満足すること(11話
一方、セイビア達
セイビア達は一度、サムバストへと帰り、フラウはレイトア達に合流する時の準備をすませたが、その頃にはもう暗くなっていたため、一度宿で寝ることにした。
次の日、城門の前でセイビアとヴェルトはルフトと別れをしようとしていた。
「あの2人なら何とかしてくれると思うけど、困ったことがあったらいつでも帰ってくるんだよ。」
「うん。でも大丈夫だよ。私はこの道を進もうと思った。なら、ちゃんとその道に向かって頑張らなきゃ。」
そうして、馬車を借り、フラウはレイトア達のいる村へと向かって行った。
「行っちまったな。レイトアもそうだが、長い間一緒にいたからちと寂しいぜ。」
そう少しずつ離れていくフラウを見ながらヴェルトはそう言った。
「そうだね。でも、フラウちゃんは自分の道を進んだ。なら、僕たちはそれを応援しないと。で、この後どうする?」
「そりゃあもちろん、ギルドで依頼でも受けて、飯でも食おうぜ。」
そして、2人はギルドに行くことにした。
「げ、まじかよ、これしかねーのかよ。」
「今は朝だし、依頼を出す人も余りいないからだよ」
「じゃあこれ受けるしかないか、いい飯食いてーし。」
それは、薬草採集のクエスト。決して高い金額がもらえるわけでもなかったが、仕方がなくそれを受けることにした。
それは森の中。
「たくさん取りたいから、ヴェルトは右の方を探して。僕は左の方を探していくよ。ここの魔物なら大丈夫だよね。」
魔物が出るが、C級相当の魔物しか出ないと言われているため、2人は分かれることにし、薬草を探した。
「あった、これか。」
その薬草が生えやすい場所にきたこともあり、順調に見つけ、取っていった。
「これだけ集まったし、一度ヴェルトと合流しようか。」
しかし、その瞬間だった。セイビアは魔力感知を使っていたため、生物が200m以内にいると、反応するはずだが、セイビアの後ろ約10mほどに来た時、やっと生物の反応が彼に通達された。
「ハローハロー。元気にしてるか〜い、セイビアくん。」
そうセイビアに気軽に話しかけてくる人間だが、セイビアにとっては見たことのない人であった。
「すみません、僕、忘れっぽくて。あなたは?」
セイビアは相手は友好的に会話をしてくれると信じ、質問をする。その間にどうするかを考えようとした。
「俺はなーサティスだ。サティス・マーダー。」
その時に歯車のアクセサリーが耳に付いていることに気付き、サティスは生存意味だとわかった。
「サティスさんですか、何か僕に用でもありましたか?」
魔力感知からわかるのは、今が1対1と言うこと。周りに人がいないため、助けは呼べない。しかし、それは相手も同じ。さらに、ここで逃げたら、場合によってはヴェルトや他の人が襲われる可能性もある。どうするべきかをセイビアは考える。
「あ〜、俺はよ〜、生きてる上で何においても満足することが大事だと思うんだ。それで、俺は殺すことが一番満足できることだとわかったわけだ。」
その訳のわからない考え方。それにセイビアは思わず怒りを覚えると同時に彼の言葉に耳を傾けてしまった。
「でよ、殺すっていっても、ただ弱いやつ殺したとしてもな〜んにも面白くないわけだ。強い奴と満足する戦いをして、そして殺して満足する。まさに
一石二鳥だ。最高だろ。」
セイビアはそれでも落ち着くことを優先しようとしていた。しかし、それとはかけ離れた質問をしてしまった。
「君、今まで何人殺したんだい?」
「さ〜な。全部記憶はしてるけど今からわざわざ数えるのもめんどくせぇ〜。あ、でも一番満足できたやつでも教えてやろうか?」
殺す。その感情がセイビアの頭に流れ込んだ。
「そうか。すまないが僕は殺されたくない。逃げさせていただくよ。」
セイビアはそう言い、魔力、虚空庫の白い球から、勢いのついた石を出し、それに乗ることでとてつもない速度で飛んで行った。
「わ〜お、だが、逃すかよ。衝撃」
サティスもそう言い、自身の足から衝撃波を出す事でセイビアを追いかけた。
サティスはセイビアを追いかけていると、セイビアは洞窟の中へと入っていった。
「逃げたって無駄だぜぇ〜。」
そう言ってどんどん洞窟を進んでいくサティス。
しかしそこにあった物はとてつもないものだった。
「な、球かよ、まじかよ!」
それは、セイビアの魔力、虚空庫の物を入れる球、黒い球だった。
サティスはレイトア達を尾行していたため、その過程でセイビアの魔力は知っている。
そのため、すぐさまこれに触れると死ぬと勘づいた。
そして、さらに気づいた。この黒い球と洞窟の横の幅が同じであることを。
「まさかこの穴、今自分で掘ったのかよ!どんだけ頭回ってんだ!?」
この驚きの間にも、黒い球はサティスへと迫っていた。
もうあと1秒もあればセティスに届く。
「今から出口に行こうとしても、ぜって〜にもう
一球の球がやってくるな。なら、どこから逃げるか。もちろん、『上』だな。」
この間、0.2秒。
そして、さらにそれを行動に移す。
衝撃を上に放ち、土を吹き飛ばしていく。そして、そこには穴があき、曇った空が見える。
この間、0.5秒。
もし当たれば黒い球はサティス体をえぐるはずだったが、その夢も叶わず、咄嗟の判断によって避けられてしまった。
サティスが出てくると、そこにはセイビアが前にいる。
「最高だぜ。面白くなってきた。」
サティスはセイビアの持つ怒りに劣らないほどに喜びがあった。




