今日は八階層から。

とりあえず階段だけは見つけておいたから。後ろ髪を引かれながらも進む。


ビッグスパイダー。あんまり見たい魔物じゃないし、ドロップアイテムも蜘蛛の糸か、毒瓶。それなのに冒険者が多いのは何かあるのかな?

「ここは何か採れるんですか?」

「おう…燃焼石だけど、いつも並んでいるからな」

燃焼石か。それなら聖域近くのダンジョンで採れる。

ちょっと高いけど薪要らずになるから便利だし、一年位なら使える。これが使えないのは燻製位だ。当たり前だけど。


とりあえず階段を探そう。燃焼石の採掘場所はちょっとした広場になっているけど、順番待ちの列が通路の方まで伸びている。

折角甘い食べ物が採れるダンジョンなんだから、他に行っても良さそうなもんだけど。


9階層はオーク。肉かな?と思ったらブドウだ。しかもたまに一粒じゃなくて房で落としてくれる。こんなに美味しい階層なのに、みんな八階層止まりなんて勿体ない。

「肉じゃないのが残念だ」

「まあ、オークならいる所分かっているし、ダンジョンで採る必要はないよ」

しかもそれなりに見かけるし。

「ユーリはこっちの方が嬉しいのよね?」

「うん…とりあえず肉はまだ在庫があるし、今はここを進めるでいいよね?」

「うん。ユーリがそれでいいなら」


当然。こんなワクワクするダンジョンも珍しいと思う。


次はボス部屋。みんなそれほど疲れてないからすぐに進んだ。

「シャーッ!」

うわ…巨大な花が吠えたよ。花は蔓で攻撃してくる。

燃やすのが一番かな?植物だし。

ムーンに目線を送って一緒に炎をぶつける。


蔓で炎を散らされたりもしたけど、超巨大な炎を放ったらさすがに燃えた。


後に出て来たのは大きな瓶に入ったシロップだ!

うん。たっぷり使えていいかも!


11階層はリンゴ!いや、魔物はフライスネークだけど。

この蛇は空を飛ぶ。まあ、亀だって空を飛ぶんだし、かくいう私も飛翔のスキルを持ってる。

ムーンもモコも飛べるし、これって鳥の立場がない?

私はまだ恐怖心があるから飛ぶのも超低空飛行だ。まだまだ練習中。

補助魔法にしてはかなり魔力も使うし、多用はできない。

リンゴはお店にも売ってるし、次に進みたいけどかなりの数襲ってくる。

嬉しいけどね!


12階層はブレードディア。皮や角がメインだけど、肉も落とす。そしてこの階層も冒険者が結構いる。

角は切れ味最高の武器になるから仕方ないのか。

肉の割合は少ないけど、まあ、仕方ない。


同じブレードディアでもドロップアイテムは変わるんだな。皮は落とさなかったし。

外でも見たことないな。


魔物のドロップアイテムが一部でないのも珍しい。

私にとっては嬉しいけど、他の冒険者にとってはどうなんだろう?

鹿肉も久しぶりだ。今日の夕飯は何にしようかな。

「そろそろ夕飯だね。せめて階段を見つけたかったけど、明日でもいいよね」

「ユーリ、ここにあるわよ!」

「やった!明日はどんな果物が見つかるかな?」

魔法石に触れて転移した。


「折角なら、鹿肉を使いたいわよね?シチューなんてどう?」

「うん!一緒に作ろうね!チャチャも」


そういえば、四神獣全部に会って私自身や眷属達に加護を貰ったんだよね?

アリエール様の眷属神だし、教会でお礼言った方がいいかな?

果物があったら買いたいし、要らない素材も売りたい。町はそう遠く離れてないし、ちゃんと行っておこう。


まあ、それもダンジョンが一段落ついたらだ。今はフルーツ!


翌日、13階層からだ。魔物はエテルンバ。素早い動きと悪知恵で翻弄してくる所はエテルと一緒。加えて厄介なのは立体機動だ。

ソイズダンジョンよりも団体で襲ってくる。この辺からはある程度慣れた冒険者じゃないと対処できないだろうな。

ドロップアイテムは、バナナ。正確にはナナっていう名前らしいけど、味は一緒。まあ、猿といえばバナナだろう。

売ってるお店もそれなりにあるけど、どうせなら只で採れるダンジョンで集めるのが一番だよね!


昨日お腹空いたのを我慢してたらバナナを食べながら狩りに勤しんだかもしれない。

でも、夜更かしは厳禁だ。ご飯が遅くなったら成長ホルモンが出る時間に寝られないからね。


テッドと別れる時には負けていた身長だけど、今は順調に伸び出した。第二次成長期というやつだろう。

女性の方がそれは少し早いみたいだから、そのうち追い越すかも。そうしたら上から見下ろしてやるんだ。

まあその先は男子の方が伸びるだろうけど、それはそれだ。


14階層はエルダーフラワー。これの花びらは上級ポーションの材料になるし、バックに入れても嵩張らないから、冒険者は多い。きっと中級冒険者以上だろうけど、だからって私を見てぎょっとするのは止めて欲しい。こう見えてもランクはきっと変わらないと思うし、ムーンなんかと比べると、拙く感じる。


葉を落とすと捨ててるけど、その葉っぱはハーブだ。

他人が落としたのを拾う気にもなれないけど、勿体ないな。

私達は勿論残さず拾っている。眠気覚ましの効能があるハーブティーになるし、スッキリしてるから、気分の切り替えには丁度いい。


役には立つけど、次は待望の15階層だ。先を急ぐ事にする。


やっぱり仕切りのない森林ステージだ。凄いスピードで飛んできたそれを避けると、大きな甘芋、つまりはサツマイモだ。自殺攻撃を仕掛けてくるのはスイカと一緒だな。

着弾する前に息の根を止める?と、魔化が解けて普通サイズの甘芋になった。

買えるけど、今の季節には買えない。だからいっぱい採る!


トゲトゲの葉っぱと大振りな実で攻撃してくるのは、米ナスだ!

それと、うねうねと蔓を巻き付かせてくるのは苺だ!

嬉しい!苺はハウス栽培しないといけないから、売ってないんだよね。

しかも明日は私の誕生日だし、素晴らしいタイミングで苺が手に入った。


明日はケーキを焼こう。苺もたっぷり乗せるんだ。

「えへへ」

タルトもいいな。苺たっぷりのタルト。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