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第10話  スキル盛りからのスキル確認

本日、2話目です。

アヤネの装備について少し修正しました。

<第一層、南の森のダンジョン【土と生きる者】攻略おめでとうございます。>


ユアがモグラを真っ二つにして消滅するとこんなシステムアナウンスが聞こえた。


「ユア、お疲れ」


「アヤネ、お疲れ。ちょっと来て」


ユアは座り込んでいてアヤネに手を伸ばす。アヤネは立つのを手伝ってほしいのだろうと解釈し、ユアの手を取り、引っ張る。そして立たせる。ユアは立つと「ありがとう」と言いながらアヤネをビンタした。

パチンッ

アヤネは「へ?」と間抜けな声を出して硬まる。


「私が硬まったときのお返し」


「はあ、なるほど。理解した。宝箱の中身、確認しよっか」


「う、うん、そう、だね」


(こやつ、スルーしよった。これじゃあ私が子どもみたいじゃない!!実際、子どもだけども。)


「ユア~?早く~」


「今行く」


アヤネとユアはこの部屋の一番奥に現れた宝箱と転移の魔法陣の前にやってきた。


「ユア、どうぞ。モンスターのほとんどはユアが倒したからね」


「分かった」


ユアが宝箱を開けると中には黒と茶色を1:3の割合で混ぜたような色の長ズボンと緑色の服、茶色の靴、巻物2つ、柄と鍔のデザインがカッコいい鞘に入った刀が1本入っていた。


<ダンジョン攻略によって10000コインが与えられました。>


「おおぉ!!服があるよ!!お金も貰えたし」


「刀が入ってるし、ユアの服かな。私、特に何もしてないし」


【土の覇者】

服:土の中でのVITが30増える。

ズボン:土の中でのHPが30増える。

靴:土の中での移動速度が15上がる。

刀:土の弱点属性の魔法を斬ることが出来る。

唯一無二の存在。破壊されてもすぐに元通りになる。

取得条件:穴の中でボスモンスターに遭遇すること。


「アヤネ、強くない?これ」


「限定的だけどね。でも、まあ、虫の服じゃなくて良かったじゃん。あと出てきてくれて」


「うん!」


「巻物は2つだから2人ともにかな?」


「そうじゃない?確認するね。えっと、」


【土操術】

・【土人形】

・【土壁】

・【土潜り】

・【落とし穴】

・【泥沼】のスキル5点セット。

取得条件:【土に生きる者】を攻略すること。


【土操術】

・【土人形】

・【土壁】

・【土潜り】

・【落とし穴】

・【泥沼】のスキル5点セット。

取得条件:【土に生きる者】を攻略すること。


「一緒だよ。それとめちゃんこお得」


「ホント?」


「ホント。はい、アヤネの」


ユアは巻物の1つをアヤネに手渡す。


「ありがとう!!わお、めっちゃお得!!しかもどれも使える」


「来て良かったね」


「そうだね。昨日、走り回って見つけてくれてありがとう、アヤネ」


「どういたしまして。それじゃ、帰ろうか。午後は暇?」


「うん」


「じゃあ、午後にスキルの確認とか詳しくしよっか。もうすぐお昼だし」


「分かった。じゃあ、1時ね」


「了解」


2人は魔法陣に乗って町まで転移した。


「じゃあ、アヤネ。またね」


「うん」


2人ともログアウトして現実世界に戻っていった。




◇◇◇

茜はベッドでネットニュースを見ながらユアの戦いを思い返していた。


「葵、普通に強かったな~。ステータスの差もあるかもしれないけど、それでも私よりも全然、強いだろうな~。しかもスキルなしでしょ?強すぎ。はあ、PVPのイベントがあったら勝ちたいしな~。PSもユアの方が高いし、私に勝ち目あるかな?どうしよ」


茜はお昼ご飯までまだ発表されてない、されるかも分からないイベントのために頭を抱えていた。



◇◇◇

一方、葵はというと。


「茜、強かったな~。そういえばこのゲームってPVP要素あるっけ?調べてみよ。えっと、あ、あるんだ。イベントとかあるのかな?あるなら茜の戦いを観察しても良いかも。なくてもモンスター相手でも茜の癖をカバーすれば良いもんね。よし、茜の戦いを分析するぞ~」


