サムバスト(5話
「この近くの村は、もう俺の村ぐらいしかがない。歩いて移動していた大男達とあいつの目的地は、そこにあるからだな。」
それに納得するフィクス。
しかし、さらにフィクスに不安があった。
「でもさ、あいつを探すってのならまだ楽かも知らないけど、その生存意味を探すなら、顔すらもわからないから無理じゃね?」
そう疑問に思うと、レイトアはそれについて教えた
「歯車のアクセサリーだ。生存意味はそれを目印として活動しているんだ。ほら、あいつも両耳にイヤリングをつけてただろ?」
その言葉ともに短い時間だか彼と対峙した記憶を読み返し、理解を示した。
「わかった。そいつらから情報をとって言って、えと・・・レイトアの村の名前何だっけ?」
「言ってなかったな。ウジュラ村だ。」
「そう、ウジュラ村を壊した奴を倒すってことだな。」
レイトアはああ、と言い共通した目的、そして違ったの意識のもと、2人(1羽)の旅が始まった。
「お客さん、サムバストにつきましたよ。」
御者の声が聞こえ、フィクスが顔を出した。
「うぉぉ!でけぇぇ」
フィクスは見たこともない大きさを見て、驚いていた。
「あ、フィクス。お前は人前では不死鳥ではなく獣人族って言ってくれ。」
「何で?」
「不死鳥だと知った研究者がお前に興味を持たないわけがない。バレると研究者達が揃ってお前を解剖とかして研究しだすはずだ。あと、相手が信じてくれなかった時、お前はただの変人と思われるからだな。」
「えっ、それは嫌だな。でもそれ本当にバレないのか?」
少し冷や汗をかいたフィクスは、そう質問をした。
「俺はフィクスを最初特殊な獣人族と思っていた。不死鳥なんて頭の片隅で思った程度だからな。他の人もそうだ。自分で言わない限りあまり考えないはずだ。」
レイトアはフィクスが自分から言ったため、考えが確信に変わったのだとフィクスに説明した。
それからレイトア達は御者にお礼をし、サムバストへと入り、次の旅の準備のする。
「俺がよく行く武具屋がある。そこでいいものがあったら買おう。」
そして、少し街を歩き武具屋に着いた。
「フィクス、この中で使いたい武器とかあるか?」
フィクスはレイトアに言われ、さまざまな武器を見ていた。
「あんちゃん、武器選びは初めてかい?」
武器屋の職人がフィクスに話しかけてきた。
「おっと紹介が先だったな。俺の名はムシアだ。よろしく頼むぜ」
「あぁ。フィクスだ。俺に合いそうな武器とかあるかな?」
「そうか。それなら使ってみる、これに限るな。近くに訓練所があるから、そこで使ってみな。案内するぜ。」
フィクスはムシアとともに訓練所へと向かい、様々な武器を使っていった。
「剣か。俺もレイトアみたいにできるかな。」
フィクスは、思いきり剣を振ってみた。
すると、強く振ってしまったためか、それはフィクスは体制を崩し、剣を離してしまった。
「危ねぇなぁおい!」
その剣はの方向へ飛んでいったが、ムシアは軽く避けフィクスを怒った。
「いやぁ、まさかこんなにも剣の扱いが難しいとは。」
とフィクスは剣を見つめながら言った。
「いいか、なるべく力を込め過ぎずに握り、剣を体の一部のように振るうんだ。ほら、レイトアだってそうしてないか?」
フィクスはレイトアが剣を振る場面を思い出した。
「確かに、そんな感じだった気がする。」
「だろ。だからお前もレイトアみたいに振ってみるんだ。」
そう言われ、フィクスは体制を整え再び剣を振るった。
「なるべく力を込め過ぎずに握り、体の一部のように振るう。」
それを心に留め、剣を振るう。しかしフィクスは再び体制を崩し、ムシア方向へと剣が飛んでいった。
「だから危ねぇって!」
フィクスは謝り、
「俺は、やっぱり思いっきり使うほうがあうなぁ〜」
と飛んでいった剣を見ながら少し残念な気持ちになった。
それからもフィクスは様々な武器を使っていったが合う武器は一つもなかった。
「ダメだぁー」
訓練場でフィクスが疲れ倒れている時に武器屋の方向からレイトアが顔を出した。
「ムシアさん、この剣買いたいのですが。」
「あぁわかった、レイトア。今行く。」
そうしてムシア達は武器屋に戻り、会計をすました後、ムシアはレイトアに聞いた。
「レイトア、剣の数を増やすのか?」
「はい、3本の方が自分の魔力的にも動く幅が増えていいかなと。」
「なるほどな。ま、剣の持ち過ぎで倒れないよう注意しろよ。」
「はい。ありがとうございました」
それからレイトア達は食べ物などを買った後、宿を探していた。
「いやぁ、早く休みたいぜぇー。疲れたし。」
「あぁ、そうだな。早いとこ宿を見つけるか。」
レイトア達が話している時だった。
「なら、ここから少し先にある宿とかどうかな。部屋やが綺麗なのに安くていい場所だよ、レイトア。」
レイトア達の前に現れたのは1人の冒険者だった。
「セイビアか、久しぶりだな。ありがとう、その宿にするよ。」
「なに、友達だろ。立ち話もあれだし、宿に行きながら話そうよ。そんなことより、隣の子は?」
と、セイビアという男がレイトア達を宿へと案内する途中に、フィクスを見て質問した。
「お、おう。俺の名前はフィクスだ。えっと、俺は獣人族だよー。」
少しカタコトになるフィクスだったが、セイビアは少し笑いその回答に対して納得してくれた。
「フフッ、そうかい。フィクスくん、僕はスタビット・セイビア。レイトアとは魔法学園での友達。セイビアって呼んでよ。」
セイビアはフィクスと挨拶を交わした後、本題に入った。
「ねえレイトア、また僕達の冒険者パーティーに入らないかい?」