俺の生きた道
いつもと違う感じの作品です、元々不慣れなのに、更に拍車をかけ未熟ですが読んでいただけると幸いですm(__)m
…何故だろう、
俺の喉元にナイフが突き付けられているのは、
俺は普通に散歩をしていただけなのに、
後ろから、いきなり…
相手は殺人鬼なのだろうか、
今は夏の二時、一般に深夜と呼ばれる時間帯の閑静な住宅地、
誰かが来る確率は零に均しい…
つまり、絶体絶命、
生き残る術は…何とか話して切り抜けるしかない…か、
俺は意を決して話し掛ける、
「な・何の用だ」俺の裏返った声から一拍子あけて、声が返ってきた、
その声は意外に、澄み渡った、綺麗な、女の声だった、
「組織の方面支部を言え、命だけは助けてやる」
「…は?」
「だから、組織の事を吐け!
」…?何の事だ?組織?
俺に組織に属したことなど無い、
勿論命を狙われる理由など思いつかない、
「ちょっと待て、組織?何の事だ?」
女が驚いている、気がした、
相手の顔は見えないのだが、
「嘘を付くな!その服は組織の…」
…俺の恰好は普通のジーパンにちょっと変わった柄のTシャツ…
まぁ、至って普通の恰好だと思うが…
…
「すまん、人違いだ」
そう言って彼女はナイフをおろした、
ここで俺はようやく安堵し、後ろを振り返った、
…そこには、迷彩柄の服の、言葉では現せないくらい、とても綺麗な、女性がこちらを向いて佇んでいた、
「悪かった」
そう、彼女は謝り、頭を垂れた、
…彼女の後ろに、何かおかしな連中が見えるのだが…
距離は遠い、数は十人程度か、
「それは良いんだが…、後ろに変なやつらが見えるのだが」
彼女が慌てて振り返った、
…さっきまで、疑っていた俺に対して無防備過ぎないだろうか?
…
彼女の顔が、引き吊った気がする、
…?
後ろのやつらが何故か走り出した、
正直気味が悪い、
…同時に、彼女が急に走り始めた、
それに後ろのやつらがよく見えるようになってきた、
やつらは俺のTシャツによく似た服を着て、各々拳銃を持っていた、
…拳銃?
それに俺と似た服を着ている…
…どこからか、タイヤが破裂する、音が断続的に聞こえる、
ヒュン、ヒュン、と、風を斬るような音がする、
後ろではやつらが黒光りする物体を握り締めている、
…はっ?
とにかく、よくわからないがやばい、
俺が狙われる理由など思いつかない、
じゃあ、狙われてるのは彼女か?
…わからん、
とにかくわかるのは危ない、と言うことと、
彼女が何か知っている、と言うこと、
…
んなこと考える暇あったらはよ逃げろや!
と、俺の本能(?)がつっこむ、
…もっともだ、
自分の考えに納得しながら、
「お、おい、ちょっと待てよ」
と俺は彼女に声を発しながら追い掛けた、
…
ハァ、ハァ、ハァ、
疲れた…
フルマラソン走った以上の疲労感、
アイアンマンレースよりはマシか、
…まぁ、走ったことは無いのだが、
とにかく、疲れた、
とりあえず、やつらはふり切った、ハズだ、
つーか、もう走れん!
…彼女は何処だ?
さっきまで前にいたと思うのだが、
前後左右を確認してみるが、いない、
…もう、逃げたのか?
俺は、少しがっかりしたような、安堵したような、よくわからない感情に苛まれた、
…ガツン
急に後頭部に衝撃が走る、
意識が跳びそうなくらい痛い…正直泣きそうだ、
とりあえず、頭を襲った物体を確認してみる、
…
ジュース?
そこには某コーラで有名な会社の人気スポーツドリンクが落ちている、
…缶がかなり凹んでいるのは気のせいだろう、
「缶くらいちゃんと受けとれ」
そこには彼女がジュースを持って立っていた、
「いや…普通後ろから投げられたら…」
「うるさい!」
俺の弱々しい声が一喝されてしまった…
正直恐い…
何故彼女は怒っているのだろう、
と、それより聞かなければいけないことがあったんだった、
「なぁ、あいつら誰だったんだ?」
まぁ、俺だって危なかったんだ、聞く権利くらいあるだろう、
「知らない方がいい」
…俺に権利は無いんですか?
