表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔道具使いの成り上がり~追放された魔道具使いが始祖龍を倒すまで~  作者: えーけす


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

第一章プロローグ『追放』


 結論から言おう。

 『魔道具使い』であるレオン・シグルドはパーティーから追放された。


 それに至るまで紆余曲折あったわけだが、それはどうでもいい話だ。


 重要なのはたった一つ。


 その『魔道具使い』レオン・シグルドが、世界を蝕む病原菌となった『始祖龍』を倒すまでに成り上がること。


 それだけだ。


 だがそれは未来の話。今の彼はと言うと、単独でダンジョンに潜って、オスゴブリンに襲われそうになっている(性的な意味)で。


 未来を見るもの(そう!! この私こそ偉大なる魔法使いにして!! 至高の予言者!! パンドラ・オーレリウス・アストレア・クロノス・ヴォルガ・ハイエログリフ・エグゼクティヴ・ラストエンペラー・オブ・ジ・エンド・オブラビリンス・ドーン・イグニール・ルシフェル・ゼウス・パンドラ)からしても、この男が『始祖龍』を倒すとは思えないが…


 まぁ信じてみよう。『魔道具使い」レオン・シグルドを。



  ――青年が走る


 「こっちに来るな!!」


 地面を蹴り上げ、モンスターにしかいない薄暗い部屋に人間の足音を響かせる。


 「はぁはぁ、どうしてこんな目に・・・」


 大量のモンスターの集団に追われる中、青年は自らの不運を恨む。


 「な、何で! 俺がオスゴブリンに狙われるんだよ!?」


 背後に迫る大量のオスゴブリン、それをチラッと見ながら青年は叫ぶ。その魂の叫びは反響して部屋全体に響く。


 『ダンジョン』、『世界の傷』と呼ばれる迷宮は、人類の敵であるモンスターの巣窟だ。


 モンスターが落とす『魔石』や『ドロップアイテム』、それを得て一攫千金を目指す『冒険者』は少なくない。現に青年も一攫千金を目指す『冒険者』だ。しかし――、


 「せめて追われるならメスゴブリンが良かった!!」


 ボロボロな衣服を着るオスゴブリンの微かに見えるポコチン、それを見て青年は涙を浮かべる。ゴブリンの軍勢は目をハートにしながら青年のことを見ている。


 誰がゴブリンに襲われると分かっていて『ダンジョン』に潜るものか。


 一部のニッチな界隈では『怪物趣味』という性癖を拗らせたド変態もいるが、生憎と青年の性癖はアブノーマルではない。


 「ウォ!!」

 

 一人のゴブリンが雄叫びをあげる。するとそれは集団に伝染し、大きな咆哮となった。耳を襲うその色気の染みた声は、青年を容易に不快にさせた。

 否、もう不快のあまりに吐瀉物を出しそうである。そんな中、青年は胃の内容物ではなく言葉を吐き出した。


 「くそ~!!」


 立ちふさがったのは巨大な壁であった。 

 ゴブリンからの逃避行、それは突如として終わりを迎える。


 ――行き止まりだ。


 「や、やめてくれ!」


 青年は情けなく命乞いをする。が、ゴブリンの集団は息を荒くして、青年に自分の全てをぶつけんと一歩一歩、確実に前進する。


 迫りくる最後の瞬間に青年が戦慄している時、それは起こった。

 

 「きゃぁぁぁぁ!! こっちに来ないでよ!! 私の初めては白馬の王子様にあげるんだから!!」


 響いた少女の声、それを聞いて青年は一瞬で分かった。その声の主が同業者――、つまりゴブリンに追われている不運な少女であることを。


 しかし、青年と違うこともある。青年とは違って少女は、オスゴブリンではなくメスゴブリンに追われていることだ。


 どちらにしても、同性のゴブリンの性欲の発散のために使われることには変わりない。


 「ほ、本当に無理だから!! 来ないでよ!!」


 大粒の涙を流しがら自身の不運を嘆く少女は、青年のいる場所に来ようとしていた。故に青年は声を張り上げて――


 「く、くるな!! こっちは行き止まりだぞ!」

 「けどそこそしか逃げ場がないの~!!」


 同性のゴブリンから狙われる二人、己の最期を悟るのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