俺が食い止める(14話
それは、セイビア達の殺し合いの途中だった。
「よしっ、激集めちまったし、そろそろセイビアと合流するか。」
そうして、ヴェルトはセイビアと決めた合流場所に向かった。
「よし、ここだったよな?セイビアがいねぇ、まだ探してるのか?」
集合場所にはセイビアの姿がなく、どうせなら一緒に探そうとセイビアを探す事にした。
「あれぇ〜いねぇな。仕方がねぇ、得意ではねぇけど魔力探知使うか。」
そうして、約20m程の範囲しか出せないため、その後も動いてセイビアを探すヴェルト。
そして、ついに20mの中に一つの魔力が反応した。
「ここら辺にいるのはセイビアだけだし、多分そうだろうな。」
そうして、セイビアの魔力に引き込まれる様にセイビアのもとへ向かっていく。
しかし、セイビアとの距離約10m以内に近いた瞬間、そこから感じたものはとてつもない程の殺気だった。
「ダメだ!何がなんだか分からねぇけど、ここから先は行きたくねぇ、何が何でも!」
そして、彼は10mほどならセイビアの姿も見えるだろうと思い、木の影に隠れて見ることにした。
そこに見えた姿は、セイビアと戦う謎の男だった。
「殺気の正体はあいつか!セイビアも少し押され気味だな、助けに行かないとっ!」
そうして、彼は動こうとした。
すると、彼の足はビクビクと震え、決して男の方向へと向かうことはなかった。
「は?おい、俺の足だろ。動いてくれよ。」
動かしたいのに動かない、まるで金縛りに合ったかのような感覚、しかし、彼はその原因はすぐにわかった。
それは、先ほどから感じるとてつもない程の殺気、セイビアが押されていることもあるかもしれないが彼はそう気づいた。
「なんでだよ!動けよ俺の足!」
そう必死に思うも、恐怖に負けた足は動かない。
やがて、セイビアの右腕が切られていた。
そして、ヴェルトの足が動くこともなく、その内セイビアの両足は切られてしまった。
「なんで!なんでだよ!」
ヴェルトは涙目でそう懇願する。
彼が守ろうとする存在はもう既に瀕死。
何で動かないんだと今にも足を刺したい気持ちだった。
そんな時、一つの声がヴェルトの耳に聞こえてきた。
「・・・・・・・逃げろ。」
ヴェルトが聞こえたのはそれだけだ。
それでも彼はセイビアの魔力探知が100mあることを知っており、気づいてくれたのだと安心した。その時だった。
彼の体はサムバストの方向へと急いで走っていく。
「何で、今更動くんだよ!」
ただひたすら走っていく。
足が動くたびに涙が出てくる。
自分が惨めだ。
今にも、死にたいぐらいだ。
そうして走っているうちに、サムバストへと到着した。
しかし、彼は助けを呼ぶことはなく、宿へと帰って行った。
「あれ、ヴェルトさん、早かったですね。あれ?セイビアさんは後で来るんですか?」
そのような質問を無視して自分の部屋へ入り、明かりをつけることもなくすぐさまうずくまった。
もう何もしたくない、友を見殺しにしてしまった、何で動けなかったんだ、もういっそ死にたい。
そんな言葉を自分に1日中言っていた。
そうして後悔の中夜が明けた頃だった。
一本を剣を魔法で動かす。
そのうち剣先が自分を向く。
「セイビアに、謝らねぇと。」
そうして、自分の心臓に刺そうとした瞬間だった。
「おいおい、A級は貴重な戦力なんだよ。何死のうとしてんだ!」
「マスター、もっと言うべき言葉があったと思いますよ。」
ヴェルトの部屋のドアを勝手に開け、宿からの光と共に入ってきたのは2人のギルド経営者だった。
「・・・ギルドマスターじゃないですか、どうしたんですか。」
ヴェルトはだるそうに質問する。
「あぁ、クエスト失敗の違約金を払ってもらおうと思ってな。宿探してやったよ。」
「ちょっとマスター、ヴェルトさんの様子見てください。少し痩せてるし、セイビアさんは来てないそうですし・・・」
「え、あ!確かにそうだな。」
ギルドマスターは笑い、1人はマスターに呆れる。
そして、ギルドマスターはヴェルトの前に座った。
「仲間を失ったのか。それでびびって逃げてきた。で、落ち込んでいるわけだ。笑えるな。」
「笑える、か。そうだなマスター、俺はセイビアを見殺しにして逃げたクソ野郎だよ。」
「そうか、じゃあ、何も話すことはないな。セイビアは俺の知る限り魔力探知が得意だったな。せっかく守った仲間が何もせず自殺。
お前、なんでここに戻ってきた。」
「俺は・・・体が、本能が生きろって必死に問い詰めてるみたいで・・・」
よくわからない感情をなんとかして具現化するヴェルト。目は死んだ魚のようだ。
「生きろ?お前は今、死のうとしてるじゃね〜か。お前は、事実から逃げてるだけだ。体のせいにするなよ。」
その時、ヴェルトはギルドマスターの胸ぐらをぐっと掴んだ。
「逃げて悪いか!このクソみたいな現実から!また逃げだして何が悪いんだよ!」
そうしてヴェルトの拳が出る。
しかし、ギルドマスターは避けることもなく殴られる。そして、その手を握った。
「いーや、何も悪くない。ただ、現実から逃げたところで見えるのは違った現実だぞ。なら、この現実を受け止めて、進もうぜ。」
ヴェルトは泣いた。泣き続けた。
セイビアの死を。ただひたすらに。
「良かったんですか?違約金受け取らなくて。」
「簡単なクエストだから違約金は高くない。俺が払うよ。どちらかと言えば俺はいつも元気なあいつが来なかったのが少し気になっただけだからな。」
ギルドマスターとギルドの受付嬢はギルドへと戻る途中だった。
「だが、ヴェルトもだがセイビアはA級の中でもかなり強い部類だ。あいつが負けたとなると、生存意味は下手すればS級を除いてギルドの全員を殺せる実力を持っているかもしれねぇ。
流石にS級を動かした方がいいかも知らないな。」
「そうですね。ですが、S級が動かせるなら今までにできてましたよね。2人とも自由に旅していますし、最近はギルドで見ませんよ。」
「ああ。2人とも『俺は』何をしてるかは分からん。だが、知ってる奴なら分かる。カリファなら、あいつに説得させたらいけるかもな。」
「え、カリファさんって・・・」
2人はギルドに到着し、それぞれの仕事を始める。
それから1日が経ち、晴天の朝、俺は日の光を見ていた。
「ははっ。今日も激クソな気分だぜ。だけど、やる気が出てきた。」
セイビアはレイトアと合ってから1人になる時間がなかった。
だとしたら、あの野郎は元々レイトアを付いていたはずだ。
なら、またレイトアのとこに戻って尾行するか、殺すかのどっちかに決まってる。
セイビアは何もしない俺を一生懸命守ってくれた。
何をするか。それはもう確定した。
「俺はあいつの願望を止める!そして、友達を、仲間を守る!」
これだけだ。
ヴェルトはレイトアの元へと向かって行った。
ギルドマスター、今の予定だと作中で登場シーンがほぼないんだよなぁ。
まあ、この小説が人気出たら、番外編みたいなので戦闘シーンがあるかも知れないけどね!
というわけで1部はレイトア、フィクス、フラウ、ヴェルトが基本のパーティーです。
良ければ評価、コメントお願いします!
次回やっとレイトア達に戻ります。