「いや、俺だってあぶな…」
「知らない方がいい」
有無を言わせずですか?
「じゃあな」
そう、彼女は呟き、スポーツドリンクを飲み干し、歩いていってしまった、
「ちょっと…」
俺は彼女を追い掛けたが、彼女はまるで煙のように消えていた、
あれから数日が経った、日常は続いている、
大規模な発砲事件が起こったにも関わらず、警察が動いている気配は無く、うやむやになっている、
一体、あれは何だったのだろうか、
もう、夢では無いと言う証拠は、凹んだ缶が一つだけ、
だが、ある晩、日常は消え去ろうとしていた、
また、俺の首には、ナイフが突き付けられている、
前回と違うのは、彼女では無いと言うこと、
ただ低い男の声で、
「動くな」
と、言われ、そのまま、車で拉致られた、
…某北の国にでもつれ去られるのだろうか…
んなことないか…
いや、しかし…
「降りろ」
と、よくわからない葛藤をしている間に何処かについたらしい、
俺は渋々車を降りた、
そこで、俺の後頭部に鋭い衝撃が走り、意識が、何処かに去ってしまった、
…痛い、手足が縛られている感覚がある、
何となく、椅子に縛られているような…
うん、気のせいだ、
決して前に自動小銃を持ったおっさんが見えるなんてことはない、
映画で見るような拷問部屋なんてことはない、
ああ、まだ夢の中なんだ!
そうか、じゃあ…
「早く起きろ!」
ガン!
…銃で殴られた、
目から水が出てきた…
ぜ…絶対に涙じゃない!
俺は病気なんだ、銃で殴られたら目から水が出る不治の病なんだ…
ガン!
俺の考えを吹き飛ばすようにまた、銃で殴られた…
い・痛い…
だから俺は病なん…
ガン!
だから…
ガン!
このおっさんは人の考えがわかるのだろうか…
ガン!
「おっさんじゃねぇ!」
やっぱり読めるみたいだ…
それよりも…
絶対、おっさんはサド…だよなぁ…
ガン!
…だから俺は病なん…
ああ…三途の河と対岸に花畑が見えるよ…パトラッシュ…
こうして、
本日2度目の、
意識が、
消えていった、
…本日なのか?
…目覚めると目の前におっさんの顔があった、
正直気味のいいものではない…
つーか、気味悪い…
「お前に聞きたいことがある」
今更かよ!今まで散々殴った癖に…
「何か言ったか!」
「あ、いえ、すみません」
…やっぱり読めるのか…
ん?もしかしたら俺は気付かないうちに喋ってたのか?
…ありうる…
「そんなことより、あの女は何処だ!」
やっぱり、あのことですか、
と言うかほかに思いつかん、
つーか、知らん、こっちが聞きたい、
と言いたいけど言えない気弱な俺、
「あのー…知らないんですけど…」
「嘘つくな!一緒に逃げてただろ!」
ガン!ガン!ガン!
…もぅ、勘弁してください…
そうして、また、意識が、逃げ出した、
俺ってひ弱だなぁ…と、薄れゆく意識の中で、感じた…
明日からジム行こうかな?
…あっ、無理か…
…ぉぃ!、おい!
起きたくない、もう、あのおっさんの顔は見飽きた、
「…良い度胸だな」
…はぅ!この声は…
おそるおそる目を開けると、そこには彼女がいた、
あいかわらず恐い…
…よく見るとあのおっさんがのびている、
彼女がやったのだろうか?
すげぇ、尊敬する、
「何ジロジロ見てんの」
…うん、自分でも気付かないうちに見ていたらしい、
「だから、何ジロジロ見てんの」
ドゴッ
殴られた、何だか最近周りの人がすごく凶暴化している気がする…
そんなオーラ出してるのかなぁ…
エムのオーラ?凄いイヤだなぁ…
…?
何か縄がない?
いつのまに?
「あんたがぶつぶつ喋ってる間に切った」
…やっぱり呟いてたらしい、
以後反省…か?
