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エピローグ

翌日の朝、親にばれないように森岡さんは外に出た。

「ところで二人とも学校はどうしてたんだ?」

「テスト休み……あ」

俺と美月は同時に声を上げた

「レポート……」

テスト休みと言えど休ましてくれないのが学校だ、宿題は普通に出ている。

「美月、今日の昼俺の家に集合」

「わかった」

「渡里さんよ、家族との仲は良好かい?」

美月は不思議そうな顔をして頷いて気づいたように俺を睨む

「縁切り身切りを倒す為に必要だったから」

「本当?」

「本当だから」

本当だからその怖い顔をやめてください。

「良好ならもう縁切り身切りが憑く事はほとんど無いだろ」

「そうなんですか?」

美月が視線を森岡さんに移す、助かった。

「ああ、妖怪ってのは誰にでも憑けるわけじゃねぇ」

森岡さんは咳払いをして

「例えばぺんたちころおやしなら親しくしたい人との仲が悪い人に、縁切り身切りのなら縁を切りたいほどの人ないる人にしか憑けない」

でも、と俺は切り出した

「ぺんたちころおやしはともかく縁切り身切りはわかりません、縁切り身切りに憑かれたとき美月は縁を切りたいとは思ってなかったはずです」

そう言って美月を見る、美月はすぐに頷いた。

「あーそれたまにあるんだよ、以前条件を満たしてから憑いてしまうって事が、運が悪かったな」

「運……ですか」

「ああ運だ、まあ」

森岡さんは白猫をちらっとみて

「その不運も意味があるのかもしれないがな」

美月は首を傾げて

「それは物事には全て意味があるって事ですか?」

「ま、そんな所だな」

森岡さんは白猫を抱き上げ後ろを向いて

「そら猫さんよ、ご主人のお帰りだ」

俺と美月は同時に顔を合わせる

「ご主人……って」

森岡さんがこっちを向いて言う

「そ、音娘神社に祀られし猫妖怪様のお帰りだ」

そう言って森岡さんが見た方向から猫耳を生やしたお調子者が笑顔で走って来た。


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