二十一章 足掻ける意味とは
その時の始まりは、静寂の中から溢れた風の声。
ただ止まったまま理不尽の象徴の言葉を聞いた男は、嫌だと叫んだ、嫌だ、そんな事をしてなるものかと、ただ悲鳴のようにそんな言葉を叫んでいた。
だと言うのに、その声と共に母と呼んだ相手の首を彼は切り落としたのだ。がたんとまるで足を引っこ抜かれたように地面に正座をしたそれは、よくそのまま倒れなかったと思うが、それはこのまま手に抱いた息子を地面に叩き付けない様にとする母の優しさだったのだろう。
そのまま固まった母の姿に何の感情を示す事も無いままに、ただ狂ったように拒否の感情をあらわにしながら、返す刃で弟の首を切り落とす。痛みすら感じることなく死ねただろう神技の二振りは、いとも容易く家族を絶命させた。
半狂乱の悲鳴を上げながら、目を丸くする様に彼に命じた少女は、驚いていた。
「心が痛むな流石に、とりあえず君の覚悟は見届けたよ。これ以上は私に見られるのも酷だろう、先ほども言ったと思うけれど、己の役割を果たしてくれればいいからごめんね」
幼子さえも容易く刈り取った騎士に向けて告げたのはそんな言葉だ。
悲鳴と共に出された剣の冴えに気付きもせず、と言うよりも自分の行わせた罪悪感にとらわれて視線を外してしまったのが原因だろう。
彼女だって人の子だ、今起きた事が自分から起因する事である事ぐらいわかっていた。その心の傷みもあったのだろう、そして最後の一人を殺す彼の声を聞きたくなかった。
削れるのだ心が、痛みがまるで心臓を掻き毟る様に広がって、喉奥から悲鳴というかたちで吐き出されそうなほどに、慙愧に耐えぬその声は、彼女の心に傷を付けていた。
これを自分がしなければならなかったと考えると、一瞬ほっとした自分がいることに彼女は気付けなかった。その騎士に一瞬の感謝を、そして何よりも謝罪を、このとき彼女は決意した、犠牲はあれだけだと。
だがそれは後悔という形でしか現れる事は無い。
これ以上見たくなかった陰惨な光景から目を逸らすと明朝また現れると一言だけ告げると、姿を完全に消していた。
もしかすると本能的に彼女は嗅ぎ取ってしまったのかもしれない。ここで行われる事になる悲劇を、その発言が自分から溢れたものだと言う事を確信しないために。しかし彼女は完璧ではなく潔白なだけ、完了であっても完成ではなく、ただひたすらの純粋というだけだ。
彼女を汚さない為に人が動く、ただ彼女の手を汚させない為に動くのだ。
全て彼女がするべきことだった、貴族郎党の死はいい、だがそれを拒否して牙を剥いた男爵家を皆殺しにするのは彼女の役割だった。
手を下さなかったとしても、命令と言う形でそれを行う筈だったと言うのに、彼女は何一つ手を汚さなかった、ただ誰かにそれを肩代わりさせていた。
彼女は悪くない、確かに悪くないのだ。だからそれが悪い、そして最後には目を逸らしてしまった。
自分のために代替物の悲鳴を、仕方なしと武器を振るったと思ったのだろう。拒絶の感情をあらわにしながら、それでも殺したその騎士が本当に武器を振るいたかったなど、聞く必要もないほどにわかりやすい。
死んだとしてもそんな剣を彼は振るいたくなかったのだ。
だと言うのに彼は振り下ろした、切り裂いた、ことんと転がる首たちがその証明行為だ。彼はただ、純真無垢な少女を汚さない為に壊れた。
つまりはそういう結末なのだ、例えば妹の首を切り裂いて正気を取り戻した男は、自分の意思で、アイシャと言う存在を汚さない為に家族を殺したのだ。