多分無理だ…
「とにかく、逃げるぞ」
…まぁ、正論だ、
有無を言わさず、と言う感じだ、
沢山質問したいことはあるんだが…多分彼女は聞き入れてはくれないだろう、
それは直感でわかる、
つーか、彼女のオーラが見える、
こんなの初めてだ…
人のオーラが見えるなんて、つーか黒いよ…オーラが、
なんだか彼女の周りが歪んでいる気さえする…
…いつのまにか彼女がいないのだが?
「早く逃げるよ!」
何処かから怒鳴られた、
うん、やっぱり恐い、
とにかく追い掛けよう、
牢を出てすぐ右に階段が見える、
左は壁、
階段からは光が射している、ここは地下なのだろう、
とにかく俺は階段を登った、
…なげぇよ!
誰だよこんな階段作ったやつは!
つかれる、
階段は百段はある、と思う、
ハァ…何とか、階段を登りきった、
もう、無理だ…
死ぬ、いっそ殺せ…
いや、やっぱり殺さないでくれ、
まだ、若いつもりだ、
つーか、俺って何歳だっけ?
何とか階段を登りきった所に誰かがいる、
ま・眩しい…
「遅い」
とにかく彼女はご立腹みたいだ、
無理だ、やっぱり明日からジムに通おう、
無理だ、金がない、
うん、金は大切だな、
仕方ない、ギャンブルから始めるか、
「ギャンブルはやめとけ、身を滅ぼすぞ」
「それより早く逃げましょう」
うん、間違いなく正論だ、
敬語が哀愁を感じるが…
…バコッ!
また、殴られた、もう、いいや…
いつのまにか彼女が走り出していた、
とにかく俺は必死で追い掛ける、
彼女早ぇーな、
つーか、ここ何処なんだ?
…何か病院みたいな…
…廃病院な感じ…
明かりは辛うじてついてるが、
それが余計に不気味だ、
…いや、多分消えてた方が不気味だ、
とにかく走るが彼女以外誰も見えん、
逆に恐い、
恐すぎる、
あのおっさんしかいなかったのか?
つーかあのおっさん誰なんだ?
なんで殴られたんだ?俺?
何だか無性にあのおっさん殴りたくなってきた…
ドゴッ!
走りながら横の壁を殴ってみる、
おおすげぇ!
壁に穴が開いた、
「馬鹿やってないで早く逃げるぞ!」
前で彼女が呆れたような顔付きで睨んでいる、
うん、かわいいと思う、
「早く行くぞ」
そういって彼女がつかつかと歩いてくる、
パン!
乾いた音が響く、
ドサッ…
彼女が倒れた、
「おい!どうした!」
パン!パン!
悲しくも寂しい音が俺に向けて響く、
「う…」
俺の足に一発命中した、
だが、そんなことは構ってられない、
何とか彼女の元にたどり着き、彼女を横にあった部屋に引っ張る、
彼女は胸を撃たれており、もう、素人目に見ても手の施しようはなさそうだ、
「ハァ、ハァ、…私は、もう、ダメだ、早く、逃げろ、」
「俺に…」
「…そうだ、まだ、名前を、言ってなかった、私の名は…」
俺の答えを遮るように彼女が言った、そして息絶えた、
俺は、別に彼女の家族ではない、恋人でも、友人でさえない、言ってしまえば赤の他人だ、
ただ、悲しかった、
ぽっかりと胸に穴が開いたような気がした、
だから俺は、彼女を撃ったやつに向かって行った、
足を引きずりながら…
肩、腕、足、腹、色んな所が撃たれた、
もう、感覚さえない、
だが、まだ、生きている、
俺は這ってやつの元に向かう、
まだ、生きている、
しかし、俺の執念にも終止符が打たれた、
頭蓋骨を鉛が貫通する感覚がある、
俺は死ぬ、
その事実は変えようがない、
だが俺は後悔はしない、
人はいずれ死ぬのだ、
早いか、遅いかの違いだけ、
問題は生きた内容だから、
俺は、後悔しない、
馬鹿なやつだ、と、聞いたものは笑うだろう、あるいは泣いてくれる人もいるかもしれない、
俺は後悔はしない、
自己満足だろうがなんだろうが…
彼女、カスミのために死ねたのだから
このつまらない上に半端に長い作品を最後まで読んでいただきありがとうございますm(__)m感謝感激です!




