彼女と影と俺
俺と美月の間に黒い影が見えた瞬間、美月が叫び声を上げた。
それと同時に謎の黒い影を謎の白い影が追い払った。
美月は下を向いて言葉無く泣いている美月に
「……美月、どうしたんだよ」
美月が俺を見る
「私が……わかるの?」
「……はあ? 美月は美月だろ」
「多助!!」
美月が飛びついてきた。
「多助……私……私……怖くて寂しくて……」
俺は黙って美月の頭を撫で続けた。
「……縁を切る影か」
美月の話を聞いた俺は正直安心した、母との仲は大丈夫だった。
「とりあえずうちにこい」
「……うん」
「ままー兄ちゃんが女連れ込んでるー」
「あらあら、多助も大胆になったわねー」
などとからかわれ赤面している美月と俺は部屋に入った。
「二人きりで部屋に入ったー」
「妹はほっとけよ」
「……うん」
それよりさっきから美月が俺の服から手を離さない、座りにくい。
「….…まあ座れよ」
「……うん」
座っても美月は俺の服を離さない。
「……で、どうする?」
「何が?」
「お前家に変えれねぇんだろ?」
「……ここじゃダメ?」
「…………」
美月が上目遣いで俺を見る、反則だ。
「わかった、とりあえずとまってけ」
「うん」
「わかったわ、今日は舞を多助の部屋に近づけないようにするわ」
母さんに話すと快く承諾、てか変な気まで使われた。
その後夕食で美月が質問攻めにあったり、妹が美月に妙に懐いたりと色々あって時刻は午後十一時だ。
「おやすみ」
「……いいの?」
「遠慮すな」
美月はベッドに俺は下にひいた布団にそれぞれ入った。