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「光の時代は、終わるのかもしれないな」

「僕としては、迷惑な半面、有難くもあるよ」

「お前はレコードが好きだからな」

「それはあまり、関係ないよ。レコードを作る技術は、今の世界にはないんだから。僕が生きている間には間に合わないだろうと言われたよ。有難いのは、光の移動手段が禁止されたことだよ。あれは危険だし、僕は好きじゃなかった。あっという間に移動できるのは便利だけどね、二・三日は気分が悪い」

「それは俺も同感だな。けれど飛行機もまた、危険だろ? 俺はどちらも好きじゃないな」

「僕は好きだよ。空を飛べるなんて、幸せだ。けれど飛行機は、時間がかかる。車もそうだ。あのスピードは、快感だよ。時間がかからなければ、もっと便利になる。僕の仕事は、形を変えないといけなくなったよ」

「お前は作家だろ? どこででも書けるだろ?」

「けれど僕は、音楽のライターでもある。今までのように多くのバンドを取材することは不可能だよ。残念だけど、これからはライク・ア・ローリングストーンのライブに毎回参加することは難しそうだよ。なにかあってもすぐには飛んで行けないんだ」

 キースは僕の目を、じっと見つめました。

「車は狂気だぞ。なん百キロものスピードで街を走りすぎる。ぶつかれば即、死亡だな。大きな弾丸が街を行き来しているようなものだろ?」

「ルールを守れば、安全だよ。キースだって車には乗るだろ?」

「車がなければ、移動が出来ない。仕方なしに乗っているだけだ。それにな、光に乗るよりはましだからな」

 光の時代から、車の時代が到達しました。車がなければ、買い物をすることもできません。歩いて出かけるには、街は広すぎます。

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