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歌魔法で異世界放浪  作者: セルジュ
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異世界へ

 ぱちりと目を開ける。

 目の前に広がるのは見たこともないほど澄み切った青空が広がっている。

 あああ~これは今までいた日本の空とは決定的に違うなぁ。

 むくりと起き上がると目の前には草原が広がっていて、所々に木が立っていた。

 日本のそこそこ大きい都市にいた時には見ることがなかった風景。テレビの中でなら何回でも見たことはあったけど、田舎に住んでいたらこんな風景の中で生きていたのかな。

 しばらくぼーっと周りの風景を見ているとすぐ右隣りから「うーん……」という声が聞こえてきた。

 そうだ! サキは!?

 声のしたほうを見ると見事な銀色の髪を腰まで伸ばした女性が倒れていた。

 センター分けで姫カットのみ覚えありまくりな髪型に一瞬アーリーンかと思ったけど、アーリーンよりもう少し幼さが残った顔立ちを見るとアーリーン本人ではないようだ。

 あれ? もしかしてこの美人さんってサキなの??

 「サキ! サキなんだよね!?」

 体をぐいぐいゆすると気持ちよさそうに寝ていたその人物がうっすらと目を開く。

 うわあ、目の色まで銀色だぁ。

 数回目をぱちぱちとしばたかせるとあたしに気付いたのか驚いた顔になる。

 「あ、あんた誰!?」

 その声はどこからどう聞いてもサキの声だった。

 「あたしだよ! アキだよ! 実の姉にその言葉はなくない?」

 「ええ!? だってどこからどう見てもアーリーンじゃない。って、あれ? その声はアキ? アキなの!?」

 う~ん、どうやらあたしもサキと同じ姿をしているみたいね。

 「そうだよ、アキだよ。その様子からするとあたしもサキと同じでアーリーンと同じ姿になってるみたいだね。あれ? でもアーリーンの髪と瞳の色って青みがかってなかった?」

 「そういわれてみればそうだったよね。あたしたちの髪と目の色は銀色になってる。どうしてだろう?」

 「う~ん、わからないけど何か理由があるんだろうね。でもものすごくきれいな銀色だね。太陽の光を浴びてきらきら光ってるもの」

 「本当だぁ! うわ~生まれ変わったって感じだね!」

 「そ、そうだねえ……」

 生まれ変わったかぁ。異世界に来て姿まで変わったのなら本当に生まれ変わったのと変わらないよね……

 転生したか転移したかの違いはあるだろうけど、ここまで徹底的に変わってしまえばなんだかもう色んな意味で腹をくくるしかないような気がしてきたなぁ。

 まあ異世界に送られてきたわけだし今更腹をくくるも何もないか……

 思わず大きなため息をつくとサキがすかさず言う。

 「アキ、ため息つくと幸せが逃げちゃうよ! ここまできてこれ以上幸せが逃げちゃったらどうするのさ!」

 「あ、ああ~確かにそうだね。これ以上幸せに逃げられるのは困るかな。それにしてもここはどこなんだろう? 異世界に送られたのはいいけど場所がわからないよ」

 周りを見渡しても何もない。荷物らしきものも地図らしきものもなんにもない。

 え、なにこれ、異世界に来て早々迷子ですか? 迷子というか今のままだとただの浮浪者同然なんじゃ……

 「ええ~?? ここまで来てなんの情報もないのぉ!? このままじゃあたしたちただの浮浪者じゃないのさ!!」

 あ、サキも同じことを思ってたみたい。

 「う~ん困ったぞ。せめてここがどこでどこに行けばいいのか分かればいいんだけど」

 腕を組んでうんうんうなってるとサキもうなりだす。

 「う~んう~ん、どうすればいいていうのさ。あーもー! アーリーンのバカー!! このポンコツ女ー!! さっさとなんとかしに来なさいよね!!」

 サキが空に向かって大声で怒鳴る。そんなことで返事が返ってくるわけじゃあ……

 『誰がポンコツ女じゃ!! 呼び出すならもっとましな呼び出し方をせんか!!』

 こ、この聞き覚えありまくりな声は!!

 「アーリーン! アーリーンなの!?」

 まさか本当に返事がかえってくるとは! なんというご都合主義!

 『そうじゃ私じゃ。まったく、いつになったら私に縋りつくのかと思えばま~た馬鹿にしおってからに! その世界を見たじゃろう。どうじゃ! 美しかろう!? これが私が作った世界なんじゃぞ! 分かったらもっとありがたがるがよいわ! 今なら先ほどの無礼も許してやってもよいぞ!?』

 まだ言ってるよこのポンコツ女は……どこまで高飛車になれば気が済むのかね。

 「あーはいはい分かった分かった。確かに思ったよりはずいぶん出来のいい世界じゃない。空といい地上の風景といい奇麗だと思うよ。それで、あたしたちはこれからどうすればいいわけ?」

 『うむうむ、素直に認めればそれでいいんじゃ。そうじゃな。まずはお前たちに与えた力を見せてもらおうかの。歌魔法とやらはあまり聞いたことがないのでな。まずは何でもよい。やって見せよ』

 おおッと、いきなりの注文かあ。歌魔法はあたしとサキが二人で作ってたものなのよね。

 こんな歌が魔法になったらどうなるのか、元いた世界でなん十曲も作ってたんだ。

やっと異世界に来ました。

歌魔法とやらがどんなものなのか全く想像ができませんががんばって書いてみます!

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