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採掘とダンジョン 2

亜空間から、魔物姿のみんなが出てきて、テッドは驚いている。

(久しぶり…って程でもないわよね?)

「いや…亜空間て、術者がいないと入れないんじゃ?」

(私達はユーリの眷属になったから、特別なのよ?)

「…良く分からないけど、まあいいや」

…良いんだ。


魔鉄も欲しいと言ってたので、私も採掘した。いくらあっても困る物じゃないし、足りなくなる方が問題だから。

もう魔鉄や銀の錬成なんて私の負担には全くならないからね。


「次の9階層はアーマードボアだよ。テッド、気をつけてね?」

テッドにとっては初見の魔物だ。けど、ワイヤーの先に武器の付いた暗器で器用に目や眉間に当てている。

テッドは中距離向きだね。

「次はボス部屋だよな?前回は戦いに全く参加させてもらえなかったから、次は行きたいな」

「まだだめ。しばらく、アーマードボア相手にレベル上げてて」

最悪ソロでも狩れる位にならないと、ボスの次のブレードディアは動きが素早い。鹿肉は美味しいけどね。


「はあ…米は遠いな」

「別にダンジョンに拘らなくてもコーベットで育てているんだからそのうち食べられるよ」

「…まあ、そうなんだけどさ」

「それに猪鍋も美味しいよ?いっぱい採れたら作るよ」

ちょっと癖がある味だけど、私は好きだな。

鹿肉の方が美味しいけどね!


「…やっぱりお前って食べ物基準なのな」

「何言ってるの。そんなの当然じゃない!」

徐々に眷属達にはテッドを手助けする割合を減らしてもらう。

「はあ…こんなのと戦ってたら強くなるの当たり前か」

「落ちた所がここだったんだから仕方ないでしょ」

町の近くに落ちていたら、モコはともかく他のみんなには会えなかったかもしれないし。

頑張ったお陰で今では学校にも通えて、友達もできた。


去年に比べたらテッドも強くなった。私もそれなりに強くなっているとは思うけど、レベルは確実に上がりが遅くなっている。

町で暮らして、学校に行ってたら戦う機会は確実に減っているし。まあ、その代わりに色々と学ぶ機会は増えた。

学校の同級生相手に、手加減して戦うのも覚えられた。


「それにしても二人共、デート先が採掘やダンジョンだなんて色気ないわね」

「は?何言ってるの?」

「こんな子供相手にそんな気になるかよ!」

「テッドだって子供じゃん!」

「俺は7歳になったぞ!」

「私だってもうすぐだし!エメル、冗談でもやめてよ!」

「ボクがユーリとデートするんだよ!」

「モコ、女の子どうしはデートじゃないよ?」

「それ以前にモコは猫だろ…」

「ボクは雄でもクイーンキャットなんだもん!」


「ダンジョンでふざけちゃだめ」

チャチャのもっともな意見でやっと静かになった。

まあ、こんな会話をしながらでも戦えるようになったんだから、進歩といえなくもない。


エメル達もいる事だし、ボス部屋に挑戦だ!

テッドにはブラックベアはちょっと早かったかな?

というか、武器の相性も悪い。

「倒しちゃうよ!」

後がうるさいから一声かけて、双剣で切り裂く。

今回は宝箱が出た。

中身は腕輪?


鑑定 疲労回復の腕輪 起床時には疲れにくくし、睡眠時は疲労を癒してくれる


リカバリーと体力増強、サイズ自動調節の付与がかかった腕輪だ。

「私達は要らないかな。テッドは?」

「それならマイクさんに渡してやろうぜ。頑張ってるみたいだし」

いいかも。基礎体力が上がればやれる事も増えてくる。

「次行こうぜ!」

「もうだめ。時間確認してよ。鹿肉は今度ね」


いや、別に鹿肉が欲しい訳じゃないけど。


鍋って季節でもないし、結局はステーキになった。

「テッド、食べ過ぎじゃない?」

「今日はたくさん動いたし、成長期だからな」

成長期…いや、食べ過ぎて横に成長しても困るし。


リカバリーで疲れは取れたけど、お風呂でしっかり癒されたい。

お陰で寮に帰るのが遅くなったけど、満足だ。


「ユーリ、魔物と戦ってきたのか?」

「え?何で」

「何となく、雰囲気かな。思い切り戦えるなら、次は私も誘って欲しい」


コレットはお父さんもだけど、お母さんも一兵士として戦いに身を置いているから、そういう雰囲気を察するのが上手いのかな。

「コレットも冒険者だっけ?」

「一応ランクEだな」

「じゃあ同じだね」

「は…?あれだけの使い手が何の冗談だ?」

確かに実力は隠してたけど、ウォーターバッファローの時も本気は出していなかった。


「だって、採取系のお仕事が多かったから」

「そうか…だがランク詐欺と取られてしまうかもしれない」

「大丈夫だよ。子供は出来る依頼にも制限があるし、基本日帰りだし」

「確かにそうだな。早く大人になりたいものだ」

違うよ、コレット。子供だからこそ、ギルド規定も甘く設定されているんだよ?

依頼にもよるけど、多少出来が悪くても失敗扱いにならない。

私はそんないい加減な仕事はした事ないけど、子供は学校もあるから、長い期間依頼を受けられなくてもランクには響かないし。


「コレットは上の学校も目指すんだよね?」

「中学校の、騎士科を受験するつもりだ」

なら、技術もだけど、レベルを上げたいって気持ちは分かる。

コレットは自主訓練もしてるし、本当に騎士になりたいんだろう。


「今度みんなで、食肉採取の依頼を受けてみる?」

「お!いいな!」

「私も嬉しい」

「モコも誘っていい?」

「勿論!ねーちゃんだもんな!」

そう!ミアは分かってる!


学校が終わり、私達は門に急いだ。索敵で探すと、上に二尾鳥が、少し先にキルラビットがいる。

キルラビットはホーンラビットの上位種で、角がない。そして足で蹴って攻撃してくる。私とモコだけなら大丈夫だけど…!コレット!

コレットも索敵を持っていたんだ!急いで後を追って、コレットは種類までは分からなかったのか、表情が固い。

「ミア、だめ!」

ミアの蹴りがキルラビットに放たれる!だめ!避けられた!


罠の形に編まれた蔓を放つ。すぐに抜け出せるけど、止めるのは一瞬でいい。

私の双剣が、首をはねた。

「大丈夫?」

すれ違いざまに蹴られたミアを、聖魔法で癒す。


「すまない…小型の魔物だからと油断した」

「索敵は要練習だね。大体の強さが分かるよ」

「ええ…索敵のスキルを持っているだけで凄いんじゃ…」

「いや。まだ私は未熟だ。ユーリ、君のような者が騎士となれば出世も出来るのではないか?」

「私は自由に生きたいんだ。両親も冒険者だから、一緒に世界を旅するの!」

「素敵な夢だね!」

「本当に、いいよなー。私はずーっとコッコの世話だな」

「それも素晴らしいと思うな。コッコの羽根はもふもふだよ?」


「本当にユーリはそればかりだな」

血抜きを済ませて、バッグに仕舞う。この肉はパーティー受注してもらうつもりだ。

「もふもふ魔物の毛皮総てをもふもふし尽くすのが私だけの目標だから」

あ、みんなもだけど、モコはきっと別の意味で呆れている。


二次元の世界が楽しめない所だから、生き甲斐が変わっただけだよ。


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