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「ブライアンの代わりなんて、誰にも出来ない」

 僕は思わず、口を挟んでしまいました。

「僕の説得に、君が来るとは思わなかったよ。どうしてミックが来ないんだ? 本気で僕を引き留めたいのなら、そうするのが筋だろ?」

 僕は思わず、うなずきました。

「僕の意志は固まっている。例えミックが来たとしても、変わらない。けれど少し、残念だよ。僕はライク・ア・ローリングストーンを家族のように思ってきた。ミックが来ないで、君が来るなんて、おかしな話だ。君は、家族ではないんだ」

 その言葉が、僕の胸には痛かったのを覚えています。

「・・・・俺はそうは思わない。こいつだって、俺たちにとっては家族だ。大切な家族だろ? 俺とブライアンを音楽の力を通して結びつけたのは、こいつだ。ミックを誘っていたのも、こいつだ。こいつなしでは、ライク・ア・ローリングストーンは成り立たない。俺はな、バンドの中核をこいつだと考えているほどなんだ」

 その言葉が、僕の胸を震わせました。

「そうかい・・・・」

 ブライアンはじっと、僕に視線を飛ばしていました。残念なことに、僕にはその視線の意味がわかりませんでした。その後会うこともなかったので、その真意を聞き出すことが出来ないままでいます。

 キースはなんとかしてブライアンを引き留めようと説得を続けていました。一時はお互いに熱くなり、殴り合いに発展しそうになりました。僕が間に入り、騒ぎにはなりませんでしたが、僕の両頬にそれぞれのパンチが飛んできて、大きな膨らみを作りました。

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