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暑い日

 モコが、足下にすり寄って来た。こういう時は、大概ブラッシングして欲しい時なので、バッグからブラシを取り出した。

「うにゃ!」

(え?違うの?)

「にゃー」

(ああ、ブラッシングはして欲しいのね)

 モコは毛布を着ているような物なので、暑いのかもしれない。

 ブラッシングをすると、凄い抜け毛だ。暖かい服を作れそうなので、全部取ってある。

「にゃっ!」

 モコは、尻尾で私の足を叩いて部屋の奥に行ってしまった。

 

 というか、私も暑い。エアコン欲しい。

 角度のせいか、午後の今は、日差しが差し込むから暑い。

 溶けて下がぐちゃぐちゃになるのも嫌なので、大きなお皿の上に、氷の柱を立てた。

 気がついたモコが、氷を舐めた。私もしばらく抱きついて、涼んだ。

 あれれ…スラ達も暑いのか。


 モコには毛生えという謎のスキルがある。

 どんなスキルなのか分からない(モコに頼んでも実践してくれなかった)けど、生え替わりなのかな。

 家の周りの木にもモコの毛がいっぱい付いている。体をこすりつけているから、匂い付けかと思ってたけど、違うのかな?

 でもまさかプードルみたいに毛を刈ったりはしないよね?

 それとも羊みたいな物なのかな?鳴き声はにゃーだから違うよね?

 

 いっそのこと、光が差し込まないようにもう一部屋作ろうかな?

 どのみちお風呂は別の部屋に作る予定だったから、丁度いいかもしれない。横に長い崖なので、貫通する心配もないし。

 

 土魔法も随分上手になったから、一度で大きな穴が開く。

 入り口は狭くして、あとで衝立を作って塞げるようにする予定。

 出た土砂は、固めて重力魔法で軽くしてから運び出す予定。この部屋を作った時にもやっていたから、慣れた物だ。

 あの時は今ほど暑くなかったから、作業も楽だった。


 時々風魔法で涼みながらやっていたから、魔力が怪しくなってきた。

 このまま水浴びしよう。


 川に行って、ついでに罠をチェックしたら、また罠が壊されていた。

 まあ、この罠が壊されるほど強い魔物の魚がかかっているのも怖いからいいんだけどね。

 それにしても三カ所全部壊されているとは思わなかった。

 ウルフの肉を罠の中に入れていたけど、もう残り少ない。

 ゴブリンの肉は臭いから触るのは何となく嫌だし、ウルフ…私とモコだけで狩れるかな?


 エメルに教わったけど、海には魔物が多いから、私だけでは絶対に入っちゃだめだって。

 釣りでは強い魔物はかかった事はないけど、浅瀬にそんな強い魔物がいたら怖いな。

 海遊びも楽しそうだけど、下流でも川の水は綺麗だから、ここで充分楽しい。

 モコは水浴びが苦手だから一緒に遊べないけど、今度エメルが来たら一緒に遊ぼう。


 服はクリーンで綺麗にして、体はドライで乾かす。服を着始めると、モコが寄ってきた。

(モコはクリーンね。一緒に入れば洗ってあげるのに)

「うにゃー」

(はいはい。嫌なのね)


 木魔法で罠を作って、もう一度沈めておく。魔法で作った罠なのに、スキル化するって面白いよね。

(ユーリ!)

(あ、エメル)

 今日の獲物はイカらしい。咥えて持ってきたそれを受け取って、バッグにしまう。

(いつもありがとう)

(本当はもっと持ってきたいんだけど…ねえ、ユーリは錬金術も出来るのよね?私にマジックバッグを作ってよ)

(無理。私が作れるのはポーションがやっとだよ?)

 多分、時空魔法のレベルが足りていないんだと思う。

(それに、エメルが使うのには、どういう形に作ったらいいかも分からないし)

 お腹辺りに括り付けても、手が届かないと思うし。

 

 森に入って行くと、小型のボアと目があった。

「っ!」

 突進を予想して咄嗟に結界を張るが、その前にエメルが空から勢いをつけて突進した。

 ユーリは、麻痺の魔法を使う。

 モコも、ボアに雷魔法を使った。

 ミスリルのナイフで斬りつけるけど、致命傷にはならない。

 けど、ダメージは受けてる。アースランスで下から突き刺すと、やっと息絶えた。

(びっくりした。まだ子供みたいだね)

 それでも高さだけでビッグコッコと同じ位ある。親には会いたくないな。


 一旦マジックバッグにしまい、森から出てエメルにも手伝ってもらいながら、風魔法で頭を落とす。まだレベルが低いからか、骨は断ち切れなかった。

 ミスリルのナイフで首の骨を落として、土魔法で掘った穴に落とす。

 解体も、一人では無理だ。予め魔法で軽くしてからエメルにも手伝ってもらいながら、やっとのことで解体した。

(も…魔法は無理)

 お風呂に入っているうちに回復した魔力も、尽きた。


 やっとのことで家にたどり着いた。

 マジックポーションを飲みながらそうめんを茹でて、作っておいたカブの塩漬けを出す。

(こんなのしか今日は作れないけど、次までにはボアで何か作っておくよ)

(いいのよ。気にしないで。むしろ普段から一緒にいられればいいんだけど)

(それこそ気にしないで。海産物は嬉しいし、モコもホーンラビットとか狩ってきてくれるから、食べるものには困ってないよ)

 それに近くにはビッグコッコのいるダンジョンもあるのだ。困る訳がない。


 早くエメルに頼らなくても、モーモーが倒せるようになればいいんだけどな。




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