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「やっと一つの区切りが出来た。これで世界が休憩すれば幸いだ」

 なんのことを言っているのか、理解できませんでした。キースの言葉は、時に意味がわかりません。それはその歌詞についても言えることです。今更ではありますが、そんな言葉の使い方が、キースの魅力でもあります。預言書のような言葉もあれば、独特の表現もあり、それでいて恥ずかしいくらいにストレートな言葉があったりもするのです。

「新しい作品が完成したんだ。久し振りだな」

「いつの間に? ツアーで忙しいのに、満足いくものが出来たのかい?」

 僕は不安を感じました。少ない時間を使っての、間に合わせのような気がしたのです。ライク・ア・ローリングストーンの名誉のために言いますが、今までにそのような作品はありません。ただ、他のバンドでは、当たり前のようにそのような作品を発表しています。

「満足なんてものじゃない。大満足だな。久し振りっていうのはな、作品が、じゃない。世界を本気で驚かすのが、なんだよ」

 僕はすぐに、箱を開けました。驚くという言葉は、ちっぽけでした。

「いつの間に・・・・」

 衝撃という言葉でも、足りませんでした。

「これは・・・・ 奇跡?」

「俺たちはずっと、新曲を作り続けていた。ライブをしながらでも、曲は生まれる。今までもそうだ。けれどこの作品は、戦いながら生み出された曲だ。俺たちのここ数年の血が、滲んでいるんだ」

 最高傑作という言葉では言いきれないほどの音楽が、そこには詰まっていました。デビュー時よりも、七枚目の時よりも、考えられないほどの感情を与えてくれました。世界が驚くのは明らかで、ライク・ア・ローリングストーンはまた、音楽の歴史を生み出してしまったのです。

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