だから悲鳴が耐えない、嫌だ嫌だと、止めてくれなんて言葉が当たり前のように口から吐き出されて、自然な光景のように響いていた。正気を取り戻しても彼の体は妹を殺す事にためらいなど無いように、数ミリずつ首に食い込んで行く。
「動くなよ、とまれ、なんで体が動かない。嫌だ、こんなのあってたまる嫌だ、嫌だ、なんでなんでなんで」
響く声は日増しに荒くなり、喉が枯れたのかしゃがれた様な声になる。
それでも叫んで体を無理矢理に動かそうと何度も必死になった。意味が無い、はっきり言おうただのそれは拷問だ、どちらにとっても、心を削り命を削る。
悲鳴と言う悲鳴を混じらせても、何一つ変えることは出来ない。ただ彼は否定を繰り返し妹の苦痛を延ばして殺すだけだ。
「大丈夫だ、絶対に助ける、だからだから。だから、動くな、とまれよ、止まれ」
彼だってもう理解しているのだ、首を半ばまで切り裂かれれば、もう回復魔法を使っても呼吸不全などの障害を起こす。なにより彼は、覇王より受け継いだ膨大な魔力全てを剣に転化させた。
自身の身体蘇生などは出来ても、他者に対しては出来ないのだ。既に彼は魔法を使えない、そういう風に作り上げてしまった。もし彼が魔法を使えたのなら話は変わっていただろう。
「なんで動くんだよ、何一つしたくないのに、なんでこうなるんだ。なんで、大切なのに、ここが俺の全てなのに、なんでなんで」
もしかしたら副作用も無く蘇生できたかもしれない。
だが救えないのだ彼には、魔力を剣に転化すれば、本来の身体能力を超えるなどの様々な恩恵がある代わりに、生涯魔法が使えなくなる事を代償とする。そこまでして彼は剣を突き詰めようとしていた。
きっとこれだけは答えてくれるからと、だが結果は違った。
「自分で、自分で奪わなきゃ生けないんだ」
助けたいその命を自ら切り落とす、無理矢理魔法を使えば救えると、ありもしない幻想を必死に頭に思い浮かべながら、優しい優しいお兄様の笑顔を貼り付けて、誰よりも残酷に死を表現している。
切れ味が良いとは言いがたい彼の剣だ、しかも心の動揺が拒否の勘定と共に鋭さを鈍らせ、骨半ばで止まった刃が彼女の骨を削るように動いている。ゴリゴリと、手に伝わる感触は硬いと言う感覚だけを如実に残しながら、それが彼の心に刻み付けられ続ける。
「止めてくれ誰でも良いんだ、俺を殺してくれ、頼むから殺してくれ、誰か、誰か、お願いだから、もう嫌だ、こんな事あって良い筈、ないんだ」
これから後、無様を極めた剣の末に妹を殺そうとしている時と同じ事を自分にする事になるが、彼はそのことを思い出せただろうか。もう声さえ聞こえない妹、死んでしまったのだろう、それで彼は首を切り落とす事を止めなかった。
彼女の眼球からこぼれる涙は、優しささえないなんで私をと言う疑問に彩られた漆黒、なんでと言うだけの糾弾の眼だ。それに晒されながら彼は止めない、無様に切り落とす。
「だから……だ、から、殺してくれよ、早く殺してくれ」
その声を見る無機質な瞳達、監視するように彼らはその光景をじっと見ていた。
正気に戻った筈なのに、彼らはまた同じ事を繰り返す。ただ殺される姿を、殺してくれと願う男がその責務を全うする事を、誰かの代わりに行う。
これは全てある少女が行わなければ生けなかった事だ。本来、この役目は一人の反乱鎮圧の為の長がするべき物であった。
「死ねば止まるんだ、だから、俺を殺してくれ、舌も噛み切れない、ただここで止めるのが精一杯なんだ、ただ首を切るだけでいい、心臓を抉るだけでいい、殺してくれ、息の根を止めてくれ、こんな何も出来ない命はいらないんだ」
心を消して、全ての首を跳ね飛ばす。
