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「ゲストを呼ぼうかと思っているんだ。誰か紹介してくれないか?」

 キースは映画作りを本格的に進めていました。監督には僕の名前も挙がったそうですが、結局は、彼らの音楽についてよく知っている、デビュー時からの音楽監督が担当することになりました。

 音楽の作品作りは、バンドだけで作り出すものではありません。メンバーだけで作り出すことも出来なくはないのですが、――実際にライク・ア・ローリングストーンはメンバーのみでの作品を作ったことがあります。それはとても画期的な、実験的な作品として愛されています――第三者の意見を取り入れることが、よりよい作品を生み出す手段として常識になっています。

 ライク・ア・ローリングストーンのデビュー作品から監督をしていたのは、ジョージ・スコセッシです。ジョージは元々、商社で働いていました。売れるものを見る目が、確かでした。アンドリューが連れてきたのですが、アンドリューが去ってからも、ジョージは監督を続けています。当時は音楽には詳しくなかったのですが、その耳は確かです。いいものをいいと言える、純粋さを持っていました。ライク・ア・ローリングストーンの成功により、ジョージも注目を集め、他のバンドの作品も監督しています。どの作品も大ヒットを飛ばしています。音楽の世界では、間違いなく最高の監督です。

 ジョージの意見があるからこそ、キースは好き放題にしていられると言っても過言ではありません。どんなに勝手なことをしても、最後にはジョージがまとめてくれます。その安心感が、さらにキースを自由にさせ、よりよい作品を生み出す原動力になっていました。

 ロンが加入してからの初の駄作も、ジョージがいたからこそ、それなりの作品として発表することが出来たのです。ジョージなしには、駄作としての評価すら貰えなかったことでしょう。

「ジョージとはアイディアを出し合っていて、大体の構成は出来上がっている。ジョージがいうには、ゲストとのやり取りを撮りたいそうなんだ。俺たちの音楽に対する考えを表現するためにな」

「・・・・若手がいいのかい? それとも、まるで違う音楽?」

「お前は頭がいいな。対比をするには、俺たちのモノマネじゃあ困る」

 僕は少しの時間を貰い、二組のバンドに声をかけ、ライブへのゲスト出演の了解を得ました。

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