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『私メリーさん、今あなたの後ろにいるの』

作者: 鈴本耕太郎

「私メリーさん、今×××駅にいるの」


 初めはただのイタズラだと思った。

 メリーさんの都市伝説なんて、本気で信じていない。そもそも人形を捨てた記憶なんてないし、持っていた事もないのだ。自分の所に来る理由がない。


「私メリーさん、今駅前の本屋さんにいるの」


 しかし、こうして非通知からの着信が続くとさすがに嫌な気分になる。

 いや、よく考えてみれば非通知拒否の設定をしていたように思う。


「私メリーさん、今△△△スーパーにいるの」


 徐々に近づいて来る得体の知れない存在に恐怖が沸き上がり、スマートフォンの電源を切った。

 ――はずだった。


「私メリーさん、今あなたのお友達の〇〇ちゃんの家にいるの」


 それだけ言って再び切れた電話。

 背中を嫌な汗が流れた。〇〇は幼馴染の名前だ。慌てて○○へと電話をかけるが繋がらない。


「私メリーさん、今あなたの家の前にいるの」


 あっさりと訪れてしまったタイムリミット。

 都市伝説ではこの後どうなっただろうか。


 再び、電話が鳴った。


「私メリーさん、今あなたの後ろにいるの」


 果たして振り向いたらどうなるのだろうか。

 自然と喉が鳴った。

 身体に力が入らない。

 冬だというのに、嫌な汗が止まらない。

 

 振り向くべきではないと分かっているのに、その意思を無視して身体が勝手に動き出す。


 ああ、終わった。

 振り向いた俺の目の前に、可愛らしい少女が一人、真っ赤な何かを持って立っていた。









「私メリーさん、あなたにこれを届けに来たの。
















 〇〇ちゃんに手伝って貰ったの。















 手作りチョコ。















 本命なの」



  















 最高だった。

















 チョコもメリーも。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うわーん、こわかったーーー。でも、さいごさいこー。天才ですね。
2019/11/02 12:28 退会済み
管理
[一言] メリーさん…乙女(о´∀`о)
[一言] うん、コレは嬉しいね。
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