プロローグ
異世界。
それはいくつもあるパラレルワールドの一つである。
そんな世界が本当にあるなんてこんな日が来るまで想像もしていなかった。
自分がその当事者になるまでは……
その日もあたしたち二人は学校帰りにいろんなことを話し合っては楽しんでいた。
ライトノベルの異世界転移ものの話で、もしそんなことがあったらこんなことがあれば楽しそうだとか面白そうだとか、まあ空想していたわけなんだ。
「でさ、こんな魔法なんかあったら楽しそうだよね」
「うんうん、歌魔法なんてあんまり聞いたことないもん。それでさこんな歌詞なんてどうかな」
「ああ、いいねそれ~」
あたしたちこと井上アキと双子の妹のサキはあまり聞かない歌魔法なるものについて盛り上がっていた。
まあ二人そろって歌が得意なこともあって歌で魔法が使えたら楽しいだろうななんていう軽い気持ちで楽しんでいたんだよね。
まあ歌詞と言っても素人が作る歌詞だからそんなたいそうなものでもなく、それでもあたしたちにとっては話に花を咲かせるには十分だった。
いつも通りの学校帰り。
帰れば家族が待っているし、授業の宿題を速攻で終わらせたらまた何かしらの歌や歌詞を作って楽しむ。
そんな当たり前なことが続くんだと思っていた。
でも、そんな日常から非日常へと変わってしまうことになるとは夢にも思っていなかった。
二人で道を歩いていたら突然足元から目も開けていられないほどの強烈な光と強風が吹き荒れた。
「きゃああああ! 何これ何これ! 何が起きてるの!?」
「アキどこ!? どこにいるの!?」
二人で並んで歩いていたはずなのにお互いの声がとても遠くに聞こえる。
強烈な光と強風の中あたしはサキのことを手探りで探そうとする。
でもなかなか見つかることができない!
「サキ! どこにいるの!? あたしはここだよ!!」
その光と強風はずいぶん長いようにも思えたし、短いようにも思えた。
光と風にまかれたあたしたちは目をぎゅっと閉じるしかなかった。
しかしそれもいつの間にかおさまり、そろりと目を開けると真っ白な世界が広がっていた。
最初は先ほどの眩しい光のせいで見えないのかと思った。
でもいつまでたっても真っ白い世界に、そこが先ほどまでいた通学路ではないことがわかりはじめてきた。
「ここはどこ?」
どこまでも続く白い世界は終わりが見えない。
何かがあるわけでもなく、ただただ白い世界だけが広がっている。
「何にもないところだね。どこなんだろう」
すぐ右隣りからサキの声が聞こえてきてあたしは心底安心した。
「サキ! よかった! ちゃんといてくれたんだね! どこかに飛ばされちゃったのかと思ったよ!」
あたしはサキに思いきり抱き着く。
こうでもしなきゃ不安で不安でたまらなかったんだもん!
「アキ、あたしは大丈夫だよ。すっごくびっくりしたけどなんともないからさ。それよりここって本当にどこなのかな。こんな真っ白い世界見たことないよ」
二人でそんなことを話しているとだしぬけに『声』がひびいてきた。
『うむ、どうやらうまくいったようじゃな。二人ともずいぶん驚いておるようじゃな。だが安心せい。ここは死後の世界ではないからのお。ここは世界のはざまとでもいえばいいかの』
「誰!?」
「何者なの!?」
思わず二人で手に手をとりあい身をすくませる。
『そう身構えなくともよい。私の名前はアーリーン。そなたたち二人をこの場へ呼んだ者じゃ』
初めての小説になります。
少しでも面白いと思えるような内容になるよう頑張ります。