足の悪いネズミ
2作品目です。寓話を書いてみました。出来れば感想を頂きたいと厚かましく思ってます。すみません(汗)
これはまだ、人間が誇り高く槍を持って日々の糧を得ていた時の話である。
人間と同じように、猫もまた現代と違い庇護者から餌を貰わずにネズミを狩って生きていた。しかし、ネズミは巧妙に自らの住処を隠蔽し、猫は悔しいことに一日に1、2匹採れれば御の字といった有様であった。
ある時、一匹の猫は、「一匹のネズミを追い立てて、巣を見つければ良い」と思い付いた。名案と思い、早速その計画を実践して見事ネズミの巣を見つけることが出来た。
逃げてきた一匹のネズミは猫が巣穴を掘り起こす前にどうにか他のネズミ達と考え、話し合った結果、生まれつき足が弱く『食料を採る事のできない』ネズミを置いてけぼりにすることで生きながらえようということになった。
そして、とうとう猫は巣穴を掘り返し、ネズミの巣穴に侵入してきた。しかし、猫は一匹の足の弱ったネズミしかいないことに苛立ちそのネズミに詰問した。
「何故、ここにはお前のようなカス一匹しかいないのだ!ここはお前等の家の筈だ!」
すると、ネズミは、
「他のネズミは私のような弱ったものを残し、薄情にも置いて行ったのです。私はあのような非道を行った外道共には一欠片の親愛も残っておりません。ここはどうか、この巣の間取り図を教えるので見逃しては頂きませんでしょうか?」と懇願した。
その提案に、猫は快く了承しそのおかげでたくさんのネズミを狩り、遂には巣にいる全てのネズミを腹におさめることができた。
しかし、その数日後には猫の死体も発見されたと残っている。