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井戸掘り

アルフレッドさんとエーファさんが、帰って来た。私達にも話があるそうで、呼ばれた。

王都で何かあったのかな?落ち人に会ったとか?

「父さん、何かあったのか?」

「実は…我が家は伯爵家になってしまった」

「わー!凄いですね!じゃあ様にしないとだめですよね?テッド様…とか」

「げ!…やめろよ、気持ち悪い」

「私達も慣れないから今までと同じでいいよ…まだ実感湧かないし」

「友達の親なんだから、子供は気にしないでいいのよ?」


「爵位が上がると何かあるのか?」

「…とりあえず持てる兵士の人数が変わるかな?聖域の管理をする為でもあるし」

「まあ、うちは辺境の地だから、中央の貴族とはあまり関わりもないから、今までとあまり変わらないかな」

「ま、俺は三男だし?全く関係ないな」

「それは…分からないけど。でも私がエルフだからそういうのはないかな?」


そういうの?

「縁談とか。…まあ、私がエルフだから、テッドが人族でも子供がエルフが生まれる場合があるから、まあ、希だけど」

「もしかしてそういうお話ですか?テッドとは只の友達なので、全く心配しなくて大丈夫ですよ?」


「へえ。あっさり言い切ったね」

「何だよ兄さん、その通りだけど?」

「あはは。二人にはまだ早いね」

「エーファ兄さんこそ」

「それこそ僕は、エルフだからね、出来れば同じエルフの子がいいな」

寿命も全く違うから、そうなるよね。奥さんにしても嫌かも。自分が老けていくのに、旦那さんの見かけが全く変わらなかったら。

「まあ、今は冒険者が面白いから、そういうのは当分いいけど」


「というか、改めてお礼を言わせてもらおうと思ってね」

「でも、聞いていると、あんまり喜んでいる感じじゃないですよね?」

「今はまだ、戸惑っているだけだよ。場所が場所だから、色々気を使わないといけないけど、経済的には確実に良くなるし、人も集まってくる」

「まあ、いい人ばかりとは限らないですよね?」

「あはは。やっぱり君と話していると、子供を相手にしている気になれないね」

う…それは不味いかも。

「テッドと同じ立場でもあるんだし、私で力になれるなら、協力するからね」

「ありがとうございます」


本当の事を隠しているのにこんな風に言ってもらえて気まずいけど、今は仕方ないのかな。


「そうだ。田んぼ一枚分、モチゴメにしたいんですけど、いいですか?」

「何!モチゴメも持っているのか?」

「21階層のレア植物?うん。今まで一回しかみたことないけど、種籾はあるから育てられるよ?」

「おおー!餅とか赤飯とか食えるんだな!」


「現在麦から米に変更したいとの申し出があったのは7件です。既に長さは不明ながらもパイプに使われる道具もかなりの数発注してあります」

「ありがとうございます!キースさん」

「地下水を利用するとの事ですが、下水道に当たらないようにしないとなりませんし、魔道具はどの位で完成しますか?」

「あはは。雪が降る前には何とかなります」

「土魔法で穴掘るんだろ?俺も手伝うよ。てか、下水道に当たらないようになんて出来るのか?」


「ん。それは大丈夫」

「空間把握とか?」

いや、3Dマップだけど、教えるのは後にしよう。

「いつ受け取れますか?」

塞いでおいて、後から上を取り付ければいいもんね。

「はっきりとした個数は告げていませんので、確実な事は言えませんが、もう一月以上前なので、受け取り可能かと」


「じゃ、午後にでもやるか?」

「そうだね。今日は予定ないし」


ユーリも何度か利用した事のある鍛冶屋さんで物を受け取り、収納庫の中に入れていく。

「なんだ。やっぱり嬢ちゃん関係か。最近の妙な注文は、決まってそうだからな」

「そんなに変なの頼んでないよ?あ、この前作ってもらったパスタとマカロニの製造機はシーナさんも欲しがっていたから、もう一つお願いします」

キースさんが、すかさず代金を支払ってくれる。

「領主様も欲しがる物か…予備も作っておくか」

「あ、釜とかも発注するかもです」


「ユーリ様、釜とは?」

「炊飯器の魔道具がなくても米が炊ける物です。燃焼石用と、薪用のどっちが需要があるかな…」

「どちらでも出来るのでしたら、薪ですね。燃焼石は、少々値段が高いので」

「ダンジョンでなら、只で取れるのに…」

「ユーリ様、そのお話は、旦那様がギルドに発表するまではご内密に」

「あ、ごめんなさい」


テッドにも場所だけ指定してあげて、一ヶ所任せたけど、レベルが違うのか、効率が悪い。

洞穴の家を作ったりと、私の土魔法レベルは結構高いから、一気に掘れる。

「くっそ…!こんな所でも負けるなんて!」

はあ…いい加減対抗意識持つの止めて欲しいんだけどな。

そもそも、私は勝負なんてしてると一度も考えた事はない。


ただ、ボルトで止めるのが慣れなくて手こずるな。

「ユーリ、俺がやろう」

「力いっぱいやったらだめだよ?」

注意したのに…まあ、ムーンは馬鹿力だからな。

「すまない…」

「私、手伝う」

うん。チャチャの方が器用だね。


(テッドは底に着いた?)

(ああ、今空いた。キースも手伝ってくれるし、こっちは大丈夫)

(私の方は一本終わった。次行くね)

(くっ…)

(手伝ってくれるだけで有難いんだから、悔しがらないでよ)

(感謝してるのか?)

(まあ。でも田んぼ作りはテッドの仕事でもあるし?)

(お前、可愛くない)

(自分が可愛いなんて思ってないから大丈夫)


しかもモコという美少女が身内にいるんだから、私なんてその引き立て役にしかなれないもん。

でもモコは、学校では男子寮に入るんだよね…どうしよう!彼氏なんて出来たら!主としては、暖かく見守るべきだよね!


「ユーリ?何かまた変な事考えてない?」

「な…!べ、別に?」

なんて鋭い子!感情もパスを通じて繋がっているとはいえ、言葉にしていないのに!

「モコに悪い虫がつかないか心配してただけだよ?」

「それを言うならユーリにでしょ?モコ、ちゃんと護衛するのよ!」

そういう虫の心配は要らない。普通の虫なら別に嫌いなのはあんまりいないんだよね…あのキングオブ害虫以外は。


勢いで今日中に終わってしまった。

「ユーリ!明日はギルド依頼で勝負するぞ!負けっぱなしは嫌だからな!」

「はいはい…別にいいよ」

本当にテッドはお子様なんだから。




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