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劣等人の魔剣使い スキルボードを駆使して最強に至る(WEB連載版)  作者: 萩鵜アキ
3章 王都ユステルの炎禍

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王都有数の大店

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どうぞ、宜しくお願いいたしますm(_ _)m

 翌日。

 透はエステルに連れられて、『リグルド商会』という名の武具店の前までやってきた。


 武器店、防具店、厨房器具店、大工道具店、魔術書店、木材店、石材店……。

 店のある通りは専門店街になっていて、様々な専門用品店が軒を連ねている。


 その中で、一番大きいのがこのリグルド商会だった。

 この店は武具の制作は行わず、契約している職人が作った武具の流通・販売を行っている。


『リグルド商会は、腕の良い職人との専属契約により、他の店では実現出来ない高品質の武具を取り扱っております』

 そんな文言が、入り口横に貼付けられていた。


 開店直後だというのに、店には既に多くの冒険者の姿があった。

 それだけで、ユステルにおけるリグルド商会の人気が伺える。


「トール。靴の棚はこっちだぞ」

「う、うん」


 店内に置かれた大量の武具に目移りしつつ、透はエステルに引かれて靴の棚に向かう。

 その途中、


「――ッ!?」


 すれ違った女性の店員が透らを見て、僅かにぴょこんと飛び上がった。


(ん、なんだろう?)


 透は首を傾げながら、不安を抱いた。


(かなり大きな店だし、もしかしてブランド品店みたいに入店するのも資格が必要なのかな?)


 お店は、まるでホームセンターのように広かった。

 また品揃えも豊富だ。

 店内を眺めているだけで一日潰せそうである。


「ここからあそこまでが靴の棚だぞ」

「おー」


 しばし歩くと、やっと靴売場に到着した。


 様々な形の靴が、棚に綺麗に陳列されている。

 靴はすべてが冒険者や騎士など、戦闘を行う職業向けのものだった。

 いずれも作りががっちりしている。


 透が棚の端から1つずつ商品を確認する。


「わぁ……すごい。しっかりしてるなあ。何革なんだろう?」

「それはロックワーム革だな」

「あっ、これが噂の」


 以前エステルが剥ぎ取ろうとしたが、透がバラバラにしたせいで剥ぎ取れなかった素材だ。

 手触りはややゴツゴツしていて、透が指で押し込んでも変形しない。防御力バツグンだ。


「透はロックワームの革靴にするのか?」

「……いや」


 透は首を振る。これの元の姿を知っているため、購入しようとは思えなかった。


(いくら優れた素材とはいえ、元が芋虫だからなあ……)


 透らが靴を選んでいる時だった。


「失礼いたします。もしかして、エステル様でしょうか?」


 店員から声がかかった。

 店員は、先ほどぴょこんと飛び跳ねた人物だ。


(エステル……様?)


 店員の言葉に、透は眉根を寄せた。

 透はエアルガルドで、様という敬称を聞いたのはこれで二度目だ。


 一度目は、フィンリスの筆頭執事が領主を呼ぶときに付けていた。

 それ以外で、様という敬称を聞いたことがない。

 受付嬢のマリィも、透らを呼ぶときは「さん」付けだった。


 だから透は、店員がエステルに「様」を付けることに、強い引っかかりを覚えた。


 様付けで呼ばれた本人はというと、少し困惑した表情を浮かべて頷いた。


「……ああ」

「よかった! エステル様、大旦那様が首を長くしてお待ちになっておりました。さっ、奥へどうぞ」

「いや、私はただの客として来ただけで……」

「ささ、ささっ!」


 店員はエステルの言葉を聞かず、腕を掴んでグイグイ引っ張っていく。

 エステルが本気なら、店員を引き離すことくらい容易である。


 店員に抗わないのは、本気で嫌がっていないからか。


「トールぅ……」


 連れられるエステルから、悲痛な声が聞こえた。


 すっかり見送るつもりだった透は、「仕方ない」と嘆息し、エステルの後を追ったのだった。



 エステルが連れて来られたのは、カウンターの奥にある従業員用のバックルームだった。

 そこには、所狭しと武具の在庫が並べられている。


 お店に出ている商品の在庫がほとんどだ。

 しかし、中には店に出てない商品があるかもしれない。

 お得意様が望んだときだけに出す、特別な品だ。


(レアな装備はないかなあ?)


 透はバックルームをキョロキョロと見回す。

 時間とお店が許すのなら、こちらもすべてチェックしたい透だった。


 しばしバックルームを歩くと、店の一番奥の執務室にたどり着いた。


「失礼致します。大旦那様。エステル様をお連れ致しました」

「うむ。通せ」


 執務室から、重厚な声が響いた。

 その声を聞いて、透は反射的に背筋を伸ばす。


 それは、強い覇気が感じられる声だった。


 執務室に入ると、一番奥にある椅子に、やや小太りの壮年が座っていた。

 この男が、先ほどの声の持ち主だ。


 目元や口元には笑い皺が深く刻まれている。

 それだけを見れば、良い人なのだろうと誰しもが感じる。


 だが、表情と打って変わってその眼光は一際鋭い。

 この男。ただ者ではない。


 男がおもむろに椅子から立ち上がる。

 途端に、透の背筋が冷たくなった。


(なんだ。なにが起こる!?)


 透が警戒する中、男が口を開いた。


「え、エステルちゅわぁぁぁぁん!!

マガポケで連載中の「劣等人の魔剣使い」が木曜日に更新されました。

そちらも合せてご覧下さいませ。

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新作「『√悪役貴族 処刑回避から始まる覇王道』 を宜しくお願いいたします!
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