新しいメイド隊員!
ノフィンとチイチイが言い合いをしている。
「せやから家族で一緒に仕事したらあかんって!」
「別に良いだろうナリ坊もいるんだしっ!」
そこで明日琴が入ってきた。
「どうしたのどうしたの?」
そこで訳を聞かせるチイチイ。
「良いじゃん!女の子だったら大歓迎よ♪」
「明日香さんったら」
なおノフィンの姪が一時期メイド隊員になると言うのだった。
名前はシエリと言う。
何故なら彼女もまた発達障害を持っており何故スイーツ城に入るのかと言うと雇用枠が地元に無かったからだった。
そしてそして
「シエリ・ユーノです、よろしくお願いします」
シャープな目のした少女シエリは挨拶する。
「シエリちゃーん可愛いー♪ノフィンの姪なんだってー?ヘイベイビーってやってー!」
「はあっ!?」
シエリはギロリと明日香を睨んだ。
「な、なんでもありません…」
明日香は縮こまる。
(あぁ、いつもの悪い癖が出ちゃった…)
シエリはつい喧嘩腰になってしまった自分の行動を悔いた。
そこでノフィンが言う。
「ごめんね明日香ちゃん、彼女に悪気は無いんだちょっと人より愛想が悪いだけで…」
ゴチンッ!チイチイがノフィンを殴る。
「明日香、シエリちゃんは発達障害なんよ。やから人との接し方もちょっと独特やからそこは堪忍したって」
チイチイはノフィンの代わりに説明した。
と言うわけで短期間だがシエリがメイド隊員に加わった。
なお教育係は琴奈が勤めるが………。
「いやあああぁこの子無理いいぃ!!」
琴奈が泣きついてきた。
「どうしたどうした?」
トーマと明日香が駆け寄る。
「あの子ちょっと怒ったら抵抗するし暴れるしやだあぁぁぁぁ!!」
ーーそしてそして。
「それで私ですか…」
のぞのぞに頼る事にした明日香達。
琴奈じゃ無理と言うので。
なおシエリは図書室で本を読んでいた。
くるシュカも彼女には近寄りにくいようでオロオロしていた。
「見せ物じゃないのよくるシュカ」
「あ、すみませんのぞのぞ先輩…」
「貴女達だって興味本位に見られたら嫌でしょう?良い子だからあっち行ってなさい」
「わかりました、行こうシュカシュカ」
「わかりましたぁ…」
くるシュカはのぞのぞに背を向けて歩く。
(さて…)
のぞのぞが図書室に入る。
「本は面白い?」
「あ、すみません!」
のぞのぞの存在に気づいたシエリは慌てて本を閉じた。
「良いわよ、意固地になっちゃう気持ちは私もわかるもの」
のぞのぞは言った。
「私…本当はみんなと仲良くなりたいんです…でもでも特性があるから…いつも誤解されて…」
シエリが泣き出した。
のぞのぞはシエリをただ優しく見守った。
「偉いわそれでも働こうという気になったんだもの」
そしてそしてのぞのぞはシエリを案内する。
シエナはとても広くて色んなバリエーションのあるスイーツ城を目を輝かせて見ていた。
ーーーそしてそして
「うぅ、私怖いです……」
「大丈夫ですよ私もついていますから」
「お姉さん頑張るですう!」
シエリはハサミを持って羊の毛刈りをした。
はじめは羊を傷つけやしないかと思われたがくるシュカの必死の指導もありシエリは仕事を無事やり遂げた。
「やった……」
シエリは額に汗を滲ませながらも達成した事にやり甲斐を感じだした。
そしてそしてそれを遠目に見るナリ坊。
「うふふ良かったじゃんシエリちゃん♪」
「ちょっと本来なら貴女が教えなきゃいけないんじゃないの?アンタの従姉妹でしょ?」
ポーネが言う。
「私が行くと喧嘩になっちゃうのよ!だから私は見守るしか出来ないの!」
ナリ坊は言い返す。これも仕方のない事…なのか?
そして苦手意識を持っていた明日香も徐々にシエリに馴染んだ。
「どうだった?スイーツ城を回った感想は?」
「はい!とっても広くて…探検したい気持ちになりました!」
シエリは目を輝かせて答えた。
「そうだねー私も25年生きてきたけどスイーツ城みたいな広いところは初めて回った時おったまげたもんだ」
と明日香がこう言った途端シエリは固まった。
ガチンゴチンと。
「どうしたのシエリさん?」
のぞのぞが話しかけても中々反応しない彼女。、
「あれ?私何かいけない事言った?」
暫くするとシエリは我に帰る。
「はっすみません考えごとしてました……」
(やっぱり変わってるなこの子…)
「ところで何考え事してたのかなー?」
ヒクヒクしながら聞く明日香。
「いえ、明日香先輩て結構おばさんなんだなって…」
(コイツ…)
(明日香抑えて抑えて!)
隣にいたのぞのぞは怒りそうな明日香を止める。
でも、歳が近いくるシュカとは結構馴染んでいる様子だった。
「乱法師様間近で見たけどカッコよかったなあ!」
「凄いです!ところでどうだったんですか!?」
くるみんの話に興味を持ち出すシエリ。
そしてそして…。
「よく見たらシュカシュカ先輩って羊さんみたい♪」
「揶揄うなですぅ!」
シュカシュカとも戯れていた。
そしてそしてーーー
カマンとシエリが牛の乳搾りをしていたが…。
「アンタまだ仕事してんの?」
「自分のペースでやらせてください」
カマンが少し怒り口調で言うとシエリもまた同じ口調で返した。
「どきなさい!アンタがやってると日が暮れるのよ!」
シエリを突き倒しカマンはシエリの分までこなす。
カマンはゆっくりマイペースなシエリと違いテキパキと仕事をこなすが…。
「うわーーーーっ!!」
シエリが突如キレ出しカマンに噛みつきだした。
「何するのよ離しなさい!!」
「がるるーー!!」
カマンとシエリが喧嘩になり牛もパニックになって走り出す。
ブモーーーッ!!!
そこにノフィンとトーマがいた。
「ホーリーネット!」
トーマが牛を止めた。
「どうしたんだまた?」とノフィン。
すると「アンタなんか辞めちまえ!!」とカマンの怒鳴り声がした。
行ってみるとその場は部屋は滅茶苦茶になっておりカマンとシエリはメイド服をボロボロにさせて髪もくしゃくしゃになっている。
シエリは這いつくばっておりカマンが殺気の籠った目でシエリを睨んでいた。
シエリはグズるが状況がヤバくなっている事にトーマが気づく。
シエリから闘気が湧き出しているのだ。
(ヤバいぞヤバいぞこいつはヤバいぞ…)
トーマはなんとかしないといけない焦燥感に駆られまくる。
続くーー