なぞる
沢山の傷口を身体と心に作り
私は生きている
自分を痛め付ける
人を痛め付ける
悲しいのに涙はでない
冷たい男さ
悲しむ心なんてさ…
遠い昔に無くしてしまったよ…
俺は人の優しさなんかいらない
同情もいらない
何もいらない…
イラナイ…
甘えたかった…
自分に…
支えて欲しかった…
沢山の人に甘えたかった…
だけなのかもしれない
否定される事で
自分の中の何かが弾けた…
もう誰も信じない
もう誰も頼らない…
そして私は人々から
憎まれ…
疎まれた…
別にいい…
自分で望んだ事だから
優しさは要らない
憎しみが欲しかった
憎まれ恨まれ…
もっと私を傷だらけにしてくれ…
叫んでいた
沢山の傷口を作り
心を砕き
人を寄せ付けない強さを求めた
そんな私に傷口をなぞってくれる人が現われた…
心の深く傷着いた傷まで
優しく…
とても優しく…
そっとなぞってくれた
貴方は一人じゃない
私が貴方の心を
「守る」と…
その時私の中の崩れた心が
パズルのピースの様に埋まっていった…
一つ一つ
バラバラになった心のパズルのピースを
貴女が拾い集めて
私が自分を傷付ける事を止めさせた
沢山の傷口を優しく優しくなぞって
私の心に寄り添ってくれた
未だに傷跡は残っている
でも新たな傷口はつけていない…
必死で止められるから…
二度と自分を傷つけさせないようにと…
私はもう傷口をつくらない
支えてくれる人が出来たから…
遠く…
遠くに住んでいる私の大切な人がいるから
大切な存在
私は貴女に救われた…
貴女が苦しい時には救いの手を差し延べよう…
貴女の心の傷も分ってあげられるのは私だけだから…
傷跡が残らない様に…
優しく優しく…
なぞってあげる