カエル退治と米
チャチャの案内してくれた所に沼地はあった。
デカい。2メートルはありそうなカエルだ。うーん。木魔法で捕獲しようと思ったけど、ぬるぬるで捕まらないな。
っと。毒攻撃してくるけど、私には効かないんだな。
モコの爪は表面で滑ってしまう。
風魔法を鋭くして大きな刃物に見立てて首を刎ねる。
槍とかも必要かな?今の身体能力なら、何とか扱えそうだし。
短剣だと、大物魔物にダメージを与えられないから、何か考えないと。
折角短剣スキルは取れたけど、別に拘る必要はないよね。
エメルの指示で毒袋近くを除き、ひとまず沼から上がる。
あ…この植物は!
鑑定 シラコメ 一般的にはドロドロに煮て使われる。
凄い!米が自生してる!
巨大カエルは収納庫にしまって、稲刈りだ。新米は美味しいよね。
でも、自生するのに任せるんじゃなくて、折角だから田植えしよう。
あ…でもこの沼地にはカエルが来るんだよね。
家の近くに水田を作ろうかな。そこに結界石を置いて、扉は結界魔法で閉じればいいし。
(解体しないの?)
(ごめん、稲刈りに夢中になってた。今やるよ。ここでやらないと、家がぬるぬるになりそうだから)
水魔法でぬるぬるを洗い落として、ミスリルのナイフで解体する。
皮が伸びるから、解体しにくい。チャチャにひっくり返してもらったりして、解体を進めるけど…あう。解体しているうちに、もう一匹来たよ。
こういう時こそ威圧で…効かないよね。カエル強し。
…あれ?麻痺してる?まさか自分の毒で麻痺したとか?
良く分からないけどラッキー。
同じ魔法で首を落とした。イメージとしては鋭い風の鎌。
夏場に扇風機代わりに使っていたからレベルが上がっていた。
人生全て塞翁が馬。なんて格好いいこと言っても、さすがに扇風機代わりは微妙な理由。
二匹目の解体は、エメルも風魔法で手伝ってくれた。
モコは泥がはねた所が嫌なのか、毛繕いしている。
(モコ、クリーンかけてあげるから、周りをちゃんと警戒してて)
(うん。大丈夫)
エメルは魔法の使い方も上手だ。
(ユーリは雑ね。それじゃ皮が傷ついちゃうわよ?魔法でやるならもっと薄く切れるように頑張って)
魔力操作が下手なのかもしれない。
「ゲコッ!」
はあぁ…また来たよ。もうゴムは要らないのにな。
さっきのカエルみたいに、自滅してくれればいいのに。麻痺してしまえ。
ラッキー。お馬鹿なカエルだ。
とりあえずまた、風魔法で首を狩った。
『魔眼に麻痺の効果が付きました』
はい?自滅じゃなくて?…やっぱりこの右目のせいだ。
麻痺の魔法を使う手間が省けるけど、もう変な効果付かないで欲しいな。
右目が疼く…この右目に施された封印が解ける!…これが生き物を殺すという事か…
なんて。そこまで病んでない。若い頃は多少オタクだったけど、そっち方面じゃない。
どんなオタクかは秘密だ。
(エメル、場所移さない?またカエル来たら嫌だし)
(でも、バッグの口が狭いから入れるの無理じゃない?)
(あ、収納庫覚えたから大丈夫)
ていうか、エメル見てたよね?収納庫に仕舞ったのを。
(…やっぱり落ち人は凄いわね。適性持っていても、収納庫なんて覚えるのは普通大人になってからよ?それに、三匹もあんなデカブツ入っちゃうなんて…)
(え?まだ全然余裕だけど?)
(はあ…もう一々驚いていられないわね)
あ。やっぱりね。人里に行ったら、マジックバッグを使っているように見せかけよう。
そして収納容量も誤魔化しておこう。
でも、マジックバッグは時間経過が普通にある。私の持ってるバッグは、マジックバッグでも時間停止するんだよね。
けど、付与の仕方によっては時間経過を遅くする事ができる。
今の私にはできないけど、そうなったら便利だし、みんなの為に頑張ろう。
とにかくもう、カエルは要らないので、川岸で解体した。
肉は要らないので、その辺に浮かんでいたスライムにあげた。
突然のご馳走に、その辺のスライムも集まってくる。
はいはい。みんな仲良くね。
そのうちの一匹が、じっとこちらを見つめてくる。(多分)
あのタマネギ型の愛嬌ある顔なんてついてないし。
仲間になりたいのかな?でももう契約はしたくないんだけどな。
手を伸ばしたら、手のひらに乗った。
(まあ…いいか。家にはスラミーと先輩スライムがいるから仲良くね。名前は、モチ)
モチがぷるんと震えて、薄いパスが繋がった。
契約したんだから、家で働いてもらうよ?
モチ (0)
スライム
レベル 2
スキル
分裂 分解 跳ねる 体当たり
他の子と内容は同じだ。




