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01-06 剣術修行

結局、宝物庫では他に目星めぼしい物は見つからなかった。

できたことと言えば、父のコネで冒険者ギルドに無期限で“呪文スクロール求む!”の依頼をかけて貰ったくらいだった。


一緒に迷宮に潜ってくれる冒険者パーティーを探そうにも、成人していないケンジーは、冒険者登録すらできないのだった。



暇を持て余すことが増えた。

妹は、構ってもらえる時間が増えたと喜んでいたが、無為に時間が過ぎていくことに焦りを感じていた。


そんなケンジーに父は剣術修行を勧めた。



(まだ諦めてなかったのか…)



そう思いつつも、それもいいかと思い直す。



(魔法戦士ってのも異世界ものの定番だしな)

(それに剣で戦えればソロで迷宮に挑戦できるかもしれない)



そして戦士としての修業が始まる。

まず、5年も魔術師の修業を続けたケンジーには、戦士としての体を作ることから必要だった。



ある程度、体が出来てくると本格的な修練が始まった。

朝早く起き、まず走る。

戻ってきて剣の素振り。

朝食を取ったら型をなぞり。

昼食を取ったら、また走り。

父が戻ったら型を見て貰い、修正し。

父と打ち合い、型を実践し戦闘に耐えるように昇華させる。



呪文が増えることはなく、戦士としての実力だけが上がっていった。

ちなみに妹は、兄と遊ぶ時間が減った ―というか無くなった― と不機嫌だった。



    ♢♦♢♦♢♦♢♦    ♢♦♢♦♢♦♢♦    ♢♦♢♦♢♦♢♦



数年後。

成人の儀を半年後に控えたケンジーは、自宅の図書室にいた。

剣の修業も一段落し、一般教養のおさらいとして図書室の本を読み直していたのだ。

もちろん妹も隣で読書だ。ご機嫌なようで鼻歌混じりである。

そんな妹に苦笑しつつ、次の本を取りに本棚へ行くと、あの本が目に付いた。



「そういや、ここに仕舞ったっけなぁ、これ」



何気なく手に取ると…あっけなく開いた。



「…は!?」



あまりにも予想外だったので、ほうけてしまった。



「どういうことだ」



気を取り直し、本を覗き込む。

そこには、


様々な呪文が書きつづられていた。


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