恋人の声が聞けない
琴花がぺんたちころおやしを追いかけて行って数週間が過ぎた、琴花は気合を出してないのだろうか。
俺と美月の関係はあれから少し変わった……はずなんだけど。
「おかけになった番号は……」
美月が電話に出ない、メールの返信も無い。
時計は午後九時を指している、美月が寝るには早すぎる時間だが……
「まあそんな事もあるか」
明後日の予定を変更したかっのだが
「まあ明日でいっか」
視点変更
あれから数人の人と話したが結果は同じだった。
しかしよく見てみると黒い影は横切ってるわけではなかった。
影はハサミのような形、相手と私の間に一瞬見える何かの線を切っていた。
そう、まるで縁を切るように。
「…………」
今私は公園にいる、もちろん一人で。
さっきから多助から何度もメールがきているが返信はしていない。
メールでも電話でも話すだけで縁を切られそうで怖い。
「多助……」
それでも多助に会いたいと思うのはわがままだろうか。
好きな歌手の歌が携帯から流れる、表示名は多助。
「…………」
私は携帯を手にとり、電源を消した。