こちらもこちらでお昼ご飯まで茜の戦いを思い返していた。



◇◇◇

2人ともご飯を食べ終わり、1時になったためFSOに戻ってきた。


「やっほー」


「やっほー」


「それじゃ、どうする?どこで見る?」


「カフェは?」


「何も食べないのに?」


「あ、そっか。どうしよう?」


「良い場所無いかな?屋内が良いんだけど」


「どうして?」


「初期装備じゃないから目立つじゃん。あんまり目立ちたくない」


ユアもさっき手に入れたばかりの装備を身に付けているためかなり目立つ。


「そっか。あ、あの建物は?」


ユアが指を指す方向を見ると大きめの建物が立っており、その建物には【公共館】と書いてあった。


「あれ、調べてないや。まあ、入ってみるか」


2人はその建物に入る。建物の中には受け付けがあり、NPCが立っていた。2人はとりあえず受け付けの前まで進む。


「いらっしゃいませ。ご用件は?」


「この建物って部屋を借りたり出来ますか?」


「はい、可能です」


「なら部屋を貸してください」


「1時間までが300コイン。それ以上は1時間越える度に300円追加されます。では、1号室の鍵です。ごゆっくりどうぞ」


「ありがとうございます」


「ここ、良いね。ナイスユア」


「アヤネは町のことを全く調べてないんじゃないの?」


「ギクッ、ソ、ソンナコトナイヨ。アハ、アハハハハハ」


「まあ、いっか」


部屋に入ると、ベッドが2つとソファーが1つ、椅子が2つ置いてあった。2人は違うベッドに向かい合って座る。


「さてと、まずは【土操術】から確認していこっか。5個あるし」


「そうだね」


【土人形】

土で自分のクローンを作り出せる。本物の能力をそのまま受け継いだ戦闘が出来る。HPが無くなったら崩れて消える。

クールタイム:10分

【土壁】

VIT値100相当の強度の土壁を作り出せる。

持続時間:1分   クールタイム:3分

【土潜り】

5秒間、土に潜れる。移動は不可。

クールタイム:5分

【落とし穴】

自分が立っているところに落とし穴を作れる。同時に2つの落とし穴は出せない。落とし穴は落ちた人が出てきたら自然に消滅する。

【泥沼】

自分の足下に泥沼を作れる。それを踏んだらAGI値が30減る。

持続時間:2分   クールタイム:4分


「うん、使える。ホントに有用」


「ユア、装備に付いてたスキルとかあった?」


「あったよ。教えてほしい?」


「そりゃあ、まあ」


「PVPイベントがあるかもしれないから教えてあげな~い」


「ほおぉ、そんなことを言っても良いの?私の能力もほんの一部しか見てないのに?」


「うっ、それは、その、なんというか...............分かった、分かったよ。教えれば良いんでしょ?」


「素直でよろしい」


「3つあるけどその内の2つだけね」


「良いよ。私も全部は教えるつもりはないし」


「じゃあ、言うよ?スキル名は装備と同じで【土の覇者】。そのスキルに3つ入ってるんだけど1つ目が【潜り土】。【土操術】の【土潜り】に似ているけど大きな違いは土の中を動けること。2つ目が【土化】。その名の通り土になる。次、アヤネね」


「なるほど。ユアが2つ言ったから私も2つ言うね。1つ目は昨日の夜に手に入れたスキルなんだけど、Lv.10まで被ダメが0の人が貰えるスキルで名前が【思考加速】。体感速度が遅くなるスキルで敵の動きがゆっくり見れたりするの。2つ目が【目潰し】で取得条件が1つのダンジョンで3回以上、目に攻撃をすること。効果が顔に攻撃をしたときにダメージが2倍になるんだって。いや~、目、潰しといて良かった」


「発言が怖いよ?」


「ユアは取ってないでしょ?2回だから」


「そうだけど、いらないかな。そのスキルは」


「あ、そう。結構、使えると思うけどなぁ。常時発動だし」


「それよりもさ、【思考加速】の情報、私に必要ないよね?今、9だし」


「分からないよ?次に遭ったモンスターにダメージ与えられるかもよ?」


「確かにそうだけど。あ、そうそう。アヤネに聞きたかったことがあったんだけど良い?」


「何?」


「ダンジョンで言ってた夢って何?」


「夢?.....あー、2人とも被ダメ0のパーティってカッコいいでしょ?それを目指したいなぁって思って」


「なるほど。私もそこそこは頑張るよ」


「多分、ユアの方が続く気がするけどね」


「どうして?」


「だつて反射神経が化け物じゃん。さらに運動神経も化け物でしょ。つまりユアは化け物なんだよ。だから私よりも続く」


「ひどい言い草だな。そういうアヤネも人のこと言えないでしょ。運動神経化け物で反射神経化け物って」


「私は違うよ。私ね、反射神経テストをしたら`平均よりもかなり遅いです´って結果が出たの」


「でも、ドッヂボールとかすごい避けるじゃん」


「それはね、多分、条件反射。何故か分からないけど飛んでくるものには対応できるの。だから接近戦は無理かな。多分。やったことないけど」


「そっか。じゃあ、魔法は避けれる、と。弓もかな?それ以外の敵は近寄らなければ良いんだよ」


「どうやって倒すのさ」


「あの爆発」


「あれはそんなにポンポン出せるもんじゃ......ん?待てよ。出せるかもしれない。ユア、ありがとう。突破口が見えた」


「助けになれたなら良かったです」


「このあとどこ行く?」


「お店行かない?」


「あ、良いね!!それ。じゃあ、そうしよっか」


「うん」


2人はベッドから立ち、部屋を出て、受け付けにお金と鍵を渡し、建物を出た。

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