そして領主に向かって刃を向けた者達の首を跳ねる。それが彼女の義務だった、だが代わりをやり遂げたものが叫んだ声は、なにより悲痛な自殺願望。
「俺を領主のままで殺してくれ、じゃないと、じゃないと」
自分の責務を全うしてしまう。
だがその声は出せなかった、一つの風の声が、殺してと嘆く男の言葉を殺した。
「い、……た、ぁ…………ぃ、ょ、……お……ぃ……ま」
生きていたその声は、彼の嘆きを殺した。感情における絶望を含めて彼は、薄刃のように削れ果てた精神のまま、決意をするしかなかった。
拒絶する感情が消える。たち足掻こうとする全ての剣の感情が、そこで折れてしまう。
彼は妹を救わなかったのじゃない、苦しめいていただけだった。実の妹の為に彼は、ただ苦しめていた、大切なもう一人の存在を、糾弾の筈の瞳は柔らかく彼を見る。
なんで泣いてるのと、不思議そうな顔で、今にも死にそうな顔で、彼女は彼を心配しながら痛みに呻いた。
「ははは、はは、自己満足の結果がこれか」
彼は諦めるしかなかった。精神の陵辱に対して悲鳴を上げながら、それに逆らって、そして受け入れて、自分で殺すと決めるしかなかった。
このあとに自分のしでかす事を分っていながら。彼は殺す事を決めなくてはいけない、どれだけ報われなくても彼はそれを認めなければいけない。
「苦しめるだけ苦しめて、殺す為に殺して、奪うだけ奪って、誰一人も守れずに」
自分は、ここにいる全ての大切な存在を、諦める事しか出来ない事を、絶望だけを受け入れるしかない事を、理解するしかなかった。
足掻こうとも、殺すのだ彼は全て。
ならせめて、痛みは無く、一瞬の絶命を、苦しみ無き永劫の眠りを与える事しか出来ない。
「俺は何にも救えないのか」
ただそれだけの事を、彼は認めて、諦めを振るうしかなかった。
痛みに呻いた声が、正気を取り戻させた。ただ殺してくれと願ったところで、時分を救う術でしかない。
彼がするべきことは、自分を殺して、相手も殺す、きっとこの時に彼の全ては決まってしまったのだろう。
確かにあった柱が亀裂を帯び、自分で納得した言葉によって壊れた。
全てが真っ白になって、どこからか呻く人の声が、自分の声だったと彼は気付いただろうか。
果てから響くその音は、残響さえ残さず新たな彼を作り上げる。心が壊れてしまった、彼がそれを決意するには、それだけの代償が必要だったのだ。
だからきっとそれは彼の産声、初めて母の胎から出てきた赤子の最初の一息。
おぎゃあと鳴いたその声はまるで唸るような声で、誰が出したのかも当人がわからなかったほど、遠くから響いてきたノイズだ。決めた事、その連なりの中で彼は、目の前に存在を優しく見る。
今から起こる事を、ただの惨劇に変えるために、魚眼から除く視線の果てにある人の心はきっとそれには気付けないだろう。この世に悪意が生まれた瞬間を、人は気付けずにいるだろう。
泣き喚くように響いた決意の悲鳴、地を鳴らすのではなく人の心をかどわかす声だ。
無様に研ぎ澄まされた剣にさえ真を入れ、ようやく出来たその行為に対する絶望を、声に出して吐きながら刃筋を立てた。
「お前に殺させてたまるか、全部おれの罪でいい。俺の意思で殺して俺が殺す、もう決めた、全部決めてやった」
全て嫌だった、流されるように殺す事も、自分の意思で殺す事も、それでも選ばなくてはいけなかった。
それ以外の選択肢が無かった、どれだけ望んでも望まなくても彼は、ここにある全てを殺す。責務とはそういうものだ、彼は領主であり、逆らう領民に対して弱気であるわけには行かない。
