白い世界にレッツゴー!
朝起きると真っ白だった。いつもの道も真っ白屋根の上も真っ白、静かな外の世界はいつもと違って……別世界に来たみたいだった。
「出掛けてくる!」
「こら、なっちゃん!そのままだと風邪ひくでしょー!暖かくして行きなさい。」
お母さんは私にマフラーとニット帽、そしてジャンバーを着ていざレッツゴー!
「行ってきます!」
「あ、待ってなっちゃん!これで寒くなったら温かい物を買いなさい!」
お母さんから貰ったのは500円玉だった!
「ありがとう!行ってきます!」
扉を開けるとまずははぁーっと息を吐いた。白い息がもくもくと上がった。そして雪がまた降り始めた。私はその中を歩き始めた。まだ誰も歩いていない雪の上に私が歩いた証をつける……楽しい!
「よっ、ほっ、とぅ!」
ホップ、ステップ、ジャンプ!そんな事出来ないけど跳ねて周る事は出来た!次はケンケンパー!誰もいない白の世界……私だけの世界に雪はどんどん降ってる。
次は雪だるまを作る、コロコロコロコロと小さな雪だるまを作った。でも、1人だと寂しいから雪だるまをもう1人作る。顔のない雪だるまに顔を書いてあげた。2人とも笑ってる顔にして楽しそうに見えた。
作り終わると急に寂しくなっちゃって私はお家に帰る事にした。
「あっ!なっちゃんいた!」
「あっ!みっちゃん!」
帰ろうとしたその瞬間友達のみっちゃんが手を振ってやってきた!
「遊んでたの?」
「うん!でも1人だとつまらなかったんだ……」
「じゃあ2人で遊ぼう!」
「うん!じゃあ……2人で冒険に行こうよ!」
「冒険?」
「うん!白い世界にレッツゴー!」
「おぉー!冒険者なっちゃん!どこに行くの?」
「まずは……商店街へ武器を調達するぞ!ついて来て冒険者みっちゃん!」
「はい!」
バシッと2人で敬礼した後笑い合って商店街へ向かいます。いつもの駄菓子屋に行くとおばあちゃんが火鉢でお餅を焼いてくれました。私たちはお金を払ってお餅を食べました。そして冒険は続きますけど……ここからは私とみっちゃんの秘密だよ!
お家に帰るとお母さんがおしるこを作って待っててくれました。私は再びお餅を食べます。食べたらまた白い世界へレッツゴー!
???
あの子行っちゃったね……
行っちゃったね……
遊びたかったね……
遊びたかったね……
でも、僕たちとは遊べないよ?
そうだね……でもお話ししたかった……
うん……あっ、見て戻って来たよ!
本当だ!あれ何か持ってるよ?
「この子達を完成させよ!」
「うん!戦利品は沢山あるからね!」
そこには木の枝やどんぐりがいっぱいあった。
「あと寒いから……帽子とマフラー!」
「私たちのお古だけど気に入ってくれるかな?」
私たちの声は聞こえない……
だけど言いたい
ありがとう!
おしまい