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眷属

フレイから聞いた話をすると、意外な反応が返ってきた。

「寿命より、ユーリと深い絆を結びたいわ」

「俺達魔物は、寿命まで生きる者など殆どいない。老いて弱くなったら他の者の食糧になるだけだ」

「ボクだって後悔なんてしてないよ?むしろ役に立てて嬉しい」

「ユーリ、それともユーリはそこまで望まない?」


そんな事はない。現にモコには家族以上の絆を感じているんだから、みんなともそんな風に想い合いたい。

でも、ここは平和な所じゃない。命の危険は常にある。

落ちてきた当初よりは大分強くなったし、まだ子供ながらもお金を稼いで生活できている。


冒険者になりたいなら、少しでも強くなるべきだし、私はばれたら身の危険すらある落ち人だ。


「本当に私と運命共同体になっちゃうけど、いいの?」

「従魔になった時から覚悟は出来ている」

「ユーリなしの生活なんて考えられない」

「私も、今以上にユーリを守りたい」

「分かった。やってみる」


魂の繋がりを意識して、受け入れる。アリエール様の加護がなかったらこう簡単にみんなを眷属に出来なかったかもしれない。

特に最後のムーンを眷属にした時に思った。神話級の魔物を眷属にするには、大変な事なのだと思った。


「みんな大好き!ずっと一緒だよ」

ムーンやチャチャの怪力を受け継いだり、エメルとの絆から絶対防御を得た。

今まで何も貰っていなかった戦神マティア様からは加護を。リリアナ様とダルク様は祝福から加護に変わっている。

マティア様の加護の効果は常在戦場。妄想してても魔物に反応出来る。

そういえば、今までも体が勝手に魔物に反応していた事があった。

ステータスの確認なんて滅多にしないから、分からなかった。


亜空間内で動いて確認してみると、ムーン程ではないけど素早さが増している。

ちょっと隠すのが難しくなってきたな。咄嗟に身体が動くのはいい事だけど、低ランクの冒険者の動きじゃない。


「ユーリはもう少しランクを上げた方がいいんじゃないか?」

「年齢的にCランクが限度だけど、変に絡まれるよりはいいかも?」

どのみち学校ではずいぶんばれてるみたいだし。

テッドもダンジョンでかなり頑張ったから強い子認定されてる。一人だと目立つけど、テッドもだしいいかな。


ムーンにも時空魔法が付いて収納庫が扱えるようになったから、より便利になった。

チャチャとエメルは私に引っ張られて亜空間まで覚えたから、私の亜空間に入る事が出来る。ムーンもそのうち覚えるだろうし、今はエメル達に付いていけば私の亜空間まで来られる。


眷属化の恩恵とは違うと思うけど、超感覚が扱いやすくなっている。

時空魔法と合わせる事で、空間の歪みさえ察知出来るかもしれない。

味噌作りに役に立つ時間が経った事にする魔法のエイジングだけど、逆に遡る事も出来るようになった。

まあ、今は全く必要性を感じない。萎びた野菜にかけたり、お肌にかければ張りが戻るかな。

子供の私には無用だ。

時空魔法に適性がある人は少ないからいいけど、誰でも使えてたら混乱しそうだな。


あと残念だったのが、モチは眷属にする事が出来なかった。

恐らくは意思疎通の関係だろう。感情も伝わりにくいし、念話も出来ないから、仕方ないんだと思う。

モチは特に気にしている風もなく、カモミールティーを飲んでいる。

水の時と反応は変わらない。スライムに味覚はないのかもしれない。

要は私の魔力がかかっていればいいんだよね。モチは川の水だと喜んで飲まないから。

眷属にならなくても、モチは私の為に頑張ってくれているし、ひんやりして気持ちいい。


「あのさ…みんなはお化け、じゃなくてアンデット怖い?」

「怖くないよ?上位になると呪いを使ったりするアンデットもいるけど、ボクは聖魔法に適性があるからね」

「通常の攻撃は効かないが、単なるゴーストなら火の魔法でも効くから問題ないな」

「どうしてユーリ、怖がっているの?」

「だって生きてないんだよ?怖いじゃん!」

「風魔法だと散らせる位しか出来ないけど、ユーリは私が守るわ」

「フレイの為でもあるから、ターンアンデットを覚えたら退治に行くんだけど、みんな絶対ついてきてね!」

「どうしたの?変なユーリ。ユーリには状態異常も効かないんだから、怖がる事ないのに」


ホラー映画は大の苦手なんだってば!



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