だから殺そうとする領民全てを彼はきっと殺すのだ。
そうやって固めた決意でも、きっとこれから行う事全てに彼は絶望する。それをやり遂げてしまう自分に殺意を抱くだろう。
これより先、彼は壊れて砕ける、ただ一つを復讐と言う柱を構築してもなお、ひび割れた精神は、二度と元の形に戻る事は無い。
「俺が殺す、だから恨んでくれ、呪ってくれ、殺してくれ、全部受け入れるから」
刃が大切な家族を切り落とす。一瞬本当に剣が動いたのか分らなかった、ただすっと剣が首を通り過ぎただけ、切る事が当たり前のように自然に動いたそれは、本当に人を切ったのかすら分らない。
だが地面に転がった首だけは嘘をつかない。
「いつか俺を殺してくれ」
優しく笑って逝った彼女は一体何を思ったのだろう。苦しめるだけ苦しめて殺した、自分にとってはもう一人の妹、かたや一人は今から行う事を彼に強いる妹、自分にあった全てを略奪し続けるそれは、最後には彼の心さえも奪い去った。
そうやって沸いた気持ち、だがそれが表面化するのには時間が掛かった。
金属の悲鳴が響く、鎧に刃物が叩きつけられた音だったが、彼にはまだ仕事が残っていた。そしてこのときだ彼の剣が一度完成を向かえたのは、彼の剣は奇怪だ、苦しめない様に命を絶つ、そのためだけに作り上げた剣は、首を跳ねるという機能を極めた代物。
片手になってもその骨子だけ外れないのだろう、その完成の代償は千五百人と言う領民の血だ。
武器とも言えない農具で攻撃してきた領民達、彼らが次の攻撃を加える間に首は落ちていく。
「逃げろ、逃げ出してくれ、家族の弔いをしたいんだ。そうでないと、みんな処断してしまう今の俺は、体が思うように動かないんだ。だから逃げ出してくれ」
ごめんなさいと、魚眼から覗くその視線たちに向かって誤った。
襲い掛かるもの達に、殺してごめんなさいと謝るだけ謝って、彼は全てを過ちながら、当たり前の様に首を跳ね尽くす。
感情を消し去り、ただ草を刈るように淡々と、だが皮肉な事にそれが彼の剣を練磨させた、苦しみも無く易く殺す為に、彼の剣は飛躍を向かえていた。
無言のままに振るわれる領民と彼の剣は、肉を断つ音さえなくただ転がる首の音を響かせていた。
だがそんなのも少しの間だけ、ポツリと彼は呟いた。誰に伝わらない言葉だろう、彼はそれでも言葉を響かせようとしていた。その声は押し殺したようで誰にも響かない、ただかすれた悲鳴のように、何度も口が同じ動きをしていただけ。
たった三文字の言葉、それだけで、彼にとってはなにより重くて、本心でもあった。
その声はどれだけ音がなくなっても響かない、届く術を持たない彼だけの声。無音と言っても変わらない世界で、彼の声は誰にも届かず消え失せていく。
きっとこの時に彼の終端は決まってしまったのだろう。
切っ先の先にしか人がいない、彼の関係は常に死体か敵か妹だけ、なんて悪夢だろう、そしてその結末を自身で作り上げる彼の声は、いやだというただ三文字の拒絶だけだった。
それでも彼にはこれしかなかった。ただからだが動くように人を殺すのが嫌だった、大切だと思ったものを、自分の石とも関係ない代償行為のために失わせたく無くて、殺すと言う最悪の決意を自分に突きつける。
そのことを嫌だと拒絶して、結局どうにでもなるものでもなく。
流されずに自分で殺す、決意を歪めず大切なものに殺意を向ける。これがニーイロスという貴族の最後の領主が行う事なのだ。
それが貴族として行う責務は、領民の処断である。
死にたくて仕方ないだろう。殺して、殺しつくして、残るもなんて殺戮の果ての剣の練磨、そしてこの剣の結末は、決まっているのだ。
