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綺麗な川で蟹とあう
琴花がぺんたちころおやしを追いかけて行って数週間が過ぎた、琴花はどうしているだろうか。
私と多助はあれから少し変わった。
二人で出かける回数も増えたし、お互いの家に行く事も増えた。
明後日の土曜日には二人で琴花のいた神社の掃除をする予定。
かんかん照りの中鼻歌を歌いながら気まぐれに散歩をしていると綺麗な川を見つけた。
「……ちょうどいい」
あまりにも綺麗なので私は川の水をすくって顔を洗った、冷たくて気持ちいい。
「…………?」
何かが手に乗っている感触がした。
恐る恐る手をみるとそこには小さな蟹がいた。
「かわいい……いたっ!」
蟹に指を挟まれた、慌てて手を振り回すと蟹は川に飛んでいった。
「いたいー……」
指からは血が出ていた。