人を殺すたびに強くなる、だが心はそのたびに壊れていった。
反比例する心と強さは、殺戮の結末を作り上げる。それこそが剣の終着点、軌跡再現だ。だが彼がそれを最後まで厭うのは仕方の無い話だろう。
欲しくない、過去を引き連れる剣など彼にとっては悪夢でしかない。
なにより妹に敗北する事が分っている剣が、復讐者にとって価値があるわけも無い。ここで完成した一つの成果は、彼にっては罪の象徴だ。
そしてもう一つの結果、血の川が流れていました。ころころと人の頭が転がっていました。自殺を願う人間達が必死になって、血塗れの騎士に襲い掛かっていました。
何かが響いていたけれど、何かはさっぱり分りません。ただ丹念に人が殺されていくのです。
流れる流血が地面にすら吸われる流れるように、小川を作って流れ出す。その全てが彼が奪った象徴、これからの未来にこの川はなくなるのだろう。だが人の記憶に刻み付けられる川だ、誰の記憶にも鮮明に残ってしまう、消えない川だ。
何もかもが終わっていく象徴は、血の流れる川によって消えないものとなる。残るのは心の中だけで、僅かな数の人だけだろう。その結末の最後まで見届けられたものなど一人しかいない、そんな川の源流は、三文字を紡ぎ心を壊し続けた。
その日の夜、何もかもが奪われた。
彼にとっても、彼らにとっても、見渡す限りの死体の惨劇は、全てを奪い去った一人と、全て奪われた一人の後悔の象徴でしかなかった。
何一つ残らなかった、全てを殺してようやく体が動くようになった事に気付くと、自分の心臓に剣を突き立てたかった。
こんな辛い思いなどしたい筈が無い。なのに彼はそれが出来なかった、自分の意思で殺した死体、殺してくれる存在全てを殺した彼は、復讐さえしてもらえない存在となった。根元をたったのだ、当然の事とは言え、自分の繋がりがもはや一つしかなくなっていた事に気付けただろうか。
気付いたとしても変わらないだろう。
「もういいよな」
彼のすることにもはや変わりは無いのだから。
心に秘めた慟哭も、感情の全てを耐える理由などもはや存在しない。頑張ろうと決めた決意は壊れて消えて、自分の成し遂げた事を思い出すと、生きている事さえ辛くなる。
「我慢なんてもうしなくても良いんだよな」
声が強くなる、まるでなめるようにその言葉を舌で堪能しているようで、酷く粘性に帯びた声であった。
彼は我慢していた、一度爆発した事もあったがそれでも我慢し続けていたのだ。
気付かないだろう彼は、自分の今の表情を、耐えることなんて知らないだらしなく歪んだ表情、それをきっと人は笑顔と言うのだ。
「あいつを殺していいんだよな」
ためていた全てが一言にこめられて吐き出された。
決意じゃない、彼の新たな生き方が決まった瞬間だ。
もう殺そう、さあ殺そう、呼吸をする事が、笑顔でいることが、泣ける事が、怒る事が、悲しむ事が、苦しむ事が、生きているあらゆる行動が出来る限り、彼は彼女が許せない。
死ねる事が出来るから許せない、自分で死ぬと言う選択肢があるから許せない、自分に殺されると言う選択肢があるから許せない。
彼は全てが許せなかった。殺してやると、一つ呟けば何もかもが解決した。
彼には何も残らなくなるぐらいに、容易く解決したのだ。まだ人々の命を刈り取った重さを残す剣を深く握る。
そしてゆっくりと視線を動かした先には、彼女が座す本営があるのだ。彼はそこに向けてゆっくりと歩き出した。
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